動画広告といえば、YouTube広告をイメージする方も多いのではないでしょうか。YouTubeのユーザーであれば、再生前後や途中で流れる広告を目にする機会も多いものです。

今回はYouTube広告の種類や特徴、利用するメリットについて解説します。他のSNSの動画広告についても解説しますので、動画広告の配信を検討している方は参考にしてください。

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■YouTube広告の種類

YouTube広告の種類としてバンパー広告、インストリーム広告、アウトストリーム広告、マストヘッド広告があります。それぞれについて見ていきましょう。

バンパー広告

他の動画の再生前、再生中、再生後に入る動画広告です。6秒以下の短い動画であり、ユーザーはバンパー広告をスキップすることは不可能です。

バンパー広告のメリットは必ず最後まで視聴してもらえること。いかに短い時間で魅力的な内容を簡潔に伝えるか、インパクトを与えられるかが勝負となります。

インストリーム広告(スキップ不可)

インストリーム広告も、動画の再生前後や途中に再生される広告です。バンパー広告とは違い、15秒とテレビCM程度の長さであるのが特徴です。

インストリーム広告はスキップができるものとできないものがあります。スキップ不可の場合、ユーザーがYouTubeを閉じない限り最後まで見てもらえます。

しかしユーザーに興味のない内容の場合、スキップできないことも相まって、かえってイメージ悪化を招くリスクがあります。できるだけターゲットを絞り込み、興味を持ってもらえそうな人に配信するのが望ましいです。

インストリーム広告(スキップ可能)

5秒経過するとスキップできるようになるタイプの広告です。YouTubeでよく見かける方も多いのではないでしょうか。

5秒待つだけでスキップできるため、利用者が悪い印象を強く抱くことはあまりないでしょう。ただし興味を惹かれないならどんどんスキップされてしまうので、5秒経過しても継続して視聴してもらえるよう工夫する必要があります。

アウトストリーム広告

YouTube内ではなく、Google動画パートナー上のサイトやアプリで配信される広告です。配信されるのはモバイルのみで、パソコンやテレビには配信されません。

音声なしのミュート状態でスタートし、利用者がタップするとミュートが解除されます。比較的安い価格で配信できるのもアウトストリーム広告のメリットです。

マストヘッド広告

YouTube画面の最上部に表示される広告です。ターゲティングはできないものの、幅広いユーザーを対象に配信するのに役立ちます。

目立つ場所に表示されるため、ユーザーの目を惹きやすいのもメリットです。

■YouTube広告を配信する手順

YouTubeで実際に広告を出稿するための流れについて解説します。

1.チャンネルの開設

YouTubeのチャンネルは無料で開設できます。ビジネス用のチャンネルを開設し、見込み個客やアクティブなユーザーとつながることが可能です。

自社商品やサービスについての基本的な情報、イベント映像などをアップロードすることで、ユーザーが必要とする情報を提供し、交流することにつながります。

2.動画広告の制作

動画広告はスマートフォンでも撮影でき、必ずしも高額な機材は必要としません。YouTubeでは素材の制作に役立つリソースも用意され、自社の制作スタイルに応じて活用することができます。

またYouTube広告の成功事例も複数公開されています。コンサルティング、消費財、日用品、教育、エンターテインメントなど各分野の成功事例も参考になるでしょう。

3.キャンペーンの設定

広告の目的に合ったフォーマットを選択します。認知・検討・行動の各目的にふさわしいフォーマットが用意されています。

またYouTube広告ではターゲットとするユーザーを「オーディエンス」と呼んでいます。年齢・地域・趣味などさまざまな属性でオーディエンスを設定し、見込み客にリーチすることが可能です。

キャンペーンの予算は1日あたりで設定することが可能です。YouTube広告を初めて利用する場合、1日あたり1,000円~5,000円程度の少額からスタートすることが推奨されています。

この程度の規模の予算であれば、気軽に広告を試せる企業も多いでしょう。

4.効果の測定

広告を配信した後に、効果を測定することができます。クリエイティブ分析ツールを使うと、動画のどの時点でユーザーが離脱したか、注意を引いた場面はどこかを確認し、次回の動画制作に生かすことができます。

またコンバージョントラッキングでは、広告のクリックが購入や申し込みなどの成果にどの程度つながったのかを確認できます。これらのツールは無料で利用可能です。

■YouTube広告を利用する際の注意点

YouTube広告を配信するときは、下記の点に注意が必要です。

逆効果に注意

強制的に再生される動画広告は、ターゲットのずれや内容によって利用者に不快感をもたし、逆効果につながる恐れがあります。

特にスキップできない広告の場合、マイナスイメージを持たれる恐れも強くなるので、慎重に検討してから出稿する必要があります。

審査に時間がかかることも

広告を出稿してもすぐに配信されるわけではなく、内容がYouTubeの規約に照らし合わせて問題ないかを審査されます。広告掲載禁止の商品や表現については「広告のポリシーの概要」が公開されているので、事前に確認しておきましょう。

審査には時間がかかることもあり、動画の修正を求められる場合もあります。

■その他のSNS動画広告

YouTube以外のSNSでも、動画広告を配信しています。それぞれの概要を簡単に解説します。

Twitter

Twitterは140字以内の短文のやり取りがメインのSNSです。拡散性が高いSNSであり、バズることで注目を浴びる商品・サービスも多数あります。

Twitterの標準的な広告は「プロモ広告」で、通常のツイート形式で出稿します。動画の他、画像やテキストなどにすることもできます。

Instagram

ビジュアルがメインのSNSで、女性の利用が多く、化粧品やファッションといった女性用商品の広告がよく見られます。

Instagram広告では通常の画像や動画の他、複数枚を表示できるカルーセル広告、カタログ形式で配信するコレクション広告などがあります。

Facebook

実名登録制のSNSで、ビジネス利用が多いのが特徴です。年齢層も他のSNSよりやや高く、30~40代が中心となっています。

Facebook広告では、最長240分の動画を配信でき、ストーリー性を持たせることもできます。ブランドの世界観などをアピールしたいときにも活用できます。

LINE

国内のアクティブユーザーが8,000万人以上と、非常に多くのユーザーのいるSNSです。 若者だけでなく中高年の利用者が多いのも特徴です。

LINE広告は種類が多く、トークリストの最上部の広告、LINEマンガやLINEショッピングで配信される広告、提携する外部アプリに配信される広告などがあります。

■まとめ

スマートフォンや5Gの普及によって動画広告市場は年々増加しています。特にYouTubeの動画広告は、他のSNSよりも長い尺で2~3分の動画の配信ができます。ターゲットとなるユーザーに興味をもってもらえる動画広告を作成し、認知だけでなく高いエンゲージメントを狙うことが可能です。