日に日に涼しくなり、気が付けば今年も紅葉シーズンを迎えました。自然の中で美しい紅葉を見ながらゆっくりと過ごすのも日本の秋らしい贅沢な過ごし方ですよね。今回は、紅葉の中で釣りと自転車を楽しむ「ライド&フィッシュ」を、東京都心から2時間ほどで行ける秋川渓谷で堪能してきました。
自然を感じるアクティビティ「ライド&フッシュ」とは?
「ライド&フィッシュ」は、釣り場まで自転車で出かけ、釣りと自転車の両方を楽しむアクティビティです。釣り場まで電車や車で行く方がラクだと思う人もいるかと思いますが、自転車で移動することによって、道中の景色を楽しんだり、ご当地グルメを味わったり、より自然や地域との触れ合いを感じることができます。
筆者は釣りが趣味ではありますが、本格的な自転車経験はないので、昨今注目を帯びている電動アシスト機能がついたスポーツバイク「E-BIKE」をレンタルして「ライド&フィッシュ」を体験してきました。
釣り場の最寄駅、武蔵五日市駅からスタート
「ライド&フィッシュ」を体験するために向かったのは、新宿駅から特快に乗って約60分、五日市線の終着駅である武蔵五日市駅。武蔵五日市駅は、都内とは思えないほどの大自然を味わえる秋川渓谷の入り口です。駅から徒歩1分の場所にあるレンタサイクルでE-BIKEをレンタルし、目的地である「秋川国際マス釣場」に向かいます。
秋川渓谷の楽しみ方を教えてくれる「東京裏山ベース」でE-BIKEをレンタル
武蔵五日市駅の道の向こう側にある「東京裏山ベース」は、武蔵五日市から秋川渓谷を知り尽くしたスタッフが、ここでの楽しみ方を提案したり、自転車やアウトドアグッズのレンタルをおこなっている施設です。この場所でE-BIKEを借りつつ、秋川渓谷を楽しみながらマス釣場に行くコースを組んでもらいました。
今回借りたE-BIKEはヤマハ製のYPJ-C(XS)。1日あたり3,500円でレンタルすることができます。サドルの高さ調節や使い方なども丁寧に教えてもらえるので、初心者でも安心して乗りこなすことができました。
なお東京裏山ベースでは、カゴ付きの電動ママチャリや5段変速が付いたシティサイクル、20インチの小径ミニサイクルやドロップハンドルのE-BIKEなど様々なタイプの電動アシスト付きの自転車が揃っているので、走る距離や荷物の量に合わせて色々選べるのもうれしいところ。また電動アシストのついていないクロスバイクも複数あり、山道を走れるマウンテンバイクやグラベルロードも借りることができます。
そして今年11月からは、JR武蔵五日市駅前と、同エリアにある温泉施設・秋川渓谷瀬音の湯付近(十里木)で乗り捨て可能な電動アシスト自転車シェアサイクルサービスもスタート。行きは自転車で紅葉を楽しんで、帰りはバスに乗って戻ったりと、さらに自由な楽しみ方ができそうです。
東京裏山ベース
住所:東京都あきる野市舘谷219−7
定休日:なし(詳細は公式サイトを参照)
レンタサイクル料金:1日2,200円/日、電動アシスト自転車は3,500円/日
公式サイト:東京裏山ワンダーランド
まずはイチョウやモミジなどの紅葉が見られる広徳寺に立ち寄ることに。道中には坂が多く、普段自転車では走りたくないような登り坂もちらほらと現れます。
電動アシスト機能のあるE-BIKEでは、坂道でも平坦な道を走っているかのように進んでいくので、ラクに登り切ることができました。坂道を越えて住宅地を抜けると最初の目的地である広徳寺に到着です。
あきる野市屈指の紅葉スポット「広徳寺」
「東京裏山ベース」から10分ほどで到着した「広徳寺」は、イチョウやモミジで有名な紅葉スポット。筆者が訪問した10月中旬にはまだ紅葉は始まっていませんでしたが、緑の葉が生い茂ったイチョウの大木が並んでいました。
紅葉が始まるとイチョウは黄金色に輝き、風景とのコントラストが楽しめるのだそうです。本堂裏にはモミジもあるので、色とりどりの紅葉を楽しむことができます。
風情のある景色をぼーっと眺め、心が穏やかになったところで、次のオススメスポットの「佳月橋」に向かいました。
広徳寺
住所:東京都あきる野市小和田234
色とりどりの紅葉並木と大小の岩で形作られた景色を一望できる「佳月橋」
「広徳寺」から2分ほどで到着する「佳月橋」。住宅地の中の車一台が通れるほどの幅の橋にはなりますが、ここから見える真っ直ぐに流れる川、紅葉並木、川に浮かぶ岩などで作られた幻想的な景色を味わうことができます。筆者が訪れた時には少しずつ紅葉が始まっている段階でしたが、川のせせらぎに癒され、心が洗われるようなゆったりとした時間を過ごせました。
ちょうどお昼時ということもあり小腹が空いてきたので、地元の食材を使った炭火焼や山里料理を味わえる「黒茶屋」に立ち寄ることにしました。
佳月橋
住所: 東京都あきる野市小中野、小和田地区
まるで和のテーマパーク「黒茶屋」
250年前の庄屋屋敷を改築した「黒茶屋」は、広大な敷地内に秋川渓谷を望む展望台やオープンテラスのカフェ、お土産処などが点在している、食事処というよりもまるで和のテーマパークのような場所。ご飯を食べたり、散歩をしたりと自然に囲まれながら時間を忘れて過ごせる空間で、都内にいるとは思えないほどの静けさを味わえます。
空腹を満たそうと向かったのは「おやき屋竹庵」。秋川渓谷を代表する食べ歩きスイーツのおやきを購入し、川沿いにある「野外テラス水の音」でコーヒーと共にいただきました。
川の流れを眺め、自然が織りなす音を聞きながら、リラックスする時間を過ごすことができました。
黒茶屋
住所:東京都あきる野市小中野167
公式サイト:黒茶屋
お腹も満たされたので、最終目的地である「秋川国際マス釣場」に向けて出発します。最短距離である檜原街道を進む手もありますが、あえて対岸の裏道を通って、秋川渓谷の景色を眺めながら川沿いを走って向かうことにしました。
澄んだ川、バーベキューや川遊びを楽しんでいる人、虫や風の音を楽しめるのも自転車ならではの楽しみです。
「黒茶屋」から20分ほどで、今回の目的地「秋川国際マス釣場」に到着!
ビギナーからマス釣りが楽しめる「秋川国際マス釣場」
豊かな自然に囲まれ、秋川渓谷でマス釣りの醍醐味を堪能できるこの釣り場は、川でのエサ釣りが主体ですが、ルアー釣り、てんから、フライフィッシングエリアを常設しています。レンタル竹竿などもあるため、手ぶらで行く事も可能です。ゆったりとした雰囲気の中で、釣りだけでなくバーベキューを楽しむこともできます。
筆者はエサ釣りをするために、レンタル竹竿とエサのブドウ虫とイクラを購入。虫が苦手という人にもイクラが用意されているので安心して釣りに挑めます。
手続きを終えて、早速釣り場に向かいました。
この日は日曜日ということもあり、家族連れやカップル、友達同士などたくさんの人で賑わっていました。指定された区画に向かい、いざチャレンジ。
澄んだ川にはウヨウヨとマスの影が見えます。放流直後に到着したので、ひっきりなしに釣れそうと思っていたのですが、なかなか釣れず一苦労。アタリ具合や周りの人を見つつ、エサを変えてもなかなか釣れません。
自然を眺めたり、深呼吸でおいしい空気を吸ったりとしているだけでも充実した時間を過ごせますが、どうにか1匹は釣りたいところ。釣り始めて1時間ほど経った時にやっと1匹釣ることができました!
釣ったマスは、持ち帰ったり、バーベキューで食べたり、塩焼きと交換することができます。塩焼きと交換する場合は受付が15時までなので、ギリギリまで釣りを楽しむことに。
この日釣れたのは2匹。ひとまず取材中に釣れたので一安心でした。釣ったマスを塩焼きと交換し、美味しくいただきました。日によっては15時前に交換を締め切ってしまう場合もあるので、早めに交換することをオススメします。
お腹も気持ちも満たされたところで、秋川渓谷の見どころの1つである「石舟橋」に寄ってから「東京裏山ベース」に戻ることにしました。
秋川国際マス釣場
住所: 東京都あきる野市養沢1311
営業時間:8時~16時(16時完全閉場)
受付終了時間:火気取扱い有13時、釣りのみ14時
マス釣場料金:エサ釣券・ルアー釣券ともに1枚3,300円、貸竿1本200円ほか
公式サイト:秋川国際マス釣場
秋川渓谷の代表的な景色「石舟橋」
「秋川国際マス釣場」から10分ほどで到着する「石舟橋」は、秋川渓谷の代表的な景色とも言える名所。長さ96mの歩行者専用の吊り橋です。「石舟橋」から見る秋川渓谷の景観はまだ紅葉しきっていないとは言え、美しいの一言。
川の周りには紅葉が始まっている木々が並び、きっと紅葉のベストシーズンになったら息を呑むような絶景になるのだろうと思いながら眺めていました。
石舟橋
住所: 東京都あきる野市乙津地区
釣りと自転車を楽しむ「ライド&フィッシュ」を通して、その土地ならではの景色や音、空気、食材などを自転車だからこそ感じることができました。体力に自信がなくても、E-BIKEであれば気軽に自転車で山道も楽しむことができます。より自然と触れ合える方法で紅葉を楽しむと、いつもとは違う新しい発見に出会えるかもしれません。