値上げが止まりません。2022年8月19日発表の2022年7月分消費者物価指数によると、食料品は4.4%、水道光熱費は14.7%前年同月比で上昇しました。

また帝国データバンクの調査によると、8月は2,400品目、10月は年内最多の6,000品目超の値上げが予定されており、値上げラッシュはまだまだ続きそうです。再々値上げになった商品も多く、2022年は値上げに始まって、値上げに終わる年になりそうです。

主な「値上げ」をチェック

食料品価格が上がり続けている主な要因としては、小麦や油脂(大豆など)、原油価格の世界的な高騰に加えて、急激な円安による輸入コストの上昇です。

値上がりしやすい食料品は、原材料では小麦粉や油脂類、それらを加工した加工食品(冷凍食品、インスタント麺、ハム・ソーセージ、水産加工品など)、菓子(スナック菓子、チョコレート、アイスクリームなど)、調味料(ドレッシング、マヨネーズ、だし製品など)、飲料(チューハイ、ビール、発泡酒、炭酸飲料など)などです。

主な値上げ(内容量を減らした実質値上げも含む)は以下の通り。

9月

菓子

  • 江崎グリコ(ポッキーなど) 約3~24%値上げ
  • 湖池屋(カラムーチョなど) 約4~9%値上げ
  • カルビー(ポテトチップスなど) 約10~20%値上げ
  • ロッテ(パイの実など) 約3.8~14.3%値上げ
  • チロルチョコ(チロルチョコ) 22円→25円、40円→45円

アイス

  • 赤城乳業「ガツン、とみかん」(スティック)151円→162円
  • 井村屋「あずきバー」75円→86円

食用油

  • Jオイルミルズ(マーガリン) 約15~20%値上げ
  • 雪印メグミルク(マーガリン) 約6.7~14.5%値上げ

カレールゥ、レトルト製品など

  • エスビー食品 平均5.0~9.7%値上げ

冷凍食品

  • 日清製粉ウェルナ 約9%値上げ

缶詰など

  • マルハニチロ(ほたて缶など) 約5~25%値上げ
  • はごろもフーズ(シーチキンなど) 約3.3~31.6%値上げ

チーズ

  • 雪印メグミルク(6Pチーズなど) 約3.3~9.1%値上げ

飲料(コーヒー)

  • ネスレ日本 約9~27%値上げ
  • 江崎グリコ(カフェオーレなど) 約3~24%値上げ

酒類

  • 霧島酒造(黒霧島などの芋焼酎) 約2~11%値上げ

家電

  • Panasonic(ドライヤー、ブルーレイプレイヤー、ラジオなど)約2~33%値上げ
  • ソニー(ブルーレイレコーダー、デジタルカメラ、ウォークマンなど)約8%値上げ

10月

菓子

  • 赤城乳業「赤城しぐれ」(カップ)「練乳最後まで赤城しぐれ」108円→118円
  • アサヒグループ食品「ミンティア」「1本満足バー」など 約2~13%値上げ

ハム・ソーセージ

  • 伊藤ハム ハム・ソーセージ、調理加工食品 計221品目 3%~30%の値上げまたは内容量変更
  • 日本ハム「シャウエッセン」などハム・ソーセージ、加工食品 2%~34%の値上げまたは内容量変更
  • 丸大食品 ハム・ソーセージ、調理加工食品 計350品目 5%~30%の値上げまたは内容量変更

調味料

  • 味の素 「アジシオ」(100g)97円→104円
  • キユーピー(マスタード、パン用スプレッド、タルタルソースなど) 約2~20%値上げ
  • キッコーマン 本みりん、料理清酒、みりん風調味料など41品目 約4~11%値上げ

カレー

  • 大塚食品「元祖ボンカレー」248円→270円

チーズなど

  • 明治(チーズや菓子) 最大15.5%、または内容量変更
  • 森永乳業「クリープ」(265g)646円→713円

飲料

  • コカ・コーラ(ペットボトルやボトル缶など小型パッケージ製品)6%~18%値上げ
  • アサヒ飲料(「三ツ矢サイダー」「カルピス」「ウィルキンソン」「十六茶」など)約4~16%値上げ
  • キリンビバレッジ(「午後の紅茶」「生茶」「キリンレモン」などのペットボトル入り商品及びボトル缶入り商品)約6~25%値上げ
  • 大塚食品「クリスタルガイザー」(700ML)129円→150円
  • 不二家「ネクターピーチ」など約7~17%値上げ
  • サントリー(ミネラルウォーター、コーヒー、炭酸飲料など計165品) 6~20%値上げ
  • 伊藤園(茶葉)5~7%値上げ

  • サントリー(「ザ・プレミアム・モルツ」「金麦」「こだわり酒場のレモンサワー」「角ハイボール樽詰」「オールフリー」など酒類、ノンアルコール飲料)
  • キリンビール(「一番搾り」「淡麗グリーンラベル」「本麒麟」「氷結」など)
  • アサヒビール(「スーパードライ」「贅沢搾り」「ドライゼロ」など)
  • サッポロビール(「サッポロ生ビール黒ラベル」「ヱビスビール」など)

その他

  • 岩谷産業(カセットコンロ、カセットガス) 約5~20%値上げ

この他、10月からは加熱式たばこの値上げも予定されており、加熱式タバコの「メビウス」などが600円となります。

値上げ対策10

し好品を見直す

お菓子や飲料、酒、たばこといったし好品の値上げが目立ちます。原材料や包装資材など製造コストの値上がりが主な値上げの理由です。し好品は生活に潤いを持たせる効果がありますが、優先順位で考えるとそこまで高くはありません。し好品から買うと、予算内に収まりにくくなってしまうため、優先順位が高い食材から買うようにしましょう。

酒、たばこはセットになることが多く、さらにおつまみなど加えると、家計に対する負担も大きくなりがちです。家計に余裕がない場合は、まずはここから減らしていき、その分を必要な出費に充てるようにしましょう。

例えば、ビール1本250円、たばこ一箱600円、おつまみ200円、合計1050円とした場合、30円のもやしが35袋も買える計算になります。

し好品は消えものと言われ、消費してしまうと何も残らないことと、習慣化されているためそのムダに気が付きにくいものです。今一度レシートを見直してみてもやしや他の食材など身近なお金に換算してみてはいかがでしょうか。

外食は特別な日に

外食も値上げ傾向にあります。今までと同じペースで利用すると、出費が増える原因に。誕生日や祝いごとなど特別な日のために予算を残しておきましょう。

例えば家族4人で外食へ行くと、ファストフードで3,000円〜4,000円、ファミレスで6,000円〜8,000円くらいかかります。ちょっと嫌な考え方かも知れませんが、パートの時給何時間分かな? その時給分を払う価値がこの外食にあるのか。など考えてみるといいでしょう。

そしてまた、できるだけ外食へ行かないようにするための対策を取りましょう。例えば、週末に家族総出で買い物へ行くと、つい外食の誘惑に負けてしまいそうになるなら、買い物はネットスーパーで配達してもらい、浮いた時間で調理をする。また家族で買い物へ行く場合は、炊飯器のタイマーをセットしておき、家に帰れば炊き立てのご飯が待っている状態にしておきましょう。そして、滞在時間が延びるほど、さまざまな誘惑と戦うことになります。買い物を手早く終わらせるように、買う物のメモを取り、回るお店の順路まで考えておくといいでしょう。

米食中心の自炊をする

自給率ほぼ100%かつ価格が安定している米をメインに自炊をしましょう。冷凍のチャーハンより、残りご飯でチャーハンを作れば、1人前あたり50円程度で済みます。 また、これから新米が出回りますが、昨年のものなど古米と言われるものはより手ごろな価格で購入することができます。注意点としては保存方法がしっかりしている専門店から購入するとよいでしょう。

自炊には節約食材を取り入れる

肉、野菜、玉子など価格が安定している食材を使う
肉は……鶏胸肉、豚こま肉、ひき肉
野菜……旬の野菜やもやし、豆苗、きのこ類
他……玉子、大豆製品など

食料品が値上がりしていますが、値段が安定している食材を選んで自炊をしましょう。現在、肥料価格が高騰しているため、今後野菜の価格が値上がりする可能性があります。家庭菜園をしたり、自分で安く買った野菜をホームフリージングしておくと、食費の助けになるでしょう。

PB商品、セール品、見切り品、業務用を使い分ける

PB商品も徐々に値上げされていますが、メーカー品と比べると値上がり幅はゆるやかです。こだわりがない調味料などはPB商品がおすすめです。また、その日限り、数量限定の商品は集客用に安くなっているため狙い目です。し好品ではない、食材の見切り品を自炊に取り入れることで、さらにコストダウンができるでしょう。

また、食材などによっては業務用も取り入れるといいですね。ただし、業務用は単価も高くなることと冷凍庫など保管をするスペースが必要となるため、予算とスペースを考えてから購入しましょう。

食材を最後まで無駄なく食べきる

せっかく買った食材も使い切れなければ、無駄になります。残った食材を使っておかずを作ったり、おかずをリメイクするなど最後まで美味しく食べる工夫をしましょう。料理アプリなどを活用すれば、かんたんにレシピの提案を受けることができます。レパートリーが少ない、おかずがマンネリ化しているときにもおすすめです。

クーポン、お友達登録割引などを活用する

よく利用するスーパーやドラッグストア、ディスカウントストアのアプリがあれば、インストール、会員登録をしておくと、お得な情報やクーポンが配布されることがあります。また、LINEのお友達登録をすることで割引クーポンがもらえることがあります。

クーポンがあるからと無理な買い物をするのはムダのもとです。必要なものを買うようにしましょう。

キャッシュレス決済でポイ活する

支払いはキャッシュレス決済を活用して、ポイントの2重、3重取りをして少しでもポイントを貯めて、貯まったポイントでお買い物をする循環型のポイ活をしましょう。例えば、楽天ペイに楽天カードから楽天キャッシュへチャージをして、楽天ペイの支払いを楽天キャッシュで支払うことで、1.5%のポイントが還元されます。そしてそのお店で楽天ポイントが200円で1ポイント貯まるのであれば、合計2%のポイント還元率になります。

ただし、クレジットカードなどキャッシュレス決済を使い過ぎてしまう場合は、無理をせず現金管理にして、予算内に納めるようにしましょう。

ふるさと納税を活用する

お米、牛肉、フルーツが人気の返礼品ですが、野菜や日用品といった家計の足しになる返礼品を選ぶ人が増えてきています。我が家の今年の返礼品は、野菜、砂糖、トイレットペーパーといった実用性重視で選んでいます。9月には寄付金額5500円の玉ねぎ10㎏が届く予定です。

値上げ前に買っておくもの・買わないものを見定める

缶詰など常温で保存ができ、日持ちがして非常食になるものは買っておいてもいいでしょう。ただし、ツナ缶やサバ缶、トマト缶といった調理しやすい缶詰がおすすめです。

他にはインスタントラーメン、栄養補助食品、水といった災害時にあるとよいものを、ローリングストックで備えておきましょう。

調味料は消費期限を確認しながら、食用油とマヨネーズは今後も値上がり傾向にあるため、使う頻度が高いのであれば多めに買っておいてもよさそうです。

し好品や日持ちがしないものは、飲み過ぎ、食べ過ぎの原因にもなるため、まとめ買いはしなくてもよいでしょう。

まだまだ値上げは続きますが、これ以外にも固定費や水道光熱費、通信費など家計全体を見直して、年末年始の予算を少しでも増やしておきましょう。