感謝の気持ちを上手に伝えることは、コミュニケーションを円滑にするだけでなく、良好な人間関係を築くためにも重要です。

この記事では、ビジネスシーンやフォーマルな場において使える、感謝を表す言葉一覧をご紹介します。

感謝の気持ちを伝える方法

  • 感謝の気持ちを伝える方法

    感謝の気持ちを伝える方法

ビジネスシーンで感謝の気持ちを伝える方法についてご紹介します。部下や同僚に伝える場合と、取引先や上司に伝える場合、さらに文面で感謝を伝える方法についても紹介します。

部下や同僚に感謝の言葉を伝える方法

部下や同僚に感謝を伝える際は、相手の目を見て、率直な気持ちで感謝の言葉を述べましょう。

部下や同僚に対しては、お礼を言いそびれたり、毎度のことでついついお礼を省いたりしがちです。相手にきちんと感謝の気持ちを伝えることを日頃から意識すると、よりよい関係を築けます。

また、部下や同僚との距離感に合わせて言葉を選ぶことも重要です。過剰な敬語は返って気持ちが離れる原因になることがあります。

社外や上司に感謝の言葉を伝える方法

社外の人や上司に感謝を伝える場合は、相手への敬意を表す必要があります。失礼に当たらないよう尊敬語と謙譲語をきちんと使い分け、丁寧な言葉遣いをしましょう。

たとえば、「アドバイスをいただきましてありがとうございます」や「ご厚意に感謝申し上げます」のような表現があります。場面や相手に応じて使い分けましょう。

また、どのような形で感謝を伝えるのかについても重要です。直接会って伝えるのが難しい場合は、なるべく早めに電話やメールで感謝の気持ちを伝えましょう。

文面で感謝の言葉を伝える方法

文面で感謝を伝える場合、相手からはあなたの表情や態度が見えず、文章のみが伝わります。そのため、直接顔を合わせて伝えるよりもさらに、相手にふさわしい言葉遣いを選び、感謝の気持ちを伝えることが重要です。

文面は後に残ります。フレーズの誤用や漢字のミスをしないように、送る前に必ず見直しや推敲をしましょう。メールやチャットの場合も油断せずに、丁寧な言葉遣いを心がけます。

また、手書きのメッセージや手紙は、デジタル上の文面よりも心を込めた感謝の気持ちを伝えられます。状況によって使い分けましょう。

感謝を表す言葉の一覧・例文

  • 感謝を表す言葉の一覧

    感謝を表す言葉

感謝の言葉を適切に使えると、相手に好印象を与えられます。ビジネスシーンやフォーマルな場における感謝の言葉とその使用方法、例文を紹介します。場面に応じて適切な表現を使いましょう。

ありがとう

「ありがとう」は、感謝を伝えるため日常的に広く使われる言葉です。ビジネスでは社内の部下や同じ地位の同僚に使われます。

「ありがとう」を適切に使うことで、相手に感謝と誠意を伝えられます。たとえば、同僚から手伝ってもらったときに「ありがとう」と言うことで、素直な感謝の気持ちを伝え良好な関係を築けます。

ただし、あまりにカジュアルな言い方は相手に失礼にあたることがあります。場面に応じて「ありがとうございます」を使いましょう。

【例文】

  • 「資料作成のサポートありがとう。おかげで無事に完了できたよ」

ありがとうございます

「ありがとうございます」は、ビジネスやフォーマルな場でよく使われる感謝の言葉です。目上の人に対しても感謝を伝えられます。

何に対する感謝なのかを具体的に付け加えることで、より強く相手に感謝の気持ちを伝えられます。

【例文】

  • 「会議でのアドバイスは大変参考になりました。ありがとうございます」

  • 「本日はお招きいただきまして、ありがとうございます」

御礼申し上げます

「御礼申し上げます」は、感謝の気持ちを表す「御礼」と、「言う」の謙譲語「申し上げる」、そして「ます」という丁寧語を組み合わせた表現です。

謙譲の気持ちを込めながら、感謝の気持ちを伝えられます。「ありがとうございます」よりもフォーマルな印象であるため、あまり話したことがない人や目上の人にも使えます。

「御礼申し上げます」は、一般的に「おれいもうしあげます」と読みますが、「おんれいもうしあげます」と読むことも可能です。

【例文】

  • 「イベントにご参加いただいた方々に御礼申し上げます」

心から感謝します・心より感謝します

「感謝します」は、名詞の「感謝」と、動詞「する」の丁寧語である「します」を合わせた言葉です。丁寧な表現ではありますが、尊敬語や謙譲語は入っていません。さらに丁寧にしたい場合は「感謝いたします」とすることで、相手への尊敬の気持ちは伝わりやすいでしょう

また、「心から」「心より」を付け加えることで、表面上の感謝ではなく心からの感謝であることを明確に表現できます。

【例文】

  • 「ご支援のおかげで無事にイベントを開催できました。心から感謝いたします」
  • 「ご協力いただきましたことを心より感謝いたします」

衷心より感謝申し上げます

「衷心(ちゅうしん)」の「衷」には「真ん中」や「真心」という意味があります。つまり「衷心より」とは、「心の底から」や「心から」という意味です。

「衷心より感謝申し上げます」は、「心から感謝申し上げます」と同じ意味といえます。

心の底から感謝していることを相手に伝える際に使用できる表現です。「申し上げます」という謙譲表現を使うことで、相手に敬意を示せます。

【例文】

  • 「先生のご指導のおかげで試験に合格できました。衷心より感謝申し上げます」

ご厚情、痛み入ります

「厚情(こうじょう)」とは、「厚い人情」や「心からの深い思いやり」を意味する言葉です。

「痛み入る」は「いたみいる」と読みます。「痛み」は、申し訳ない気持ちで心が痛むことを表しており、「入る」はより深い感情であることを表現しています。

「ご厚情、痛み入ります」は、相手からの深い思いやりに対して感謝しつつ、自分にはもったいないという畏れ多い気持ちを表します。

【例文】

  • 「温かい励ましのお言葉を頂戴し、ご厚情、痛み入ります」

ありがたく存じます

「存じます」は「思います」の謙譲語であり、「ありがたく存じます」は「ありがたく思っています」という意味です。「ありがたい」という感謝の気持ちが、謙譲表現を伴って表わされた言葉であり、目上の人に使用できます。

また、上司や取引先に対して依頼する場合に、「~していただけると、ありがたく存じます」のように使えます。ビジネスシーンで丁重に依頼する場合に、頻繁に使用される表現です。

【例文】

  • 「足元の悪い中、お越しくださりありがたく存じます」

  • 「お忙しいところ恐れ入りますが、質問にご回答いただけると、ありがたく存じます」

冥利に尽きます

「冥利」とは仏教用語であり、知らず知らずのうちに受ける恩恵を意味します。「冥利に尽きます」とは、「その立場・役職の人間として、これ以上の幸せはない」という意味になります。

「作家冥利に尽きる」や「教師冥利に尽きる」のように職業の後に付けたり、「リーダー冥利に尽きる」のように役割の後に付けたりします。

受賞や褒め言葉、名誉などを受けた場合に使用する言葉であり、金品を受け取った際には使用できません。

【例文】

  • 「このような立派な賞をいただいて、作家冥利に尽きます」

  • 「社長に褒めていただき光栄です。営業冥利に尽きます」

恐悦至極に存じます

「恐悦至極に存じます」の「恐悦(きょうえつ)」とは「謹んで喜ぶ」ことであり、「至極(しごく)」とは「この上なく」という意味です。「存じます」という謙譲表現と組み合わさることで、相手の好意に対して「大変畏れ多いことで嬉しく思います」という気持ちを表します。

「恐悦至極に存じます」は、フォーマルなパーティのスピーチや、イベントの演説などで使われることがほとんどです。また、目上の人に対する手紙や、改まったビジネスメールなどで使用されることもあります。

【例文】

  • 「お褒めの言葉を賜り、誠に恐悦至極に存じます」

感謝の言葉には誠意と知性があらわれる

  • 感謝の言葉には誠意と知性があらわれる

    感謝の言葉には誠意と知性があらわれる

感謝の気持ちを伝えることは、信頼関係を築くために欠かせません。感謝の言葉には、あなたの誠意と知性が表れます。感謝の言葉は、相手や場面によって適切に使い分けましょう。

また、感謝の言葉だけでなく、行動や態度で感謝の気持ちを表すことも大切です。