受験シーズン真っ只中。勉強を頑張って眠るのが遅くなっていませんか。しっかりと休息をとって体調や気持ちを整えることも大切です。では、受験生にとってどのような睡眠をとるのが理想的なのでしょうか。柏メンタルクリニックの伊藤有毅先生にお伺いしました。
――勉強をしているとついつい就寝が遅くなってしまいます。受験生(中高生)の睡眠時間はどのくらい確保するべきでしょうか
伊藤先生:中高生の睡眠時間の理想値として8.5時間が目安になります。しかし、受験勉強で忙しければまずは、7.5時間以上を目標にしてみましょう。
――睡眠不足によって引き起こされる症状はどのようなものがあるでしょうか。精神的に疲労が見られるなど特に注意したい症状も教えてください。
伊藤先生:睡眠不足になると記憶力を低下させる原因になったり、特に聞く、理解する、話すといった一連の思考プロセスのスピードを極端に低下させ、学習に支障をきたします。
また不規則な生活を続けていると皮脂の分泌が活発になり、乳酸やアンモニアといった悪臭の要因となる物質が高濃度で汗に含まれるようになり、よりきつい体臭となってしまいます。
さらに、寝不足になると食欲を刺激するホルモン「グレリン」の分泌が増えて空腹感が強くなる一方で、満腹感を得られるホルモン「レプチン」は減少するため、なかなか満腹感を得ることができず夜間に食事をしたりして肥満になりやすいです。
――感染症が流行りやすい時期は、免疫力にも注目が高まります。睡眠は免疫を高めると言われていますが、睡眠と免疫はどのような関係があるのでしょうか。
伊藤先生:十分な睡眠が取れないと、一晩のうちに免疫系が生産できる抗体やサイトカインの量が制限され、感染症を撃退するための身体能力は低下し、より感染症にかかるリスクが増大します。
――より体調を整えるため、睡眠の質を高めるコツやポイントを教えてください。
伊藤先生:「夕食は就寝3時間前、入浴は就寝2時間前までに済ませる。眠る前3時間以内のスマホ操作、アルコール・カフェインの摂取を控える。軽めのストレッチや読書等で軽い読書をすることも有効です。
監修:伊藤 有毅(いとう ゆうき)先生
柏メンタルクリニック所属。日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医の資格も保有。精神科(心療内科)、精神神経科、心療内科、美容皮膚科、産業医など専門領域は多岐に渡る。
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