JR東日本、ビーエステクノ、三井化学は20日、新幹線沿線環境対策として防音壁製品を共同開発したと発表した。開発した製品はリサイクル由来原料を使用するなど環境に配慮し、上越新幹線や東北新幹線の速度向上に伴う環境対策工事で導入を進めている。
防音壁に用いる吸音材として、耐水性を向上させた全天候型吸音材を開発したほか、従来の先端改良型防音壁「NIDES」を大幅に軽量化した軽量型先端改良防音壁「NIDES-AL」も開発した。
全天候型吸音材は、吸水しにくい中綿を撥水性不織布で全面を覆う(ハイブリットフルカバー構造)ことで防水効果を高め、湿潤な環境でも高い性能を発揮。リサイクル由来原料を25%程度含有し、環境にも配慮している。製品の特性を生かし、融雪散水区間で全天候型吸音材を導入する。
「NIDES-AL」は、大幅な軽量化(重量は従来比35%)を実現するとともに、ハンドルの設置により施工性を向上させた軽量型先端改良防音壁。従来、施工の難しかった箇所でも線路側からの設置が可能となり、コスト低減を図ることができる。用地等の都合で重機が線路脇まで入れない箇所や、架線の停電が取りにくい場所で導入される。
上越新幹線では、速度向上に伴う環境対策として、全天候型吸音材を高崎~新潟間、「NIDES-AL」を高崎~上毛高原間で導入済み。東北新幹線でも、速度向上に伴う環境対策として、全天候型吸音材を盛岡~新青森間、「NIDES-AL」を盛岡~新青森間で導入予定とされている。