LIFULL seniorは1月19日、「介護の実態および意識に関する調査」の結果を発表した。調査は2022年12月14日~16日、全国の30代~60代以上の男女1,400名(介護経験あり40~60代以上600名、介護経験なし30~60代以上の各世代200名)を対象にWEBで行われた。

  • 介護に関する考え方

    介護に関する考え方

介護に関する考え方について聞いたところ、84.2%が「介護士など専門職の手を借りた方がいい」と回答。「介護保険サービスを利用した方が良い」と考える人も全体の85.8%と、大半の人が、専門職の手を借りたい、借りた方が良いという結果に。

また、介護経験の有無による意識差(経験有-経験無し)を見ると、「介護士など専門職の手を借りた方がいい」は13.3ポイント差、「介護保険サービスを利用した方が良い」が13.7ポイント差と、介護に携わった人の方が、専門職や介護サービスの必要性を認識しているという結果となった。

  • 介護サービスの利用について

    介護サービスの利用について

続いて、親が要介護者の人に対し、実際に親の介護をどのように行っているか伺ったところ、デイサービス、訪問介護、施設入居などの“何かしらの介護サービスを利用している人”は全体の84.3%に。内訳は「家族や身内で介護を行っているが、デイサービスも活用している」が33.3%、「介護施設などに入居して受けるサービスを活用している」が32.4%と、デイサービスと施設入居で二分される結果となり、「家族や身内で介護を行っている(とくに介護サービスは利用していない)」という人は、わずか9.5%だった。

また、親の介護を家族の誰がメインで行ったかを聞くと、「長男」が29.1%でトップ。次いで、「長女」(20.2%)、「親の配偶者」(14.8%)、「次女」(10.3%)、「次男」(8.9%)と続き、かつて、親の介護者として筆頭で上げられていたいわゆる「長男の嫁」(8.4%)は6番目だった。

  • 介護施設に入居したくない・させたくない理由

    介護施設に入居したくない・させたくない理由

次に、全調査対象者に対して、介護施設などに入居して受けるサービスを利用したいかと尋ねたところ、28.9%が「自分自身が介護される場合は利用したくない」と回答。理由を聞くと、「金銭面が不安」が最も多く44.9%。次いで、「生活の自由がなさそう(減りそう)」(30.4%)、「施設の選び方がわからない」(19.3%)と続いた。

一方、「親に利用させたくない」という人は24.3%。理由としては、やはり「金銭面が不安」(38.8%)が最も多く、次点には「家族や身内でみてあげたい」(24.4%)がランクイン。自分自身はさておき、親については、“家族・身内でみてあげたい”という気持ちが強いよう。

なお、この結果に介護経験の有無による差はみられなかったが、それぞれのカテゴリごとの特徴を見てみると、介護経験者は、自分でリサーチをして、ある程度の知識を持っているが「介護施設にあまり良いイメージを持てていない」よう。一方、未経験者は、そもそもの使い方がわからず、「サービスを身近に感じられていない」という実態が伺えた。