日本でテスラ「モデルY」の納車がついに始まった。このクルマは今後数年、テスラで最も売れる車種になると予想される待望の1台だ。どんな人が購入したのか気になったので、納車式に行ってモデルYを受け取ったばかりのユーザーさんに話を聞いてきた。
まるで新型iPhoneの発売日? 納車の現場は熱い雰囲気
モデルYはテスラ最新のSUV。同社ラインアップの中ではコンパクトなセダン「モデル3」をベースとしており、少し横幅は気になるものの日本でも扱いやすそうなサイズ感だ。マイナビニュースでもすでにテストドライブを済ませており、レポート2本を掲載している(1本目、2本目)。
有明ガーデン(東京都江東区)にあるテスラの納車専用拠点「テスラデリバリーセンター有明」では9月8日、日本で初めてユーザーの手に渡るモデルYの納車式を開催。黒字に「Y」のロゴが入ったTシャツを着用した大勢のテスラジャパンスタッフが見守る中、最初の3台が日本の街に走り出していった。納車式というよりパーティーのような感じで、雰囲気は新しいiPhoneが出たときのアップルストア(テレビで見ただけだが)に近いものだった。
モデルYを購入したのは、どんな人なのか。最初の3台のうちの1台(白のRWD)を受け取った41歳、IT企業勤務の男性に話を聞いた。
報道陣:電気自動車(EV)を購入するのは、今回が初めてですか?
モデルY購入者:はい。メルセデス・ベンツの「Cクラス」から乗り換えました。
報道陣:テスラにした理由は?
モデルY購入者:まずは見た目が好きなのと、充電体験が優れていたので決めました。自宅に普通充電の設備はないので、公共の充電ネットワークとテスラのスーパーチャージャーで運用を頑張ってみようと思っています。そのうち、マンションのガレージにも充電設備が設置されるかもしれません。
報道陣:購入に際して試乗はされましたか?
モデルY購入者:試乗せずに購入しましたが、購入後に乗ってみました。
報道陣:ご感想は?
モデルY購入者:やっぱり、ガソリン車とは全く乗り心地が違います。特に、加速と静かさが違うと思いました。楽しいなと思ったんですが、時間が短くて、まだ楽しみ切れてはいないです。
報道陣:OTAで後から機能を追加できるところに魅力は感じますか? どんな機能に期待していますか?
モデルY購入者:IT業界で働いているので、機能をアップデートできるところには魅力を感じますね。期待しているのは自動運転関連で、早く進化してほしいと思っています。まだ日本ではそこまで使えないと聞いているので、「フルセルフドライビングケイパビリティ」のオプションは付けませんでした。
報道陣:なぜEVにしようと思ったんですか?
モデルY購入者:もうすぐ2人目の子供が生まれることもあり、「次の時代のクルマ」に乗ったほうがいいんじゃないかなと思ったんです。
報道陣:EVについては航続距離が不安だとの声があります。そのあたりの心配は?
モデルY購入者:いやー、どうですかね。そんなに考えたことないです。
報道陣:ご旅行に出かけるとか、普段の行動範囲とかを考えた場合、例えばフル充電で400kmちょっとしか走らないとすると、不安じゃないですか?
モデルY購入者:でも、その範囲内には必ずスーパーチャージャーがあるはずですから、大丈夫だと思います。充電インフラは増えていくと聞いていますし。
報道陣:EVにすると、ガソリンスタンドで給油する必要が無くなりますね。
モデルY購入者:そこは魅力ですね。セルフのスタンドが増えていますけど、自分で給油することって、楽しいわけではないので。Twitterなんかを見ていると、テスラのユーザーさんたちからはスーパーチャージャーに充電に行くことが楽しいという声も上がっていますよね。
報道陣:ほかの車種と比較検討しましたか?
モデルY購入者:しませんでした。子供が2人になることを考えると、モデル3は候補に入らなかったので。他社のEVについては、充電ネットワークが少し弱いかなと感じました。ヒョンデの「IONIQ5」も見には行って、クルマ自体はいいなと思ったんですけど、やっぱりテスラは充電ネットワークが魅力です。
報道陣:日本製EVは選択肢に入りませんでしたか?
モデルY購入者:例えば日産自動車「アリア」もありますけど、オーダーしてもしばらく届かないようでしたし、やっぱり充電ネットワークが気になります。