東急および東急レクリエーションが4月14日より開業する、ホテル、映画館、劇場、ライブホールなどの施設が入る「東急歌舞伎町タワー」。一体どんな施設なのか、気になっている人も多いことだろう。そこで前編ではホテルの様子を、後編ではエンタメ施設の様子を中心にお伝えしたい。

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    新宿駅からも見える

エンタメに振り切った超高層複合施設

東急歌舞伎町タワーは、地上48階、地下5階、塔屋1階からなる、高さ約225mの超高層複合施設。もともとは新宿東急文化会館(1956年~)のあった敷地で、映画館「新宿ミラノ座」は最盛期に年間観客動員60~70万人を記録するなど多くの人に親しまれた。直近では暫定利用という形で、バンダイナムコアミューズメントが「VR ZONE SHINJUKU」(2017年7月~2019年3月)をこの地で運営していた。

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    「東急歌舞伎町タワー」(東京都新宿区歌舞伎町一丁目29番1号)

メディア内覧会には、東急 執行役員 新宿プロジェクト企画開発室の木村知郎氏が登壇。東急歌舞伎町タワーの役割について「まちの核となる新たな都市観光拠点の創出」と「まちの回遊性とにぎわいを創出する都市観光インフラの整備」を掲げた。「歌舞伎町の集客力を強化し、にぎわいを創出します。また、空港連絡バスルートを整備することで歌舞伎町へのアクセスを向上させ、周辺道路をリニューアルすることで新宿東口エリア、大久保エリアとの回遊性を高めます」と木村氏。

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    東急 執行役員 新宿プロジェクト企画開発室 室長 兼 TSTエンタテイメント代表取締役社長の木村知郎氏

建築デザインを手がけたのは外装デザイナーの永山祐子氏。昔、このエリアには蟹川と呼ばれる川が流れていたこと、また歌舞伎町には水の女神である弁財天が祀られていることなどから、水のエネルギーが噴水のように天に伸びる姿、白い水飛沫が多層に重なり合う姿などをモチーフにしたという。

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    噴水のような外観イメージ

17~47階はホテル&レストラン、9~10階は映画館「109シネマズプレミアム新宿」、6~8階は劇場「THEATER MILANO-Za」、1~5階はエンターテインメント&レストラン、B1~B4はライブホール / ナイトエンタメ施設というフロア構成となっている。

オフィスが入っていない理由について木村氏は「この歌舞伎町の再開発プロジェクトは、国家戦略特区特定事業に認定されています。観光立国を目指すという国の方針があり、また東京都からは観光拠点の創出を期待されている。さらに新宿区からは、世界のエンタメシティを作っていきたい、という要望もあります。このエリアの立地から考えても、オフィスというよりはエンタメに振り切った施設を作っていくニーズのほうが高いと判断しました」と説明した。

性格の異なる2つのホテル

東急歌舞伎町タワーには「BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel」(ベルスタートウキョウ/39~47階)、「HOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL Hotel」(ホテルグルーヴシンジュク/18~38階)という性格の異なる2つのホテルが入っている。ホテルの開業日は5月19日。

HOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL Hotelのコンセプトは、エンターテインメント施設・まちと繋がるホテル。各エンタメ施設の余韻に浸るとともに、新宿歌舞伎町の歴史、この街で生まれるアートや音楽などを感じることのできる客室(538室)を用意する。宿泊料金は1泊3~5万円(ダイナミックプライシング)。

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    客室の一例。利用人数1~3名、宿泊料金は1泊3~5万円(ダイナミックプライシング)という部屋が多い

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    どの部屋からも新宿の街が一望できる

ガーデンスイートキングは広さ53平米。このタイプの部屋は17室を用意している。洗濯機や電子レンジなどがあり、長期滞在にも適している。

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    ガーデンスイートキングのベッドサイズは204×203cm

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    長期滞在も可

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    ソファで寛ぐことも

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    シャワールームと洗面台

24階は、エヴァンゲリオンの世界観に浸れる「LIFESTYLEHOTEL EVA」となっている。碇シンジ、綾波レイ、惣流・アスカ・ラングレーら5名のパイロットを連想させるカラーで室内をコーディネート。人気イラストレーターの白根ゆたんぽ氏がデザインしたキャラクターがあしらわれた、クリアポーチ、Tシャツ、マグカップ、トートバッグ、コースターなどの特典も用意する。現在、予約受付中。宿泊可能期間は2023年4月28日から2023年7月20日まで、宿泊料金は1泊3万8,200円から。

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    エヴァンゲリオンの世界観に浸れる「LIFESTYLEHOTEL EVA」客室の様子

17階は、ホテルとまちを繋ぐ社交場「JAM17 DINING&BAR」として、パーティルーム、オープンテラス、イタリアンスタイルダイニング、バーなどを展開。江戸時代に内藤新宿で育てられていた"内藤とうがらし"をキーボタニカルにした「歌舞伎町エシカル・ジン Ne10(エヌイーテン)」などを提供する。

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    17階は、にぎわいと憩いの社交場になる

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    「JAM17 BAR」の頭上には、西野達氏によるアート作品「新宿」が飾られている

一方で「BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel」のコンセプトは、天空のラグジュアリーホテル。部屋には日本文化を感じられるアイテムを配置し、7mのワイドビューからは朝も晩も東京の絶景を眺めることができる。客室数は97室で宿泊料金は9万円〜(ダイナミックプライシング)。ちなみに最上級の部屋は47階にある「sora 天」(277平米)で、宿泊料金は1泊300万円を超えるという。

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    「BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel」レセプション

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    「スタジオプレミアキング」(51~55平米)は26室を用意

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    「スタジオプレミアツイン」(54平米)は30室を用意

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    バスルームの様子

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    客室からの眺め

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    わずか6室しかない「ジュニア コーナー スイート キング」(59平米)

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    バスルーム、トイレからの眺めも抜群に良い

45階にはレストラン&バーを展開する。Restaurant Bellustarではモダンフレンチを提供。日本各地の素材を使用した、伝統と進化を感じられるフランス料理を楽しむことができる。

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    高さ200mのレストランで料理やアルコールを楽しむ。Restaurant Bellustarの天井には、大巻伸嗣氏のアート作品「Gravity and Grace: Lucidus(Lucida)」

後編では、エンタメ施設の様子を中心にお伝えしていく。