フォルクスワーゲン ジャパンが電気自動車(EV)「ID.Buzz」の日本導入を正式に決定した。早ければ2024年末にも発売する予定だ。電化して復活した伝統の「ワーゲンバス」は、いったいどんなクルマなのか。日本で売れる見込みは? 現時点でわかっていることをまとめておきたい。
ミニバンが人気の国にチャンスあり?
フォルクスワーゲンがID.Buzzのコンセプトカーを世界初公開したのは2017年のこと。2022年3月に量産モデルを公開し、同年5月には欧州で先行受注を開始した。
写真のID.Buzzはアイルランド仕様だ。ボディサイズは全長4,712mm、全幅1,985mm、全高1,937mm。動力性能は最高出力204PS、最大トルク310Nm。バッテリーの総電力は77kWhで、フル充電での走行可能距離(WLTP)は423kmとなっている。車両重量は2,471kg。本国ドイツでの価格は約6.5万ユーロからとなっているので、今のレートだと日本円で900万円以上ということになる。
フォルクスワーゲン ジャパンのブランドディレクターを務めるアンドレア・カルカーニさんによれば、日本は欧州以外でID.Buzzの販売が始まるのが最も早い国のひとつになるとのこと。アジアでは最速になるかもしれない。日本の顧客はアイコニックなID.Buzzのデザインを気に入っているし、関心も高いとカルカーニさんは手ごたえを口にしていた。
ID.Buzzには「トランスポーター」(人を運ぶクルマ、乗用車)と「カーゴ」(荷物を運ぶクルマ、商用車)があるそうだが、日本ではトランスポーターのポテンシャルが大きいというのがカルカーニさんの見立て。「日本は世界的に珍しいほどMPV(マルチ・パーパス・ビークル)の人気が高い市場で、人気モデルは年間10万台も売れる」(カルカーニさん)市場なので、「(ID.Buzzも)幅広い顧客に受け入れてもらえるのでは」との考えだ。この場合のMPVとはミニバンも含むカテゴライズだと思われる。ただ、ディーラーからは「カーゴタイプも導入してほしい」との声が入っているそうで、こちらについても検討していくとのことだった。