暑いから買い物に行きたくない! そんな日こそ防災食。普段から食べ慣れていれば、いざという時に慌てない。「防災グッズの品ぞろえは日本トップクラス」という東急ハンズで行われた防災食試食会の内容を紹介したい。
異業種参入で防災食が大進化
9月1日の防災の日を前に、東急ハンズ渋谷店で、防災食の試食会が行われた。
地震や巨大台風、コロナ禍による外出自粛などの影響もあり、防災食や非常食への社会的関心が高まっている。防災食を1つ2つ買って、備蓄しているという人は増えたかもしれない。でも、買って安心しているだけではダメ。いざという時に食べるとして、「水やお湯が必要」「出来上がるのに15分もかかる」といった予想外のことがあるかもしれない。
また、最近では、製造やパッケージの技術が上がり、日常的な食事としても十分おいしい防災食も珍しくない。永谷園、カレーハウスCoCo壱番屋、ギンビスといった、食品メーカーや外食産業などの異業種からの参入が増えているのだ。非常時に「おなじみの」ブランドの食事ができることのありがたさは想像に難くない。
防災士の資格を持ち、東急ハンズでバイヤー職を担当する大仲秀孝さんは、リモートワークの時は防災食を食べているそうだ。なるほど、こんな風に日常使いしていれば、いざという時に慌てないのだろう。仕事や家事で忙しい時でも手間なく食べられるし、防災食って優秀だ。
主食、おかず、デザートまで防災食フルコース
開封し紙食器に盛り付けて並べてみた。家族や友人と試食会を開くのも楽しそう。
ご飯やパン、麺などの主食は手っ取り早くお腹を満たしてくれる頼もしいヤツだ。永谷園のお茶漬けの防災食バージョンやパンの缶詰、インドのビリヤニ、インドネシアのナシゴレンなど、なんでもある!
もちもち食感のきしめんやパスタは、食べて驚くクオリティー。多めに買っておきたい。
ご飯などの主食には副食、いわゆるおかずを添えて、非常時でもできる範囲で食の楽しみを忘れたくない。カレー、牛丼の具など、副食の種類もなかなかのものだ。普段の食事で「もう1品欲しい」という時にも良さそう。とはいえ、切らしてはいけない。食べたら買い足す「ローリングストック」の習慣が重要なのだから。
こちらは、防災専門のものではないが、常温で製造日から5年6ケ月保存できる一品。
迫力あるハンバーグはその名も「自衛隊員に人気!! 煮込みハンバーグ」で、115gもある。白いお皿に盛り付け、ほうれん草やにんじんなどの野菜を見栄え良く添えれば、献立の主役を張れる。珍しいものでは、大豆ミートの牛丼の具。ミートフリー志向ならずとも、普通に美味。
おいしいデザートも欠かせない。和のスイーツも、洋のスイーツも防災食でいける! 缶詰のケーキと、水を加えるだけでぷるるん食感になる餅などをいただいた。
備蓄食、行動食、避難食を使い分け
最近、防災の世界で「在宅避難」という言葉が浸透してきた。災害が起きても自宅での生活が危険でない場合、自宅で避難生活を続けるということだ。
大仲さんは、「いざ避難となると、『今にも荷物を持って出なきゃいけない』と焦る方は少なくないと思います。しかし、自宅が安全であれば、そのまま自宅で避難をすることを自治体も推奨しています」と説明する。
在宅避難中は、電気やガスなどのライフラインが止まっても、ガスコンロを備えていればお湯が沸かせる。こういった時に活躍するのが、「備蓄食」。自宅なので調理の自由度は高い。逆に避難所へ行くならば、素早くカロリーを摂取できる「行動食」を移動中に食べ、避難所では調理がいらず、ニオイが少ない「避難食」を選択する。
防災の日が近づくとスーパーなどで、防災グッズの特設コーナーが作られるが、東急ハンズは常に本気。ここで紹介した品はほぼすべてそろう!