サントリーは、“グッとくる飲みごたえと、かつてない飲みやすさ”を両立した「サントリー生ビール」を4月4日から全国で発売するのに先駆け、3月28日に新商品発表会&新CM発表会を開催した。

  • (写真左より)上白石萌音さん、山崎賢人さん、西田社長、オズワルド(畠中悠さん、伊藤俊介さん)

発表会では最初に、サントリー 取締役常務執行役員 ビールカンパニー社長の西田英一郎氏が登壇し、ビール事業戦略と新商品発売の背景を説明。2020年の酒税改正がひとつの契機となって伸長したビールカテゴリーだが、2回目となる今年10月予定の酒税改正がさらなる追い風になると考え、2023年は特に、ビールカテゴリーにマーケティング投資を集中させるという西田社長。これまで、「ザ・プレミアム・モルツ」をはじめとした、既存ラインナップのマーケティング活動に取り組むほか、一昨年には機能系ビール「パーフェクトサントリービール」、昨年には新需要創造を狙った、炭酸で割る自由なビール「ビアボール」を提案し、ビール市場の活性化に貢献してきたという。

  • サントリー 取締役常務執行役員 ビールカンパニー社長の西田英一郎氏

今回、満を持して、一番大きなボリュームゾーンであるスタンダードビールカテゴリのど真ん中に新商品「サントリー生ビール」を投入することで、ビール市場の新たな活性化にチャレンジしていくと熱く宣言。新製品の開発にあたっては、社会環境、生活スタイルの変化、それに伴うビールの飲み方の変化などを捉えて、「これからの時代のビール」を大きなテーマとした。今までの固定概念、開発手法にとらわれず、積極的に新たな手法を取り入れて辿り着いたという新商品は、昨年「ビアボール」を開発した「イノベーション部」による第二弾のブランドとなる。

ビール市場の真の活性化のためには、今ビールを飲んでいる人はもちろん、今まであまりビールを飲んでこなかった人にも、あらためてビールの魅力を伝えて、振り向いてもらえるようなチャレンジが必要であると話す。今回の新商品は、ユーザーとの徹底的な対話とともに、半世紀を越えるサントリーのビールづくりにおける技術や知見を注ぎ込んだ商品であるとした。

続いて、サントリー ビールカンパニー マーケティング本部 イノベーション部の竹内彩恵子氏は、「これからの時代のビール」というテーマに向けて、「量」「質」ともに、ユーザーと徹底的に向き合うことで新商品の開発を進めてきたという経緯を説明。時代を経て、ビールに対して求めるものがどう変化したのか、「変わらないこと」と「変わったこと」を突き詰めた結果、「最初の一口目における飲みはじめの飲みごたえ」が、ユーザーの求めるビールのど真ん中であり、変わらないポイントであると強調した。

  • サントリー ビールカンパニー マーケティング本部 イノベーション部の竹内彩恵子氏

一方で、飲用実態から、ビール1本における飲用時間が、4年前の約12分から約18分へと約6分増加している点に着目。コロナ禍を経て、テレワークの増加や帰宅時間の早まりなど社会環境が変化。いわゆる帰宅直後のとりあえず1本から、家族との食事を楽しみながらの飲用といったように、ビールの飲み方も変化しており、これからの時代は、「飲みはじめから飲み終わりまでずっとおいしい」ことが重要であると指摘した。

2020年以降に起きた、未曾有のさまざまな不安や変化を受け入れ、あらゆる人が共生していくために多様性が広がる時代において、これからの時代のビールは、「一日の終わりに今日の自分を全肯定してくれる存在」であるべきであり、「明日への活力になるような存在」にしていきたいと決意。時代の飲み方にフィットした中味だからこそ、人々の暮らしに寄り添い、「明日へ進む力をくれる」ビールこそが、新しいスタンダードビールである「サントリー生ビール」であるとアピールした。

「サントリー生ビール」の詳細については、開発を担当した、サントリー ビールカンパニー 商品開発研究部の水口伊玖磨氏が解説。「飲みはじめから飲み終わりまでずっとおいしい」を目指すために重視したポイントとして、「最初の一口目のおいしさ」と「そのおいしさがずっと続く」ことを挙げた。「最初の一口目のおいしさ」は、飲んだときに感じる「グッとくる飲みごたえ」であり、「サントリー生ビール」では、香ばしく、複雑ながら、軽快な香りを付与することで、今までにないようなグッとくる飲みごたえを実現していると紹介する。

  • サントリー ビールカンパニー 商品開発研究部の水口伊玖磨氏

一方、ビールは飲んでいる時間とともに品温が上がり、甘さや苦さが目立ち、おいしさのバランスがくずれてしまうことがあるが、「サントリー生ビール」では、心地よい軽快感や爽快感をいつまでも感じることができるため、おいしさがずっと続く、飲みやすい中味を実現。「一言で表現するなら“グッとくる飲みごたえと、かつてない飲みやすさのビール”」と自信を覗かせた。

このおいしさを実現するために、サントリーのおいしさづくりの技術や知見をとことん活用。「サントリー生ビール」では、「ザ・プレミアム・モルツ」や「マスターズドリーム」の開発などで培った、おいしさを引き出し、調和させる技術を応用しながら、ダイヤモンド麦芽、コーングリッツといったこだわり抜いた原料が採用されている。

そして、「こだわり抜いた素材の良さを引き出す製法の一番のポイントは、仕込み工程における麦芽とコーンのデコクションである」という水口氏。デコクションとは、仕込み工程で麦汁の一部を煮出すことで、原料の特長を引き出す手間のかかる製法。5年間で300回以上にもおよぶ試験醸造を通じて辿り着いたのが、このデコクションを3回繰り返す「トリプルデコクション」製法であり、これが「サントリー生ビール」の「トリプル生」が意味するものであると説明した。

再び登壇したイノベーション部の竹内氏が、デザイン面とマーケティング戦略を解説。「サントリー生ビール」のパッケージデザインについては、「ビールユーザーがスタンダードビールに求める佇まいを重視」。“シンプル”、“堂々”、“自信”をキーワードに、生ビールの象徴とも言える“ビール樽”をモチーフにしたデザインとなっており、さらに、そのデザイン開発プロセスにおいて、脳科学プログラムが活用されている点も強調された。

マーケティング戦略においては、TV-CMを4~6月の3カ月間で10,000GRPと大量投下し、広くリーチを測っていくのに加えて、飲料体験イベントの開催や、異業種との積極的な共同取り組みを実施し、発売時に約150万人の顧客接点獲得を狙うという竹内氏。一例として、東海道新幹線のホームに初のポップアップショップをオープンすることを紹介。2023年は、4~12月の9カ月間で300万ケースの販売を計画しており、中期的には、サントリービールの主力商品として1,000万ケースまで獲得し、スタンダードビールとしての定番ブランド化を測っていくとした。

続いては、「サントリー生ビール」のTV-CMが上映された。新たなCMには、メッセンジャーとして、山崎賢人、上白石萌音、坂口憲二、お笑いコンビ「オズワルド」、アニメ「ルパン三世」の銭形警部を起用し、とある街を舞台に、そこで生きる登場人物たちの人生が交錯する群像劇が描かれる。

「生きている人々」篇、「新生活を生きる人」篇、「飲食店で生きる人」篇が、3月29日(水)から全国で順次オンエア。また、WEB-CMを「運送業で生きる人」篇、「追いかけて生きる人」篇が、同じく3月29日(水)から「サントリー生ビール」ホームページ・サントリー公式YouTubeにて公開される。

新CM発表会には、ゲストとして、山崎賢人さん、上白石萌音さん、オズワルドの畠中悠さんと伊藤俊介さんが登壇。また、坂口憲二さんからのビデオメッセージも上映された。

「サントリー生ビール」を交えてのトークセッションでは、CM撮影時のエピソードや、「○○ほどサントリー生ビールはうまい! 」の○○を埋めるフリップトークなどが行われ、「サントリー生ビール」の魅力を改めてアピールした。