東京商工リサーチは2月27日、2022年公表の都道府県別「赤字法人率」調査の結果を発表した。同調査の赤字法人率は、普通法人を対象に赤字(欠損)法人数÷普通申告法人数×100で算出したもの。なお、普通法人は会社等(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、協業組合、特定目的会社、相互会社)、企業組合、医療法人などを含んでいる。

赤字法人率、コロナ禍の影響で上昇

  • 赤字法人率推移(出典:東京商工リサーチWebサイト)

2020年度の全国の普通法人281万8,077社のうち、赤字法人は186万4,249社(年2回の複数納税を含む)。赤字法人率は66.1%で、前年度と比べて0.7ポイント上昇し、2010年以来、10年ぶりに前年度を上回った。また、赤字法人数も前年度比2.8%増と、2年ぶりに増加した。

同調査では「赤字法人率はリーマン・ショック後の2010年度に75.7%を記録したが、それ以降は9年連続で減少をたどっていた。しかし、2019年度末から拡大したコロナ禍の影響で、2020年度の赤字法人率はリーマン・ショック直後以来の上昇となった」と分析している。

都道府県別にみると、赤字法人率が前年度より悪化したのは30都道府県。全国平均(66.1%)を上回ったのは21都府県、下回ったのは26道府県だった。

赤字法人率が最も高かったのは14年連続で徳島県の71.9%。ただ、改善幅は1.1ポイントと最大だった。次いで長野県69.7%、香川県69.3%、栃木県68.9%、群馬県68.7%と続いた。

一方、最も低かったのは青森県の61.7%(前年度62.2%)で、2015年度以来、5年ぶりに最小となった。

産業別にみると、赤字法人率が最も高かったのは小売業の72.8%。以下、製造業70.3%、サービス業他69.3%、農・林・漁・鉱業68.1%と続いた。2産業以上で赤字法人率が7割を超えるのは、2015年度以来5年ぶりとなる。

また、赤字法人率が前年度より悪化したのは10産業中5産業で、中でも運輸業は4.5ポイント上昇し64.7%となった。