ダイハツ工業が軽スーパーハイトワゴン「タント」をマイナーチェンジして発売した。アウトドアを意識した新モデル「ファンクロス」の登場が目新しいが、押し出し強めの「タントカスタム」がさらに迫力を増しているところも気になる。カスタムがどう変わったのかチェックしてみよう。
オラオラ感が増し、ギラギラ感が強まる
タントはスーパーハイトワゴンというジャンルを切り拓いたダイハツの軽自動車。同ジャンルは軽自動車市場の約半分を占めるほどの人気だが、ここのところタントはホンダ「N-BOX」、スズキ「スペーシア」に押され気味な状況が続いていた。
軽スーパーハイトワゴン市場では「カスタム」の争いも熱を帯びている。N-BOX、スペーシア、タントのそれぞれに「カスタム」が用意されており、ギラギラ感や押し出し感を強めた迫力あるスタイルで各社が個性を競っている。タントの販売状況としてはこれまで、標準車とカスタムが半々で売れていたそうだが、マイナーチェンジ後は標準車35%、カスタム45%、ファンクロス20%の内訳になるというのがダイハツの見立て。今後のタントの核となるカスタムがどう変わったのか、しっかり見ておきたい。
フロントではフード、バンパー、フェンダー、ランプが変わっている。フードはマイチェン前より高くなり、フロントフェイスが大きくなった。バンパーは張り出しが強くなり、迫力が増している。いわゆる「オラオラ」した感じが強まったように見える。
サイドはドアのアウターハンドルにメッキ加飾を施して質感向上を図った。リアはバンパー造形を変えて張り出しを強くし、ガーニッシュの意匠も変更している。
内装ではドアのアームレストに従来からあったメッキ部分の範囲を大きくしてある。インパネに青色を使っているのは従来通りだが、色のトーンを落として質感を上げたそうだ。シートはレザー調表皮の面積を増やし、ブルーのパイピングを入れた。シートのロングスライド機能は標準装備だったが、今回からはオプションとした。
リアシートはこれまで、背もたれをたたむと座面が沈み込む「チルドダウン」の機構を採用していたが、今回からは座面が下がらないタイプに変更となっている。
荷室には2段デッキボードを採用。これを使えば荷室を上下に区切れるので、積み込むものによっては役に立つはずだ。デッキボードの下には従来、パンク修理キットが入っていたので収納スペースとしてはほとんど使えなかったが、マイチェンで修理キットを別の場所に移したため、このスペースもちょっとしたポケットとして物をしまえるようになっている。