年の瀬が迫ってくると、何かと“その道のキング”を決めようとする催しが開かれがちだ。例えばキングオブコント、M-1、F1日本グランプリ……などなど、おそらく挙げればキリがないほど、各ジャンルの王座争いがあちこちで繰り広げられていると思われる。

そして今、「シュークリームの王様」の椅子をめぐる戦いが始まったのをご存知だろうか? 決戦の舞台はファミリーマート、戦いの名前は「地域対抗! シュークリーム王決定戦」である。

ちょっと唐突なので、「ファミマでなぜシュークリーム……?」とビックリしたかもしれないが、実はコレ、日本に住む全員が参加できる戦いらしい。ということで、さっそくその詳細をご紹介。全シュークリームの食レポも合わせてお届けしよう!

「地域対抗! シュークリーム王決定戦」開催! in ファミマ

コンビニ大手「ファミリーマート」が10月11日から、「地域対抗! シュークリーム王決定戦」をスタートさせた。

バトルのルールは簡単。全国の店舗を北日本、東日本、中日本、西日本、南九州、沖縄の6エリアに分け、それぞれのエリアで味の異なるシュークリームを一斉に販売し、総合評価で1位になったシュークリームが「シュークリーム王」として全国のファミマで発売されるという流れである。

スケールも壮大でとにかく気合が入っていることも伝わってくるが、なぜ急にファミマがシュークリームをめぐる全国規模の戦いを展開するのか。実は背景には、社員想いなファミマの社風が大きく関わっている。

というのも、ファミマは昨年から「わくわく働けるお店」をキーワードのひとつに掲げており、その一環として、ストアスタッフが商品の発案や選定に参加する取り組みを積極的に行っているのだ。

今回は、全国各地のストアスタッフからシュークリームの商品アイデアを募集し、その中から各エリアの代表となるシュークリームを6つ選出したというわけである。ちなみに、シュークリームのアイデアはなんと5852件も集まったそうだ。すごい!!

シュークリームはストアスタッフと社員が一緒になって試食を重ねて作り上げた逸品ばかりで、いずれも並々ならぬこだわりが詰まっている。全5852アイデアの中から全国発売されるのはたった1つだけなのだから、この戦いはかなりシビアだと言える。

「シュークリーム王」に輝くのは一体どのエリアのシュークリームなのか。その決戦の行方を占うために、今回は各エリアで発売されるシュークリームを全6種類食べ比べてみた!

「シュークリーム決定戦」のファイナリスト6種を食べ比べ!

決戦の舞台に駒を進めたのは次の6種類。

【北日本エリア代表】ベトナムコーヒー風シュークリーム(158円)

【東日本エリア代表】北海道牛乳を100%使ったミルクシュー(158円)

【中日本エリア代表】窯出しとろけるプリンみたいなシュークリーム(150円)

【西日本エリア代表】チョコ好きによるチョコ好きのためのチョコレートシュー(180円)

【南九州エリア代表】マロンマロンシュー(218円)

【沖縄エリア代表】ミルクティー味のシュークリーム(198円)

この名前の統一感のなさも逆にリアル。サイズも値段もバラバラだ。それではさっそく食べてみよう!

【北日本エリア代表】ベトナムコーヒー風シュークリーム

まずは北日本エリア代表のベトナムコーヒー風シュークリームからいただこう。

なるほど! コーヒーの苦味と練乳の甘みがいい感じにマッチしている。下のほうに見える白いソースが練乳カスタードクリームで、濃厚で奥行きのあるスイートさはまさに練乳そのもの。コーヒーカスタードクリームはほんのり苦味も効いており、コーヒー入りのクッキーシュー生地の苦味、香ばしさとも相まって、全体的に上手にベトナムコーヒー感が再現されている印象だ。

【東日本エリア代表】北海道牛乳を100%使ったミルクシュー

続いては東日本エリア代表の「北海道牛乳を100%使ったミルクシュー」。

こちらはめちゃくちゃミルキーで、フレッシュな牛乳の甘みや旨味が濃縮されているイメージである。ミルクシューとは直球勝負ではあるが、ミルクの風味がとても豊かで、「これぞシュークリーム!」といった味わいだ。思ったほど甘くなく、どちらかというとミルクの自然な甘みがしっかりと堪能できる。

【中日本エリア代表】窯出しとろけるプリンみたいなシュークリーム

お次は中日本エリア代表の「窯出しとろけるプリンみたいなシュークリーム」。

前のふたつと比べて一回り大きい。しかも値段も最安なので、コスパ的には優勝候補か。味はカスタードの風味が濃厚で、カラメルのほろ苦さと合わさってまさしくプリンそのもの。これはファミマの人気スイーツ「窯出しとろけるプリン」をイメージしたクリームなのだという。ボリューミーで満足度もかなり高い。

【西日本エリア代表】チョコ好きによるチョコ好きのためのチョコレートシュー

生地にチョコレートを纏ったこちらは西日本エリア代表の「チョコ好きによるチョコ好きのためのチョコレートシュー」だ。

コーティングされたチョコ生地は甘く、パリッとした食感も心地いい。生地もクリームもコーティングもすべてがチョコレートで統一されているが、絶妙な甘さに調整されているおかげで最後まで美味しく食べられる。チョコ好きにはたまらないだろう。上部に見える赤い粒はドライストロベリーで、その甘酸っぱさもアクセントとしていい役割を演じている。

【南九州エリア代表】マロンマロンシュー

南九州エリアの代表は、季節的にも旬な「マロンマロンシュー」。

名前のとおり、栗フレーバーのホイップクリームとダイス状の栗が入ったマロンカスタードクリームの二重奏で、栗の風味をたっぷり堪能できる「マロンマロン」な味わいに仕上がっている。値段が最も張るだけあって上品で高級感もあり、まさに秋シーズンのスイーツにピッタリ。ダイス状の栗が食感としてのアクセントにもなっており、十分な食べごたえも感じられる。

【沖縄エリア代表】ミルクティー味のシュークリーム

最後は沖縄エリアを代表する「ミルクティー味のシュークリーム」。

見ての通り、これまでのシュークリームの中で一番の個性派である。味もかなり個性的で、ミルクティー味のホイップクリームというのも面白いが、もちもち食感の「わらび餅風フィリング」が入っているのも嬉しい。味はまさに黒糖わらび餅といったところで、ちょうどタピオカミルクティーを連想させる仕上がりとなっている。生地は「くるみ入りクッキーシュー生地」で、香ばしいくるみのフレーバーがいいアクセントとなっている。


全6種類を食べ比べてみた結果、個人的には沖縄エリア代表の「ミルクティー味のシュークリーム」に軍配を上げたいと思った次第。優勝したら全国どこででも食べられるなあ…と思ったが、どの商品も美味しかったため、一体どれが「シュークリーム王」になるかはわからない。

優勝はツイッターを使った「国民投票」で決めるようで、「ツイッターでファミマの公式アカウントをフォローし、指定のハッシュタグとともに食べたい商品の番号を付けて引用リツイート」することで投票ができるらしい。地元のシュークリームを推すもよし、自分が住む地域ではないけれど気になる一品を推すもよし、この中で気になったシュークリームがあった人はさっそく投票してみよう!