●新曲のキーワードは「君」

──そんな音楽への思いが強い蒼井さんが歌う新曲「Key to My Heart」がリリースされます。最初に曲を聞いたときの印象を教えてください。

すごく耳に残る綺麗な旋律が印象的でした。また、希望の光と同時に、孤独も感じるいい意味で複雑なメロディラインに不思議な力を感じたんです。いくつか候補の曲があったのですが、「この曲がいいです」と、僕からお願いしました。

──歌詞についてはいかがですか。

「君」という存在・言葉がすごく重要で、大切な歌詞です。「君」は友情としての絆でもあり、恋愛としての大切な人・大好きな人でもある。聴く方によって、さまざまな捉え方ができる内容になっています。また、自分一人で強くなることが果たして正解なのか、ということを問うような歌詞にもなっていて。一人だけが強くなっても、すべての問題が解決できるわけではありません。一人で解決したと感じることでも、陰ながら協力してくれている人がいると思うんですよね。それを深く考えさせられる歌になっています。

──レコーディングはいかがでしたか?

この曲には、日ごろの人生に寄り添えるようなテーマが含まれていると感じました。なので、壮大なバンドサウンドに仕上がってはいますが、歌は少しマイルドに、僕の声が一歩近くに聞こえるようなあたたかい質感にしたいと思ったんです。そこで、息の成分をブレス気味にしたり、ハスキーに聞こえるような部分を作ったりしてみました。一方で、「孤独」の要素も混じっている楽曲なので、切なさを感じる質感も残したかったんです。蒼井翔太の歌声は喜怒哀楽で表すなら「哀」の要素が含まれていると自分で感じているので、そのエッセンスを活かして「孤独」を表現できればと思いながらレコーディングしました。

──本曲はドラマイズム「REAL⇔FAKE Final Stage」のエンディングテーマでもあります。ドラマには蒼井さんも出演されていますね。改めて作品の魅力を語っていただければと思います。

「真実は何か」「裏と表」がテーマになっている作品で、とても考察しがいのあるドラマです。最終章となる今回は特にミステリー要素が強くなっていますね。僕が演じている朱音は、これまで様々な出来事があって周りを振り回すこともありましたが、今回はレコード会社の社長らしい役目を果たします。物語のカギは「信頼」と「絆」。これからさらに考察していただく場面も増えるので、楽しみにしていてください。

──ドラマでお芝居をすることで何か気づきはありましたか?

アニメだとストーリー順で収録することが多いですが、ドラマはいきなりエンディングやいちばん大事なシーンから収録することがあるんです。そういう意味では、どこを切り取られても違和感がないように演じなければいけないんですよ。これって、すごく体力も使いますし、モチベーションを保つための気力もかなり必要なんです。自分が関わることで、ふだんから映画・ドラマで活躍されている俳優さんのすごさを実感しました。

──お芝居をすることで、歌にも影響はありましたか?

声のお芝居、舞台・ドラマでのお芝居をやっていくなかで、自分のなかの知らなかった感情を知ることができました。ワンフレーズ、ワンフレーズでの気持ちの込め方をキャラクターたちに教えてもらったんです。以前と比べて歌に込める気持ちのバリエーションが豊かになりました。関わってきた作品、登場人物たちに感謝しています。

●みなさんと一緒に「ガーデン」を作り上げたい

──蒼井さんがエンタメ業界に関わって、10年以上が経つかと思います。年齢や経験を重ねることで、自身のなかでの成長や変化を感じることはありますか?

信頼できる方が一人、また一人とありがたいことに増えたことで、自分の気持ちを素直に表現しても大丈夫と思えるようになりました。以前は思っていても勇気が出なくて、自分の感情を表現できなかったんです。自分の気持ちを言葉で伝えられるようになったことは、大きな変化ですね。

──では、色々なエンタメに関わる蒼井さんが、読者のみなさんに推したいエンタメは?

僕、サスペンスホラーが好きなんですよ。なかでもオススメは『ミザリー』という映画。とある作家の男性が交通事故で重傷を負ってしまい、居合わせた女性に助けられるんです。実はその作家のファンだった女性に看病されるなかで、色々なことが起きていき……という、人の怖さを描いた作品です。ホラーが苦手な友人と一緒に見たのですが、見終えた後に僕が「あー、面白かった」と言ったら、急におびえだしまして(笑)。「怖かったじゃん!」って言われました。ホラーが大丈夫という方には、ぜひ見て欲しいですね。

──ホラーやミステリーが好きな理由は?

何でしょうね、僕のなかの現実とかけ離れているものを見たいのかも。だから、日本のホラー作品は見れないんです。怖いから。

──それは、怖いんですね(笑)。

はい。怖いんですよ。後ろ向きたくなくなっちゃう。自分の現実から離れた作品を見ます。

──貴重なお話ありがとうございました! 2023年1月15日からはライブツアーの開催も決定しています。こちらへの意気込みをお願いします。

今回は地元・福井県からスタートするツアーです。ライブツアーのタイトルは「Garden」(ガーデン)。前回のツアー中に、もっと感謝を伝えたいという思いが生まれて、今回は「感謝」をテーマにしたいと思ったんです。最初は「花束」が思い浮かんで「ブーケ」をタイトルにしようと思いましたが、気持ちがもっと大きかったので、広義の意味で「Garden」にしました。僕だけでなく、応援してくださる方も唯一無二の個性的なお花たち。みなさんと一緒にこの「ガーデン」を作り上げたいと思っています。今回記事を読んで興味を持っていただけた方にも楽しんでいただけるようなツアーにしたいと思っていますので、是非ご覧ください。

──新たな一歩を踏み出した蒼井さん。最後に、今後の目標を教えてください。

ここまでの人生、ありがたいことに、数多くの作品のおかげで蒼井翔太をたくさんの方に知っていただくことができたと思います。蒼井翔太って声優界のなかで結構特殊な花だと自負していますが、今後はより蒼井翔太という花を大きく咲かせることによって、アニメ・ゲーム業界がさらに注目してもらえるきっかけとなる声優・アーティストになりたいですね。蒼井翔太を終えるときまでチャレンジを貪欲に続けていきたいです。プライベートでは一人旅をしたいです。

──どこに行きたいですか?

本当は国外に行きたいんです。ただ、応援してくださる方々はきっと、蒼井翔太を一人で国外になんて行かせられないと思っているでしょうね(笑)。なにせ、この前初めて一人で大阪行の切符を買ったくらいですから。何もかも初めてでしたが、こういう初めてを重ねていくことでいつか一人で国外へ行けるようになりたいです。レーベルの大先輩・水樹奈々さんは1日でも休みがあれば旅行に行っていらっしゃるそうなんです。行動力がすごいですよね。そうやって日ごろからインプットを繰り返すことが大事だと思うので、僕も始めてみようと思います!

●デジタルシングル「Key to My Heart」リリース情報

配信日:2023 年1月18日
作詞:leonn(Blue Bird's Nest)
作曲:日比野裕史(Blue Bird's Nest)
編曲:日比野裕史(Blue Bird's Nest)
※ドラマイズム「REAL⇔FAKE Final Stage」エンディングテーマ曲

●ドラマイズム「REAL⇔FAKE Final Stage」

毎週火曜深夜放送中
MBS:毎週火曜 24:59~
TBS:毎週火曜 25:28~
※TBS放送後、TVerにて1週間無料見逃し配信