女優の天海祐希が主演を務めるカンテレ・フジテレビ系ドラマ『合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子(かみづるりょうこ)の解明~』が17日(毎週月曜22:00~※初回15分拡大)にスタートする。映画化された『孤狼の血』で日本推理作家協会賞を受賞したベストセラー作家・柚月裕子氏のミステリー小説を映像化する同作では、天海演じる頭脳明晰、そして変装を武器とする女探偵・上水流涼子が、松下洸平演じるIQ140の相棒・貴山伸彦とタッグを組み、“あり得ない”敵を“あり得ない”手段で葬っていく極上痛快エンターテインメントとなっている。
今回は初タッグを組む天海と松下に、互いの印象やバディ役への意気込みはもちろん、「互いについて探偵に調査を依頼したいこと」を聞いた。
■互いの印象は「見ていて幸せになる」「ついていきたい」
――初共演のお2人ですが、互いの印象を教えてください。
天海:初めましてですが、ご活躍は拝見しています。いろんな役を演じられている巧みな役者さんで、役に誠実なお人柄がにじみ出るような方だと感じていました。撮影が始まっても画面から受けていた印象そのまま。さらに考えていることをそのまま表現できる巧みさをお持ちで、こちらが思いついたことをやってみるとがっつりついてきてくれて、なんて頼もしいんだとありがたく思っています。とっても前向きで真摯で誠実な方で、話していてとても楽しいですし、何よりハンサムじゃないですか。見ていて幸せになりますよね!
松下:ありがとうございます! 僕は映画やテレビ、舞台でもう数え切れないほど拝見していますし、バディを組ませていただく機会があると思っていなかったので非常に光栄です。最初にビジュアル撮影をさせていただいたときに、画面に映る2ショットを見て「本当にやるんだ」「天海さんの隣に自分がいる!」と実感がわいてきて。その写真の天海さんがあまりにもかっこよくて、バディとして身の引き締まる思いでした。天海さんは人への関わり合いに対してすごく真っ直ぐで、一緒にいて勉強になることばかり。先程も写真を撮っているとき、ポケットに手を入れてポーズを取っていた僕にちょっとしたアドバイスをくださって、本当に「ついていきます!」と思わせてくださる方です。かっこいいところをどんどん盗んでいこうかなと。バレないようにジロジロ見てしまいそうです(笑)。
■松下、IQ140の役どころに「似ているところはない」
――役作りで心がけていることを教えてください。
天海:とても面白い原作のイメージをそのまま伝えたいという思いが一番大きいです。淡々としている原作の涼子に対してドラマでは少しコミカルな部分も描かれているのですが、涼子の大きな核となっているのは、遠くない過去に痛い目に遭って弁護士の資格を剥奪されてしまい、人を心底信用できなくなっているところで。そんな涼子が回を重ねるごとにどう変化していくかを表現できたらいいなと。おふざけに走ってしまうのは個人的に好きではないのですが、クスッと笑えるギリギリのラインを監督が攻めてくださっていて楽しく演じています。
松下:貴山は理論的に物事を進められる非常に頭のいい人物ですが、すごく癖のある性格で、人を信じられないところがあります。話が進むごとに抱えているものやありのままの姿が見えてくるので、そこをベースに役を作っていきました。悲しそうな顔、寂しそうな顔を時折織り交ぜられたらと思います。
――ご自身と役で似ている部分はありますか。
天海:こんなに切れ者ではないですし、人をお金だとは思っていないのですが(笑)、自分と違う部分があるからこそ、誇張して表現するのが楽しみです。
松下:自分に似ているところはほぼないですね(笑)。物事を丁寧に捉えるところは、僕も心がけているので理解できるのですが、それ以外は謎めいた人です。
■どこか似ている部分のあるバディを作りたい
――こんなバディにしていきたいという意気込みを教えてください。
天海:涼子と貴山はお互いを完全に信頼しているわけではないんです。お仕事というベースと、お金を稼ぐという目的が一緒だから共に走っているだけで。今後それぞれの過去に向き合っていくにあたって、意味のある関係だと感じられるバディに成長していけたらと思っています。
松下:台本には描かれていないのですが、どれくらい長くバディを組んでいるのか演じるうえで意識していきたいと考えています。あくまでも仕事上のパートナーではありますが、長く一緒にいると似てくる部分もあると思うので、そこを芝居上で少し見せられたらなと。この間も天海さんの提案で、2人で合わせて全く同じリアクションをしてみたんです。話し出すタイミングや手を挙げるタイミング、何でもいいのですが、同じ動きをすることでバディ感を出せるし、過ごしてきた時間が垣間見える、そんな表現を挟んでいきたいです。
――お互いの楽しみにしているシーンを教えてください。
天海:潜入捜査のたびにどんな格好をするのか楽しみにしていただきたいです。あと元弁護士の涼子は鉄の女のようなキャラクターなのですが、人に見せない柔らかい部分がどこかにあって。そんな雰囲気を貴山は察していろんなところで助けてくれるのですが、貴山のほうにも深いところで人に触れられたくない柔らかい部分があって……お互いに感じているけどなかなか見せないそんな部分が、いい塩梅でそれぞれの芝居に表れているんじゃないかなと思います。ガッと進んでいく涼子を、冷静な貴山がどう舵取りしていくかというところにも注目してください。裏で貴山が操作しているときもありますからね。
松下:注目してほしいのは衣装です。1話につきどれくらい着替えるのかというくらい変装していて、それがまたなぜかバレないのがドラマの面白いところ(笑)。クスッとしていただけたらうれしいです。間違いなく、今まで見たことのない天海さんが見られると思います。