モデルで女優の紺野彩夏が、東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『個人差あります』(毎週土曜 23:40~)での撮影のエピソードや共演者の印象を語った。

  • 白洲迅、紺野彩夏=東海テレビ提供

同作は、日暮キノコ氏が『モーニング』(講談社)で連載した『個人差あり〼』を原作に、妻の苑子と暮らすサラリーマン・磯森晶の身体的性別が変わってしまう「異性化」を通して、夫婦や恋愛の多様なあり様を描くラブストーリー。主人公・晶役は、異性化前の男性を白洲迅が、異性化した女性を夏菜が2人で1役を演じ、晶を支える妻・苑子を新川優愛が演じている。

紺野が演じるのは、晶がよく買い物をするドラッグストアの店員・横山真尋。外では無愛想な対応に終始しているが、晶に自分も「異性化」していることを告白し、次第に心を開いていく。第4話では、異性化した人間がもとの性別に戻る“リバース”を恐れ、苑子の誘いに応じることができなかった晶だが、2人はとうとう一夜を共に。しかし翌朝、再び女性の姿に戻った晶を前に苑子は男性の姿に戻った原因が浮気だったと気づいてしまう。

紺野のコメントは以下の通り。

■紺野彩夏

――「異性化」で女性の姿になった真尋の印象は?

お話を頂いた時には、端的に言うと、見た目は女性で中身は男性にならなくてはいけないので、もちろん理解はできずに、とても難しいと思いました。でも今は、抱えているものがたくさんありながらも必死に生きている真尋が愛おしいと思っています。

――演じるうえで意識していることは?

真尋は自分のテリトリーに入ると雑になる人です。知らない人には女性として生きていますが、家の中や自分を知っている人と話す時は素に戻るので、その時は喋り方や仕草を変えています。足を広げて座ってみたり、いい意味で雑な感じが出るように、監督と相談しています。

――難役を演じる大変さは?

いい意味で、大変さはありません。それよりも今まで演じたことのない役をやれているという充実感があり、とても楽しいです。私は何事も挑戦するのが好きなので、真尋をきっかけに自分の演技の幅を広げられるチャンスをいただけたこと、感謝しています。 

――「多様性の時代」と言われる昨今、このドラマをきっかけに考えることはありましたか?

元々、私はそれほど性別を気にして生活をしていないかもしれないです。どのような形でも、対“人”という接し方で、もしかしたら私たち世代はそういう人も多いのではと思います。ただ、今回のお話をきっかけに、葛藤を抱えて生きている方もたくさんいらっしゃるというのを改めて認識しました。だからこそ、このドラマは今の時代に刺さる話だと思います。

――印象に残っているシーンは?

真尋の部屋でのシーンが何回かあるのですが、晶に対して強く出ていたり、普段はこういうことを考えて生きているという場面であったり、何話の……という括りはないのですが、部屋のシーンはとても印象深いです。真尋はサッカー部だったので、そういう感じも出るといいなと奮闘しました。

――視聴者にメッセージをお願いします。

毎回大切なシーンがあって、それが真尋の時や晶、苑子さんの時など、登場人物のいろんな人の思いが交差していて、毎週、本当に見逃せないと思います。多様性の時代だからこそ、響くものがあると思いますので、性別や年齢問わずに多くの方にご覧頂けたら嬉しいです。