アサヒビールは、吉本興業と『We are飲みトモ! スマドリでええねん! PROJECT!』を3月30日から開始する。同プロジェクトでは、アサヒビールが2020年12月から提唱してきた「スマートドリンキング(スマドリ)」に関して、吉本興業とのコラボレーションを通じ「飲める人と飲めない人が共に楽しめる文化」の醸成を目指すという。
3月30日には、都内で「アサヒビール 2023年スマートドリンキング戦略説明会」を開催、説明会の様子をレポートする。
新しい生活文化「スマドリ」とは?
冒頭では、アサヒビール 代表取締役社長 松山 一雄氏より「中長期的なスマートドリンキング」に関する戦略説明が行われた。
アサヒビールは2020年12月に「スマートドリンキング宣言」を出し、翌年の21年から本格的に「スマドリ」の普及に取り組んでいる。今回のプロジェクトで訴求するスマドリが生まれた背景として、世界で広がる3つの大きなトレンドがあると松山氏は語る。
ひとつ目は、健康志向や多様な選択肢の広がり、そしてふたつ目はロー・ノンアルコールを進んで選ぶ「ソバーキュリアス」、そして3つ目は「責任ある飲酒の推進」だ。酒類メーカーのアサヒビールは、経営と事業を持続するうえで、経済的価値だけでなくこれらの社会的価値にしっかりと応えていく必要があると考えている。
そういった背景を受け、同社が目指す「スマートドリンキング(スマドリ)」は、お酒を飲む・飲まないに関わらず全ての人を分け隔てなく包み込み、幸福感をもたらしていく、「新しくて楽しいお酒の生活文化の創造」だ。この実現に向け、同社では魅力ある商品やサービスを届けるとともに、新しい生活文化としてのスマドリの普及に力を入れていく。
スマドリの市場規模についても言及された。同社の調査によると「スマートカテゴリー」(アルコール分3.5%以下)商品購入者は22年12時点で約1,800万人までに拡大している。しかしこの市場には、「お酒を飲まない人(飲めるけど飲まない+飲めない)」が約5,000万人、「家飲み+外飲みが月1回未満」約2,000万人、「お酒を飲む人」約2,000万人と合計約9,000万人のユーザーがいると見込んでおり、まだまだポテンシャルがあると自信を見せる。
今後はスマドリを新しいお酒文化にすべく中長期での取り組みを行っていく。2025年までにスマートカテゴリー販売容量の合計構成比を現状の9%から20%以上に、スマートカテゴリー商品購入者を1,800万人から2,300万人までに拡大、またスマドリ認知率の40%達成を目標にするという。
そのスマドリに関する取り組みの一環として、3月30日より吉本興業とのコラボレーション「We are飲みトモ! スマドリでええねん! PROJECT!」をスタートする。
行動憲章に『「誰もが、 いつでも笑顔や笑い声をもてる社会」の実現』を掲げる吉本興業とコラボレーションすることで、生活者に共感されるよう世の中へわかりやすく伝達し、「飲んでも飲まなくても誰一人取り残さず笑顔になれる社会の実現」を目指す。
よしもとセールスプロモーション代表取締役社長 稲垣豊氏は今回のコラボについて、オリジナルユニット『飲みトモズ』だけでなく、「吉本興業が行う、芸人と社員が47都道府県に住んで地域の元気作づくりに貢献する"あなたの街に住みますプロジェクト"とのコラボも企画しています。『あなたの街にスマドリ』として新しい楽しみ方を提案したい。また、4月1日には吉本興業110周年を記念した全劇場"110円"統一のお客様感謝デーを、アサヒビールの協賛で実施します。この公演でもスマドリを伝えていきます」と紹介。アサヒビールとの取り組みに期待を寄せた。
スマドリでええねん! 吉本興業とコラボ
アサヒビール マーケティング本部長 梶浦瑞穂氏からは「We are飲みトモ! スマドリでええねん! PROJECT!」の紹介が行われた。
まず2023年、アサヒビールはスマートドリンキングの新メッセージとして「飲めても飲めなくてもみんな飲みトモ。」を掲げ、各活動ごとに訴求していくという。
今回スタートする「We are飲みトモ! スマドリでええねん! PROJECT!」は、まだスマドリを知らないすべての方に、スマドリの新しい飲み方や楽しみ方を知ってもらい、「飲み」を笑顔に変え、一緒にスマドリができる「飲みトモ」を広げていくプロジェクトだ。
プロジェクトでは販促やイベント、動画などの各種企画の展開を通して「飲みトモ」を継続的に増やしていく。イベント参加者もデジタルに誘導し、「飲みトモ数」は基本Twitterのフォロワーでカウントすることで可視化する。
キャンペーン全体のシンボルには浜田雅功さんを起用、幅広い世代から人気、知名度共に高い浜田さんを起用することで認知拡大を図る。またオリジナルユニット「飲みトモズ」を結成。「みんなと飲みたい人」浜田さんに加え、「ひかえめに飲みたい人」としてブラックマヨネーズ・小杉竜一さん、「あまりお酒を飲まない人」ミキ・亜生さん、「飲みわけする人」3時のヒロイン・福田 麻貴さんと、多様性のある芸人を起用して各ターゲット層をさらに盛り上げる。
3月30日には、ウルフルズの名曲『ええねん』を替え歌にした『ええねん~スマドリバージョン~』も様々な媒体で配信、音楽配信サービスやカラオケでも楽しむことができるという。
商品や飲食店店頭での露出や、SNSを通した訴求のほか、東京・大阪で期間限定の「スマドリでええねんバー」を展開するなど、リアルなイベントも開催していく。
発表会の最後には「飲みトモズ」のメンバーがおのおの好みのスマドリ商品を手に「ええねん」と乾杯。浜田さんは「お酒の場に行きたくないな、強要されないかな……と思う方はまだまだいると思うんです。『スマドリ』が浸透すれば、何を飲もうが笑顔で気持ちも飲みの場も楽しくなると思うので、スマートドリンキングをもっともっと広めていければ」とメッセージを寄せて締めくくった。