就活や転職活動で志望する企業へ履歴書を送るときや、職場において取引先へ大切な書類を送るときなど、書類を封筒で送る際に、何で封をすればいいかわからないと悩む方も多いのではないでしょうか。

封筒の閉じ方にはマナーがあり、間違えてしまうと悪い印象を与えてしまう可能性もあります。そこで、封筒の正しい糊付け方法やマナーを解説します。糊付け後の封字の書き方や、切手の枚数、手渡しの方法、厳封の仕方についてもまとめました。

  • 封筒を糊付けするときのマナーやコツ

    封筒を糊付けする方法やマナーを解説します

封筒を糊付けするときの正しいマナーとは? きれいに閉じるコツ

早速、マナー違反にならない糊付けの仕方について解説していきます。

液体のりならしっかり閉じられる! つけ過ぎには注意

封筒を糊付けするとき、一般的に利用されるのが液体のりです。普段の生活において、液体のりを使用する機会は少ないかもしれませんが、コンビニや大学の売店、文房具屋などで販売されているので、必要になったタイミングですぐに購入することが可能ですよね。

なぜ液体のりがおすすめかというと、しっかり接着することができ、はがれる心配が少ないからです。一方で液体であるため、糊付けのときにつけ過ぎてのりがはみ出してしまうことや、波打って接着面が汚くなってしまうことが懸念されます。汚い状態で差し出してしまうと印象があまりよくないので、のりの量に気を付け、きれいに糊付けするよう心掛けましょう。

スティックのりも使用OKだがはがれる恐れあり

液体のりに並んで利用されることが多いのが、スティックのりです。液体のりと違い、スティックのりは接着面が波打たず、きれいに糊付けしやすいのが特徴です。

しかし、スティックのりは液体のりと比べると接着力が弱いため、はがれる恐れがあります。封筒の封が開いてしまうと、中身を紛失したり、悪い印象を与えてしまったりする可能性があるので注意が必要です。のりが乾いたら、きちんと貼り付けられているかしっかりと確認しましょう。

両面テープの代用もOK

封筒によっては、両面テープが付いた状態で販売されています。時間がなくサッと発送したい場合は、はじめから封筒に両面テープが接着されているタイプの封筒がおすすめです。

もちろん両面テープが付いていないタイプの封筒に、自分で両面テープを用いて封をし、発送することも可能です。両面テープを使用する際は、外側ではなく内側にテープを貼り、封が開かないようにしっかりと貼り付けましょう。

セロハンテープは使用しない方がベター

封筒の封をする際に、セロハンテープを使用することは避けた方がいいでしょう。セロハンテープははがれやすい、指紋がついて見栄えが悪いなどのデメリットが考えられるからです。

他にも、セロハンテープは一度封を解き、再度セロハンテープで貼ることもできてしまうので、履歴書や大切な書類を送るときには適しません。大切な書類を送るときは、前述のようにのりや両面テープの使用がおすすめです。

糊付け後の「封字」の書き方

  • 糊付け後の「封字」の書き方

    封筒を糊付けした後の封字の書き方やマナーについて解説します

封字とは、封筒の封をした箇所に印をつけて「封をしたこと」を示す印のことです。封字をすることで、封筒が開けられていないことを証明することができます。

また、この封字にもマナーがあります。知らないうちにマナー違反をして悪い印象を与えないために、正しい封字の書き方を理解しましょう。

糊付け後「封字」を書くのはなぜ? 種類がある?

前述した通り、封筒に封字を書くのは、封筒が開けられていないことの証拠になるからです。もし、封字をせずに重要な書類を発送してしまったら、途中で書類を誰かが封筒を開けて中身を差し替えたり、改ざんしたりしてしまってもわかりませんよね。

封字を書いておけば、開封してしまうと受取人に開封したことがバレてしまうため、開封されるリスクを減らすことができます。トラブルを防ぐためにも封字を書くことをおすすめします。

封字を書くときは、以下の3種類のどれかを記載することが一般的です。

「封字」を書くときの注意点

封字を書くときに注意したい点は、以下の通りです。

  • 丁寧に記載する
  • 黒ペンを使用する

封字を書くときは、丁寧に書くようにしましょう。特に「〆」の文字を雑に書いてしまうと「×」と間違えられてしまう可能性があるため注意しましょう。

また、封字を書くときは基本的にカラーペンは好ましくありません。宛先などを記載したときに使用した黒ペンを使えば特に問題はないでしょう。

他にも知っておきたい封筒マナー

  • 他にも知っておきたい封筒マナー

    糊付けや封字以外にも注意しておきたい封筒マナーを解説します

ここからは、封筒の糊付けや封字の他にも知っておきたい、封筒に関するマナーを解説していきます。

切手の枚数は最小限にする

封筒を送るときは、書類の量や重さなどにもよりますが、一般的には120円~140円の切手が必要です。そして切手を準備するときに注意したいのが、切手の枚数。切手の枚数は、なるべく少なくしましょう。

切手の枚数が多すぎるからといって、不採用になったり取引に悪影響が出たりするわけではありません。また郵便局のルールとして、切手の枚数に制限はありません。

しかし封筒に貼る切手の枚数が多いと、相手に「余っている切手を寄せ集めた」という印象を与えてしまう可能性があります。また枚数が多くなると、金額を間違えてしまうことも考えられますよね。そういった理由から、切手の枚数はなるべく最低限にすることをおすすめします。

履歴書など書類を手渡しする場合

履歴書や大切な書類を手渡しする場合もあるでしょう。このときも、書類は封筒に入れましょう。また持ち運びの際に書類が折れ曲がったり雨でしわしわになったりしないように、クリアファイルを活用することをおすすめします。

なお直接手渡しする場合は、封筒の封はしません。先方がその場ですぐに確認したり、自分が封筒から履歴書などの書類を取り出してスムーズに手渡ししたりできるようにするためです。

手渡しのときでもマナーに気を付けて渡すようにしましょう。書類を渡すときは、渡した相手にとって読みやすい向きで渡します。表と裏が逆だったり、上下が逆さまだったりするとマナー違反にあたります。

証明書や推薦状などの厳封をする場合

就活やビジネスシーンで、成績証明書や卒業見込み証明書、推薦状などを「厳封」で送るようにと相手から指示を受けることもあるでしょう。

例えば成績証明書の場合は、通常、成績証明書を発行する大学側が厳封します。そして相手企業に送るために厳封されたこの封筒は、自分で開けてはいけません。第三者に見られないようにしたい書類を扱う際に使用するのが厳封だからです。

なお厳封された封筒を相手企業に郵送する場合は、他の封筒を準備してその中に入れて送りましょう。このとき、添え状を書いて同封する必要があります。直接渡す場合は添え状の用意は必要ありませんが、送付するときは添え状の同封はビジネスマナーです。

糊付けが汚いと印象が悪くなる可能性があるので注意

封筒を糊付けするときは、受取人のことを考えて準備をするようにしましょう。封をした部分がしわしわだったり、はがれていたりなど、汚い状態や不用心な状態で届いてしまうと、悪い印象を与えてしまう可能性があります。

例えばあなたが採用担当だった場合、学生から糊付けが汚い封筒が送られてきたら「マナーを守れない人なのかな」「仕事も雑なのかな」と悪い印象を持ったり、不安に思ったりしませんか。

一方で、封筒に関するマナーをしっかり守っていれば「丁寧に仕事をしてくれる人だ」という印象を与えることができます。中身さえ届けば大丈夫と思わず、見た目にもしっかりと気を配りましょう。