幼いころに親から言われたことを、大人になってから「そうだったのか」と思い出すことはあるかもしれません。

京都の扇子屋・大西常商店の若女将である大西里枝(@RieOhnishi)さんが投稿した、とある母と子どもの会話が話題になりました。

小学生のお子様とお母様がお店に来てくださった。「ここは踏んじゃダメな場所よ、覚えててね」と語りかけてらっしゃった。母の教えは偉大。(@RieOhnishiより引用)

  • (@RieOhnishiより引用)

小学生のお子さんが、お母さんに「踏んじゃダメな場所よ」と言われたのは、小さな正方形の畳。この小さな畳、一体なぜ踏んではいけないのでしょうか?

5.1万件のいいね、5,000件以上のリツイートと大きな反響を読んだこちらのエピソード、リプライ欄には「答え」が多数寄せられています。

こちらの小さな畳は、外すと茶道でお湯を沸かす際などに使う「炉」があるそう。炉を設えるために作られた「炉畳(ろだたみ)」といって、炉の大きさに合わせて畳が切り取られています。実はこちらの写真、大西さんによると「うっかりして上下が逆になっている」そうなのですが、畳屋さんによると特に問題はないとのことです。

「何これ 初めて見た!」「畳の縁を踏んだらダメということかと思ったらお茶をたてる用の炉の上に置く炉畳ですか! またひとつ勉強になりました」と驚く声や、「炉があるから、気をつけて って事を継承してくださってるんですね」「母の教えは偉大、ほんとにそう! このお母さんはお茶のお稽古なさってたのですね きっと(それも きちんとした先生についてらしたんです……)」とお母さんを絶賛する声も。確かに、知らないで踏んだら畳がへこんでしまいますよね。

多くの反響が寄せられたこの投稿、ツイートした大西さんにお話を伺いました。

「母の教えは偉大」投稿者に聞いてみた

――こちらの小さい畳には炉があるそうですが、普段から使われているのでしょうか?

弊社・大西常商店では離れに一棟の茶室があり、そちらを利用することが多いため、こちらのお写真にある大広間の炉は現在使われておりません。投扇興や絵付けの体験などはこちらのお部屋を使ったりすることもあるので、「炉を切られてるのですね」とお客様からお声掛けいただくことも多いです。

――本職の畳屋さんをはじめ、多くの反響が寄せられておりますね。

知らなかった! というお声が多かったのですが、炉畳をはじめとした和室のマナーは、私自身も若女将になってからきちんと意識しはじめたことでした。お恥ずかしい事ですが……。ご存じだった方は「そういえばおばあちゃんが言っていた!」などといったお言葉が多く、やはり子どものころからなんとなくでもマナーを伝えておくことは大事だな~と思いました!


子どもの頃に言われたことが、大人になってから「そうだったのか」と活きるかもしれない、そんなエピソードのご紹介でした。