商用の電気自動車(EV)を手掛けるHW ELECTROが新型車「エレモL」(ELEMO-L)を発表した。最大積載量1,250kg、約7立米の大きな荷室を備えるバンタイプで、キャンピングカーのベース車両としての用途も想定しているそうだ。どんなクルマなのか、実物を見てきた。
ハイエースがライバル?
HW ELECTROは商用EV「エレモ」シリーズの製造・販売を行うファブレスメーカー。日本では2021年4月に輸入小型の商用EVとして初めてナンバーを取得し、2021年7月24日に「エレモ」、同11月20日に「エレモK」(ELEMO-K)の販売を開始した。
今回の中型EVバン「エレモL」は、バン本来の貨物運送用途に加え、キャンピングカーのベース車両にするなど、ユーザーによる荷室のアレンジ・カスタマイズも想定した車両だ。搭載するバッテリーの容量は43.5kW、フル充電での走行可能距離は270kmとしている。発売は2023年の初夏ごろを予定。当面は左ハンドル仕様を販売する予定だが、1年以内に右ハンドルも導入したい考えだ。価格については現時点で未定。
HW ELECTROの広報担当によると、中型バンのEVが日本に登場するのは「おそらく初めて」ではないかとのこと。商用にも一般向けにも人気が高いトヨタ自動車「ハイエース」が「口幅ったいんですが」競合だとする。
エレモ導入以来、行政や移動販売車の製作メーカー、大手企業らから受注が入るなど「上々な滑り出し」(広報担当)を見せるHW ELECTRO。エレモLでは商用以外の顧客が拡大するかどうかにも注目だ。
今後のエレモシリーズについては、「エレモLまでいってしまうと、次は何なんだということになりますし、XLなのかと冗談をいったりもしているのですが、そうすると免許の問題などもでてきますので……」と広報担当は話していたが、日本市場では「メイドインジャパンのオリジナル商用車を開発中」であるとのこと。350kgまで荷物が積める軽のバンタイプで、「2023年5月ごろにはコンセプトカーを発表できそう」とのことだった。