大井川鐵道は20日、兵庫県加東市の播磨中央公園に静態保存されていた蒸気機関車C56形135号機の動態化をめざす資金の一部を集めるため、9月20日からクラウドファンディングを実施すると発表した。
同社は日本における昭和時代の鉄道文化を伝える取組みを行い、SL列車運転のトップランナーとの評価を得るようになったが、2019年頃から蒸気機関車の車両不具合が顕在化し、電気機関車での代走が目立つようになり、SL列車運転のトップランナーの座が危うくなってきたという。
今年2月、SL列車運転の安定化とトップランナーの称号を取り戻すため、兵庫県加東市の播磨中央公園に静態保存されていた蒸気機関車C56形135号機を搬入。動態化をめざすことになった。しかし、コロナ禍の続く中、用意できる資金に限界があることから、クラウドファンディングの実施に至った。
今回のクラウドファンディングは、「蒸気機関車に再び命を、昭和の汽笛を次世代へ : 大鉄100周年企画」と題し、「READYFOR」のサイトで実施する。オールイン方式を採用し、支援金額が目標金額(1億円)に満たない場合でも、支援者へのリターンを必ず実施する。おもなリターンとして、営業列車貸切、営業一番列車乗車権利、C56形135号機の運転などを予定している。
C56形135号機を動態化させるにあたり、必要とされる経費はおよそ3億円と見込まれ、期間は未定。受付期間は9月20日から11月30日までとなっている。