NHKは9日、2023年度の改定方針に関するオンライン説明会を開催し、「デジタル時代に新たな公共性を確立」「時代を超えるNHKならではのコンテンツを提供」「地元密着と地域連携を強化」「映像・音声資産の再構築と価値還元」という4つの柱でNHKだからできることを追求していくと説明した。

NHK

「デジタル時代に新たな公共性を確立」としては、揺らぐ世界情勢を踏まえ、国際情報発信を強化。BS1で放送してきた『キャッチ!世界のトップニュース』を総合テレビに定時番組として移設。世界で起きていることをいち早く、より深く伝える。

また、あらゆる世代の学びを支援するため、Eテレの「大人の教養ゾーン」を強化。平日22時台は、大人の学びを支援する時間帯として、多様な知的好奇心に応える番組を充実させる。

水曜22時台には『NHKアカデミア』(22:00~22:30)と『ザ・バックヤード 知の迷宮の裏側探訪』(22:30~23:00)を放送。『NHKアカデミア』は、第一線の研究者やクリエイターたちが講師となり“今こそ共有したい”をテーマに語りつくす番組で、インターネットでのオンライン講座と放送を組み合わせたコンテンツとなる。そして、『ザ・バックヤード 知の迷宮の裏側探訪』では、博物館や美術館などの裏側に潜入。めったに展示されない貴重なお宝から研究者の個人的なコレクションまで、熱量あふれる裏側案内で、知の冒険散歩に案内する。

「大人の教養ゾーン」の強化について、同局は「幅広い学びを支援したいという思いがある」とし、『NHKアカデミア』のようなデジタルコンテンツと学びを組み合わせたコンテンツは、「NHKをこれまで見ていただいていたような高齢者層だけでなく、現役世代の大人の方がオンライン講座に参加してくれ、そういう視聴者の皆様からの反応もある」と説明。そういった声に応えていくためにも強化を決めた。

「時代を超えるNHKならではのコンテンツを提供」としては、1つのテーマを多角的に掘り下げるシリーズや、新しい分析方法、最新技術を活用したドキュメンタリーなどを放送。NHKスペシャルでは、2016年度に放送したシリーズ「ディープオーシャン」の第2弾を予定している。また、多様な人たちが共に豊かに生きる社会を実現するため、ユニバーサルな放送の推進に力を入れていく。

「地元密着と地域連携を強化」においては、芸能人が家族や友人たちと、愛する故郷を舞台に世界でたった1つの旅行ツアーを企画する新番組『サンドどっちマンツアーズ』(毎週日曜18:05~18:43)を放送。また、地域情報の全国発信を強化するため平日13~14時台と日曜7~8時台に新たに「地域情報発信ゾーン」を編成する。

「映像・音声資産の再構築と価値還元」としては、NHKが保管する膨大な過去の映像資料(=天然素材)の中から、ユニークな名場面やとっておきのアーカイブス映像を、時空を超えて一挙に蔵出しする『天然素材NHK』(毎週水曜23:00~23:29)などを新設する。