中国のBYDが日本に投入する電気自動車(EV)「ATTO3」の価格が決定した。440万円で2023年1月下旬に発売となる。フル充電での走行距離485km(WLTCモード、BYD Auto Japan調べ)でこの価格は、かなり安いという印象だ。月々4.04万円の4年サブスク型リースプランも選べるという。

  • BYD「ATTO3」

    BYD「ATTO3」の価格が決定!

国内外のライバルと価格を比較!

BYDの日本法人であるBYD Auto Japanは、2023年1月にSUV「ATTO3」、同年中頃にコンパクトカー「ドルフィン」(DOLPHIN)、下半期にセダン「シール」(SEAL)の3台のEVを発売する予定。ATTO3は2022年2月に中国で発売して以来、豪州やタイなどアジア太平洋地域へと地域を拡大し、10月末までに累計14.3万台を販売している。欧州ではドイツとフランスを含む計9カ国での発売が決定済みだ。

  • ATTO3の概要
駆動方式 FWD(前輪駆動)
車両重量 1,750kg
ボディサイズ 全長4,455mm/1,875mm/1,615mm
ホイールベース 2,720mm
乗車定員 5人
モーターの動力出力 最高出力150kW、最大トルク310Nm
バッテリーの容量 58.56kWh
航続距離 485km(WLTCモード、BYD Auto Japan調べ)
メーカー希望小売価格 440万円
  • BYD「ATTO3」
  • BYD「ATTO3」
  • BYD「ATTO3」
  • 「ATTO3」のインテリアはなかなか変わっている

440万円というのは絶妙な価格設定だと思える。競合となりそうな国内外のEVよりも安いと感じるし、航続距離を合わせて考えるとコストパフォーマンスにも優れているからだ。

  • 競合となりそうなEVの航続距離と価格
メーカーと車名 航続距離と価格
日産自動車「アリア」 470km、539万円~
スバル「ソルテラ」 487km、682万円
マツダ「MX-30 EV MODEL」 256km、451万円~
フォルクスワーゲン「ID.4」(安い方のグレード) 388km、499.9万円
テスラ「モデルY」(安い方のグレード) 507km、643.8万円
ヒョンデ「IONIQ5」(最も安いグレード) 498km、479万円

もちろんボディサイズや乗り心地、動力性能が異なるので単純に比較はできないのだが、BYDの総合力は高いと感じる。

  • ヒョンデ「IONIQ5」
  • 日産「アリア」
  • 左が「IONIQ5」(最も安いグレード:4,635mm/1,890mm/1,645mm、170ps/350Nm)、右が「アリア」(B6グレードの2WD:4,595mm/1,850mm/1,655mm、218ps/300Nm)

ATTO3の仕様も見てみたのだが、あってほしい機能は一通りそろっているようだ。運転支援システム関連ではACCが使えるし、ブラインドスポットインフォメーションや自動緊急ブレーキなども備えている。輸入EVでは使えないことも多いV2H(クルマから家に給電できる機能)も使用可能とのことだ。

BYDは販売面の準備についても余念がない。2023年1月下旬以降、15都道府県で計22の「開業準備室」を順次オープンし、商談や試乗の要望に対応する方針だ。2025年末までには、日本各地に100店舗以上の販売ネットワークを構築する方針を示している。ATTO3については毎月定額4.04万円の4年サブスク型リースプラン「BYD e フラット」(頭金・ボーナス払いなし、登録諸費用/リース期間中の自動車税/自賠責保険/預かり法定費用/リサイクル関連費用込み)のほか、4年残価据置型ローン「BYD e ローン」など多彩なファイナンスプランを用意しているそうだ。