東京にも朝・夕の料理付き和風旅館ってあるようです。その名も「行燈旅館(あんどんりょかん)」。四季折々の新鮮食材を使った手作り料理はもともと栄養満点ですが、期間限定で特別な「免疫モーニング」が食べられます。

■手作り料理が名物の「行燈旅館」

台東区日本堤(にほんづつみ)。この周辺はかつて「山谷(さんや)」と呼ばれ、今も数多くの簡易宿泊所があります。これは戦後、被災者が仮の宿泊施設に集められたことにルーツがあり、労働者が集まる町になりました。

コロナ禍で寂しくなったものの以前は、浅草に近い立地ながら安く泊まれる宿がたくさんあるため、世界中からバックパッカーが多く訪れていました。

そんな一角に行燈旅館はあります。地方はまだしも、都内では食事や接客を簡素化し、価格で勝負する旅館が少なくない中、朝夕の2食付きというサービスで勝負。コロナ禍からの再起を図り、好評を得ています。

■モダンなテイストが純和風と融合

こちらが外観。

  • スタイリッシュで和風旅館に見えない

足を踏み入れると、ロビー兼食事会場です。床にカラフルなタイルが敷かれ、昭和の純喫茶を思わせる赤いビロードの椅子がインテリアのアクセントになっています。あちこちに骨董品が飾られ、実に洗練された和モダンな空間!

客席はテーブル席、カウンター席などがあり、小上がりになった畳席がひと際目を引きます。お茶やアルコールもいただけます。この畳席では、お茶(茶道)体験も行っているとのこと。冬はこたつが置かれていて、いい雰囲気です。

  • 空いていればこたつ席で食事がいただけける

日本でもこたつのある家庭は少なくなっているし、外国人旅行者には物珍しくて好まれそうです。

客室はすべて和室で、館内着は浴衣というのも嬉しいポイント。お風呂は貸し切りで予約制です。

■これぞ日本の伝統的な和朝食!

こちらが、ある日の朝食の一例です。

  • 1品1品手作りで、味噌は無添加

手前左から時計回りで、ご飯、焼き魚(ホッケの干物)、野菜の煮付け、セロリの水煮、味噌汁。

小皿に盛り付けられ、お盆に品良く並ぶのがかわいらしく、目にもごちそうです。確かに、外国人旅行者が「せっかく日本に来たんだから、日本らしいものを食べたい」と思っても、外食だとラーメン、寿司、天ぷらなどばかり。これらもごちそうですが、考えてみれば、私たちが毎日食べているものってご飯+おかず+汁物が基本です。

その点、行燈旅館の朝食は日本の食卓のリアルなセンをいっていますよね。

■免疫ケアはバランスの良い朝食から

行燈旅館では、12月2日から約1カ月の間(※商品が無くなり次第終了)、「免疫ケアで旅行に安心プロジェクト」と連動し、朝食がパワーアップ。同プロジェクトは、鎌倉市観光協会とキリンホールディングスが連携し、「免疫ケア」の習慣化促進や安心して旅行ができる日常を目指す内容です。

その具体的な取り組みとして、行燈旅館は「免疫モーニング」を考案したというわけ。和朝食を選択した宿泊客に、納豆+すりおろししょうが+「キリン iMUSE 朝の免疫ケア」3点セットを提供するという内容です。

  • 外国人旅行者もぜひ納豆にチャレンジ!

しょうが!? と戸惑っていると、「味噌汁に入れるのがおすすめです」と教わりました。試してみると、味噌汁の風味が一変してとっても美味。

ちなみに、朝食のメイン料理は肉と魚から選べますが、どの魚がどんな調理方法で登場するかは女将の石井敏子さん次第。2人なら1人は肉、もう1人は魚のように違うものにして、1口ずつ交換して味見するのも楽しそう。

「その人の顔を見て、食材や調理法を決めます。都内勤務だけど、あえてここに連泊して、朝夕2食食べて出勤するといった使い方をする人もいらっしゃったので、毎日献立は変えます」とのこと。こういう気遣いって、個人経営の旅館ならではですよね。

全国旅行支援も後押しし、コロナ禍以降寂しいクリスマスや正月が続いたというが、今年は予約がたくさん入っているそう。浅草寺や仲見世などの「オモテ浅草」、東京スカイツリーなどの主要スポットを制覇したという人にも、このあたりのガチな下町はツウな旅行者・散歩者にも新鮮。樋口一葉記念館、吉原大門(おおもん)など、見どころは少なくありません。

自分へのご褒美に期間限定の「免疫モーニング」はいかがでしょうか?