アウトドアブランドのメレルと聞くと「ジャングルモック」のイメージが強い筆者。98年に登場したこのシューズ、当時街中でアウトドアアイテムを取り入れるのがトレンドだったこともあり凄く注目されていました。

ナイキのACGシリーズが89年に誕生して流れを作り、90年代半ばにその波が大きくなったような……。

そんなメレル、一般的に「ベーシック、コンサバティブ」な印象のブランドですが、面白いプロダクトがいろいろ出ると聞いたので、同社の2023春夏モデルの展示会をのぞいてきました。

  • メレルの2023年春夏モデル展示会

水陸両用のマウンテンサンダル

まず目に付いたのが「MOAB FLIGHT SIEVE(モアブ フライト シーブ)」(1万4,300円)です。厚底トレイルランニングシューズとして誕生した本モデル、今回は水陸両用にアップデートしています。

  • 「MOAB FLIGHT SIEVE(モアブ フライト シーブ)」(1万4,300円)

街、山、川と幅広く活躍できるマウンテンサンダルであり、ミッドソールに独自開発の「FloatPro」が採用されているのが特徴。

同ブランドのマーケティングマネージャーを務める田中祐介さんは「水回りのアウトドア用ギアで、海岸線を楽しむショアライントレイルに適していると思います」と本モデルのユニークさを解説してくれます。

アッパーには水に強いシンセティックレザー、通気性・速乾性に優れたメッシュ素材を使い、履き口はネオプレン素材となっています。

  • 履き口にネオプレン素材を採用

サイズはメンズは25.0~30.0cm、ウィメンズが22.5~25.0cmで展開。トレイルランニングはもちろん、街履きでもなじみそうな印象を持ちました。楽しむ人が増えているキャンプやBBQでも使い勝手がよさそうですね。本モデルは3月1日より順次発売されます。

アフタースポーツに最適なサンダル

同じタイミングで登場するのが、リカバリーサンダル「HUT ULTRA WRAP(ハット ウルトラ ラップ)」(1万2,100円)。そもそもジャングルモックは「アフタースポーツシューズ」として生まれたもので、そこにリカバリー要素を加えて誕生したのがこちらです。

  • 「HUT ULTRA WRAP(ハット ウルトラ ラップ)」(1万2,100円)

「リカバリーサンダルは他社さんも含め多くありますが、私たちの強みはブランド史上最高クラスの軽量性と抜群のクッション性を発揮するミッドソール『FLOATMAX』の存在です」

これ、めちゃくちゃ柔らかいです! と田中さんが太鼓判を押すソール、実際に指で押したところ沈む沈む!

  • ソールの柔らかさに驚く

「よく履いたら沈んで足にフィットして良い、と言いますよね。でもこれは反発弾性が強く、踏んだ時の跳ね返りが推進力を生み、歩行をサポートし、その上で足にも優しいのがポイントです」

このモデルと少しデザインが異なる「HUT ULTRA SLIDE(ハット ウルトラ スライド)」(1万450円)、「HUT ULTRA FLIP(ハット ウルトラ フリップ)」(9,350円)の3タイプが3月17日より順次発売となります。サイズは全タイプ、メンズは25.0~30.0cm、ウィメンズが22.0~25.0cmで展開されます。※1センチ刻み

個人的にはスノーボード後のブーツを脱いだ後に使いたい。宿に帰ってから、締め付けた足を開放してリラックスさせつつ、温泉に向かう館内で使うイメージです。スリッパはちょっと憚られるし、スニーカーを履くのは避けたいし。そういう気分ありませんか?

紹介した2モデルとも、機能性、デザイン性ともエッジが立った印象ですが、皆さんはどうでしょう。さらに同ブランドの土台となるジャングルモックも進化。最後にそちらを紹介します。

ジャングルモックもサステナブル化

「ジャングルモック=撥水加工を施したピッグスエードレザーのアッパーが特徴ですが、『一番サステナブル化が難しい』レザーをメッシュ素材に変え、すべてのパーツにリサイクル素材を採用した新世代のジャングルモックが『JUNGLE EVO(ジャングル エボ)』(1万4,300円)です」

  • 「JUNGLE EVO(ジャングル エボ)」(1万4,300円)

リサイクル素材でのアッパー構造構築だけでなく、ミッドソールにはトレラン・ハイキングで使う「FLOATPRO」を初採用し、従来以上の快適性、形状記憶のように足裏にフィットする感覚を最大化したと田中さん。

「スポーツタイプのジャングルモックの誕生です。サステナブルであると同時に、ミッドソールを変えたことは凄く斬新でエポックメーキングなことだと思います」

ちなみに本シューズ、「ジャングルモック 2.0」の履き口かかと部が「少し立ち上がった形状」を踏襲。

地味ですが、と前置きしつつも田中さんは「この滑り台の構造で、脱ぎ履きに手が要らないのはユーザーさんから非常に評価が高いです」と説明してくれました。

  • 履き口かかと部が足の出し入れをスムーズにする

このモデルは2月24日より順次発売で、メンズ25.0~28.0cm、29.0cm、30cm。ウィメンズは22.5~25.0cmが用意されます。

紹介したアイテムは「触りだけ」ですが、メレルに対する印象が変わったのでは? 春夏モデルには他にも幾つも新プロダクトが登場。

田中さんは「2022年から『メレルがそんなことするの?』と言われるような、ファッション感度の高い、尖ったクリエイティブが特徴の企画が数多く進行中です」と教えてくれました。

エッジの立ったメレルの「新たな一面」を見せてくれそうで、これからも期待したいですね。