季節の変わり目。それはすなわち、新商品ラッシュである。ざっとコンビニの棚を見るだけでも、今は秋を連想させる商品がずらりと並んでいる。

「秋の味覚」やら「月見◯◯」やら、季節感のある限定商品にはついつい手が伸びてしまうが、中には旬の限定商品にも負けないオーソドックスな新商品の姿もチラホラ。実際に試してみると、「そうそう、こういうのが欲しかったんだ! 」と唸るようなものも少なくない。

たとえば、この秋にサントリーから発売された「こだわり酒場〈樽香るレモンサワー〉」「ほろよい〈ライムジントニック〉」はまさにそれ。“秋”推しの商品に注目が集まりがちな中で、王道の美味しさを追求したこの2つの新商品、さっそくその魅力をシェアしよう。

■ひと味違った「こだわり酒場」と「ほろよい」登場

レモンサワーとジントニック。それはまさに、サワーやカクテルとしては王道中の王道。斬新さこそないものの、そこはかとない安心感と安定感で飲み手のハートを掴んで離さない……というのが一般的な解釈のように思うが、この2商品に関しては斬新さまで兼ね備えているのだから侮れない。

ちなみに、「こだわり酒場〈樽香るレモンサワー〉」は今年の9月13日から、「ほろよい〈ライムジントニック〉」は10月11日から発売されたばかりなので、まだ手に取っていないという方も多いはず。

ではまず「こだわり酒場〈樽香るレモンサワー〉」から見てみよう。

「こだわり酒場のレモンサワー」は、“質の良い酒場で飲むような美味しいレモンサワーを届けたい“というサントリーの思いで開発されたシリーズで、その大きな特徴はふたつ。ひとつは厳選したレモンをまるごと漬け込み、果実の風味を閉じ込めた浸漬酒を使用していること。もうひとつがレモンの味わいを最大限に引き立てられるよう、原料となるお酒を複数ブレンドしていること。

実は2018年に初めて発売されたのは、炭酸などで割る用の「こだわり酒場のレモンサワーの素」だったが、それが好評で翌年に缶チューハイ版の「こだわり酒場のレモンサワー」を発売。今ではラインナップも豊富で、「こだわり酒場のレモンサワー」「こだわり酒場のレモンサワー〈キリッと辛口〉」「こだわり酒場のレモンサワー〈追い足しレモン〉」「こだわり酒場のレモンサワー〈濃い旨〉」と、アルコール度数やレモンの強みなど、好みに応じてチョイスできる。

今回新たに発売された「こだわり酒場〈樽香るレモンサワー〉」は、レモンを漬け込んだ浸漬酒とレモンピール蒸溜酒に加え、「樽」で貯蔵されたスピリッツをブレンド。「樽仕込酒」の香りと余韻を感じられるのが最大のポイントとなっているようだ。

ただ、急に「樽」って言われても、正直あまりピンとこないような……。それで大きく何かが変わるのだろうか? そう思いながら実際に飲んでみると……

これがすごく風味豊かというか、奥行きがあるというか、まったりとした味わいになっているのだ。樽の香りなのだろうが、かなり深みのあるレモンサワーに仕上がっているのである。甘みはやや控えめで、レモンの爽やかな香りも全然わざとらしくなく、すごくナチュラル。レモンピールの爽やかな苦味のようなものもしっかりと感じ取れるので、「甘いレモンサワーはちょっと……」という人でも美味しく味わえるだろう。

アルコール度数も7度とやや高めに設定されているので、しっかりお酒を楽しみたいという人にもおすすめだ。星の数ほどある缶チューハイのレモンサワーをこのようにアレンジして進化させるとは……サントリー、すげぇぜ。

続いてはこちらの「ほろよい〈ライムジントニック〉」。アルコール度数は3%と低く、あまりお酒に強くない人たちにも大人気のシリーズで、発売開始はなんと2009年。まさにサントリーが誇るロングセラー缶チューハイである。

ラインナップはめちゃくちゃ豊富で、「白いサワー」「もも」「レモみかん」「白ぶどう」「グレープ」「アセロラサワー」「シュワビタサワー」「ハピクルサワー」「カシスとオレンジ」「梅酒ソーダ」「アイスティーサワー」「グレフルソルティ」「はちみつレモン」などがレギュラーで販売されており、期間限定品フレーバーもかなりの頻度で販売されている。

今季登場したのが「ほろよい〈ライムジントニック〉」。実際に飲んでみると、ジンの味わいにトニックの苦味、ライムの風味や酸味がしっかりと効いていて本格的。すっきりした苦味の奥には、ほっとするような甘みも感じられる。

この缶チューハイの何が斬新かというと、やはりアルコール3%のジントニックがなかなか缶チューハイとして存在してこなかったという点ではないだろうか。味わいは確かなジントニックなのに、アルコール度数が低く設定されているので、そうそう酔うことがない。休日の昼下がりから飲むのにもピッタリだし、晩酌の締めにゆっくりと味わうのもいいだろう。

サントリーから発売された、定番のように見えて定番ではない新商品、そのひと味違う面白さをぜひ楽しんでみてほしい。