今年も春が来ました。オジサンになって時の経過を速く感じるためか、季節のうつろいなどに無頓着になっている気がします。しかし、そんな筆者でも、桜を見るとなんとなく気分を新たにするのが不思議です。
そこに、アディダスが最新のランニングシューズ「ウルトラブースト ライト(ULTRABOOST LIGHT)」(2万5,300円)を3月3日より発売したとの情報。
季節もいいし、平日の昼間に桜を眺めながら、ハイスペックなシューズで「あえて」ウォーキングしたら、ブルジョアのように贅沢な時間を過ごせるなー、と夢想したところ、同社の好意で編集部宛にシューズが届きましたよ! ありがたやー。
シューズの性能を確認
「快適な履き心地、優れたクッション性と反発力を一歩一歩にもたらす」という謳い文句、シリーズ最軽量という触れ込みもあり、製品を見る前の印象は「トップランナー向け」モデルでした。
新たに採用された「Light BOOST」と連動し、反発力を更に引き出すよう設計されたというソール、「PRIMEKNIT+」を採用した軽量アッパー、天然ゴム製「Continental ラバー」を採用した優れたグリップ力という機能性の数々がそれを裏付けしている気がしていたのです。
しかし、リリース資料には「エリートランナーだけではなく、初心者やカジュアルランナーにとっても、より良いパフォーマンスを引き出せる可能性があると言えます」と記載が。
実際、足を入れたところ、トップランナー向けシューズが持つ、ハイスペックなシューズ特有の「立った時の不安定さ」はあまり感じなかったのです。これならウォーキングも問題なさそう。
でも、なにかドラマがないね……。
もっと、こう「劇的に味わう」ウォーキングはできないの? とモヤモヤするオジサン。ここにもう一人のオジサンが登場するのです!
皇居ウォーキング開始
社内でデータ分析を担当する彼。元々ウォーキングを趣味としているも、最近少し膝を痛めたこと、先日は子どもと10年ぶりにスキーをして全身打撲という満身創痍の状態なのです。たとえるなら、3倍界王拳を使った後の悟空ですね。
「カラダもってくれよ! 3倍界王拳だ!」
もちろんオジサンの肉体がそんな酷使に耐えられるはずもなくズタボロよ、と近所の食堂でランチを食べながら遠い目をしていました。そこで、彼にもシューズを履いてもらい、パフォーマンス改善を体感してもらうという企みです。
筆者的には、「仙豆だ、食え」という気分ですね。
話を持ち掛けると、「いいね、ぜひ試したい!」と本人もだいぶ前のめりだったので、皇居付近を周遊する「プレミアムな散歩」がスタートすることになりました。
スタート地点は大手町駅。歩き出したところ、同エリアには平日の昼間に敷地を一般開放するビルが幾つかあり、中には芝生広場を自由に使える場所もあるのに気付きます。
高層ビル群を見上げるように寝転ぶ機会はそうないよね。こ、これはまさにブルジョア。
気を取り直して、改めてウォーキングを開始しましょう。今回はスマートウォッチと連動させ、きちんとデータも計測しますよ。
天気も良く、桜もまだ残っていて気持ちいいですね。同じように桜を眺めて楽しむ観光客がたくさんいます。
シューズのパフォーマンスを体感
彼に履き心地を聞いたところ、「普段使うスニーカーよりハーフサイズ上げたことも影響してか楽ですね」とかなり満足しているほか、膝の負担も気にならないような雰囲気。
さらには、「かかと部分のホールド感がしっかりしているのもポイントかな」と言いつつ、くるぶしまわりに装着している「馬蹄状にぐるっと包み込むヒールクッション」でしっかりやさしく押される感覚がいいですね! と丁寧にレビューしてくれました。いい人や。
筆者の場合はやはり軽さが印象的でした。軽くジョギングしてみましたが、蹴りだしのサポートを感じつつ、シューズ自体の存在を感じさせない軽量性がポイントでしょうか。スペックシートによると、299グラム(メンズ27.0cm 片足)です。
シューズのため疲労をあまり感じないのか、ウォーキング終盤でも彼の体力は落ちておらず、「ジョギングもできるかも!」と軽口を叩けるほどの余裕があり、人生のたそがれ時期を憐れむ彼はどこへ? というほどの変化に驚きます。
仙豆効果ならぬシューズ効果? 嘘から出た実とはこれか(違。
明るい時間の銭湯は最高だ
皇居周辺を1時間程度ゆっくり歩いて終了。のんびりと過ごせたので、かなり贅沢ですが、より極上の時間を味わいたい!
実は皇居ランナーたちもよく利用する銭湯が近くにあるのです。稲荷湯という、神田駅近くにあるこちら、こぢんまりとした昔ながらの銭湯スタイルですが、中は新しく、なにより利用料金(500円/大人1名)というのが嬉しい。
昨年も広島で銭湯巡りするほど「湯船につかるの大好き」オジサンですから、機会は見逃しません。雑居ビルが立ち並ぶ一角に稲荷湯はあるのです。
オープン直後で人は少なく、いるのは常連さんのようなお爺さんたちが数名だけ。我々のランニングスタイルを見て「お客さんも走るのが趣味なの?」と番台のお姉さん(我々より上でしょう)が話しかけてくれました。
「仕事後に皇居ラン後にここに来る人は多いよ。あと大会前の調整とかで、雨の日でも走って、その後体を温めるという人もいるね」
実際、入り口や脱衣所にランナー向けの注意事項が書かれたポスターが貼ってあるなど、拠点とするランナーが多いのだろうという印象でした。
なお湯船はシンプルな構成。入った時間が早かったためか、少し熱めのお湯でしたが、やっぱり銭湯はいいですね! しかも平日の明るい時間ですから。
今回は、大手町から竹橋を経由して、国立近代美術館を見ながら武道館に向かい、そのあと清水門を通って皇居を回るルートで1万6,294歩という結果に。大人の贅沢として、皇居ウォーキングと銭湯の組み合わせ、お勧めです。