プロ野球・千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希が、12日に放送されるMBS・TBS系ドキュメンタリー番組『情熱大陸』(毎週日曜23:00~23:30)に出演する。

  • 佐々木朗希

「時間が経つと忘れてしまう。野球も、負けた悔しさとか、そういう気持ちって忘れてしまう。でも、それをどれだけ思っていられるかが大事」。誰もいない岩手・陸前高田の海で、佐々木は静かに語り始めた。

昨年4月にプロ野球史上最年少の20歳での完全試合を達成。また日本記録となる13連続奪三振、タイ記録の1試合19奪三振も成し遂げた“令和の怪物”佐々木は、陸前高田の生まれ。「小学生の時が、人生で一番楽しかったですね」。友だちと日が暮れるまで野球に没頭した。東日本大震災は、佐々木からそんな幸福な日々を奪う。海岸近くにあった自宅が流され、父・功太さんと祖父母を亡くしたのは9歳の時だった。

今回、佐々木は自身の体験と今の想いを初めて地元で語った。自宅や小学校があった場所、そして震災以来立ち寄ることのなかった海……。訪ね歩きながら、記憶が少しずつ蘇っていく。佐々木はそれを忘れまいと胸に誓った。

野球世界一を決める戦いWBC(ワールドベースボールクラシック)が開幕。日本を代表する投手に成長を遂げた佐々木は、大谷翔平・ダルビッシュ有らメジャーリーガーとともに日の丸を背負い、マウンドに上がる。

「少しずつ街並みも変わってきて、前に進んでいる。僕もしっかり向き合って前に進みたい」。東日本大震災から12年。陸前高田の野球少年が、故郷への思いを胸に世界へ羽ばたく。

■佐々木朗希(ささき・ろうき)
千葉ロッテマリーンズ・202WBC日本代表
2001年11月3日生まれ、岩手・陸前高田市出身
兄の影響で野球を始め、小学3年生の時に地元の高田野球スポーツ少年団に入団。大船渡高校時代には投手として最速163キロのストレートを武器に、第101回全国高校野球選手権岩手大会で準優勝。2019年4球団競合の末、千葉ロッテマリーンズにドラフト1位で入団した。プロ3年目の2022年4月10日28年ぶり16人目となる完全試合を史上最年少で達成。今年3月開幕のWBC日本代表に選出された。

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