■アイドルグループ卒業で意識に変化「甘えっぱなしで頼ってばかり」
――タイトル『Last Teen』の通り、今年10代最後の1年を迎えて、来年3月に20歳を迎えますが、10代を振り返ってみて、どのように感じますか?
本当にあっと言う間すぎて、びっくりしています。最近気付いたんですが、年齢を重ねるにつれて時間が経つのを早く感じていて(笑)。この仕事を始めたのが12歳で、毎日充実した生活を送ってきたからこそ感じることだと思います。
正直、いわゆる学生の青春らしい青春は体験できなかったんですが、違った青春を味わえたのかなと。それこそアイドル活動をしていたときは、全部が青春だったなと感じますし、改めて振り返ってみてもいい10代だったなと。まだ何カ月かは10代なんですけどね(笑)。
――時間が経つのを早く感じるのは、過ごし方などが今までと違うからなんでしょうか?
今までは何も考えずに生きていたというか……(笑)。1日にやらなきゃいけないことに身を任せていたから、そこまで時間がないと感じなかったんだなと。でも、2020年にアイドルを卒業してからは、自分で考えてやらないといけないことが増えたので、そういう部分で時間が経つのを早く感じるんだと思います。
アイドルのときは、最年少で加入したので、周りのメンバーに甘えっぱなしで頼ってばかりでした。それこそ、卒業した当初は、1人になると今までやってもらってたことを全部1人でやらなきゃいけないし、大変だなと感じていましたが、今はようやく慣れてきて、できるようになりました。
■初ミュージカルで感じた演じる楽しさ「役にハマっていく感覚」
――特に印象に残っている出来事や転機になったことはありますか?
毎日いろいろなことに刺激を受けていた日々だったんですが、10代でいちばんのビッグイベントはアイドルになったことです。アイドル時代を経験したから得られたものがたくさんあって、普通の学生生活を送っていたら、幅広い年代の方と話す機会もなかったと思います。なにより、自分のことを応援してくださる方がいるということを、直接知れるのもすごい経験だなと。そういうありがたみを感じることができたのは、大きな財産になっています。あと、グラビアを通して私のことを知ってくださった方もたくさんいらっしゃるので、大きな転機になりましたし、改めて挑戦してよかったなと思います。
――昨年からは女優としても活動されていますが、約1年半の間、難しさや大変だと感じることはありますか?
台本を覚えるという習慣がなかったので、暗記するというのも大変だなと……。アイドルのときから、歌詞やダンスを覚えるのは得意なんですけど、セリフとなると、全然入ってこないことがあって(笑)。いざ、台本を覚えてカメラの前や舞台の上に立っても、撮影してもらったものを見ると、全然自分が想像していたようになっていないことも多くて、演技は難しいなと改めて感じました。
――逆に、やりがいや楽しさを感じた瞬間は?
いま、ミュージカルに出演していて、初めてたくさんのセリフや長セリフをいただきましたし、しっかりキャラクターがある役というのも今回が初挑戦。稽古を通じて役にハマっていく感覚があって、その瞬間がすごく楽しいですね。徐々に役のことを理解していって、この子はこういうときこういう風に言うんだろうなと考えたことが、セリフと一緒だったりすると、すごく楽しいですね。
――ミュージカルに初挑戦ということですが、歌とダンスという面では、アイドル時代の経験も生かせると思いますが、挑戦してみて、いかがですか?
アイドル時代に培った経験値は間違いなく活きています! 歌やダンスを覚えるのは早かったので、「やっていてよかったな」としみじみ感じました(笑)。ただ、ミュージカルでの歌は、会話の延長というかセリフが歌になるので、そこは苦戦しました。アイドル時代から言われていたんですが、私の歌い方ってクセが強いみたいで……(笑)。普段の声と歌声が違うから、会話のまま歌に入れないんですよ。アクセントが勝手についてしまったりと、歌に寄り過ぎちゃうみたいで、そこは意識して直しました!
もともと殻を破れないタイプで、オーディションとかでも萎縮してしまうことがあって。でも今回のミュージカルで自分を表現できるようになったなと感じていて、少し殻を破れたんじゃないかなと思っています。
――大きな成長を見られる作品になりそうです。では、改めて来年20代に突入しますが、20代で実現したいことはありますか?
お仕事の面では、芸能界に入ったころから、雑誌の専属モデルになるのが夢なので、叶えたいです。お芝居では、映画やドラマにもっと挑戦していきたいと思っています。それこそ、先ほどから青春のお話しをしていましたが、自分が経験できなかった学生の青春をドラマや映画の世界で味わうのが目標です!
■小山璃奈
2003年3月4日生まれ。神奈川県出身。2016年にアイドルグループのマジカル・パンチラインに加入し、2020年11月に卒業。2021年3月に『週刊プレイボーイ』(集英社)でグラビアデビューし、同年4月には小山リーナ名義から現在の小山璃奈での活動を開始した。ラブライブ! シリーズ完全新作ミュージカル『スクールアイドルミュージカル』に天草ヒカル役で出演。12月10日から15日までの東京公演(新国立劇場 中劇場)を終え、大阪公演は2023年1月25日から29日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールで上演される。1st写真集『Last Teen』(ワニブックス 撮影:西條彰仁)が好評発売中。