近ごろ、起業する女性を多く目にするようになったと思いませんか。働き方が多様になり、在宅でできる、また、家事や育児と両立できる仕事が増えたことも影響しているのでしょう。特に、一人で始められる「一人起業」には熱い視線が注がれています。
そこでこの記事では、女性の一人起業におすすめの仕事を5つご紹介します。一人起業を成功させるポイントやメリット、デメリットも解説しましたので、起業に興味のある女性はぜひご覧ください。
■一人起業の概要
一人起業(ひとり起業)とは、その言葉の通り、一人で起業することです。一人起業には、個人事業主になる、もしくは、会社を設立するという2つのパターンがあります。
個人事業主とは、個人で事業を営むことで、基本的に、税務署に開業届を提出するだけで始められます。手続きは簡単ですが、所得とともに税率が上がっていきます。
一方、会社を設立するには、法務局に法人登記の手続きを行います。その他にもやるべきことは多く、個人事業主と比べて手続きが煩雑です。
なお、会社を設立するというと、「従業員を雇う必要があるのでは」と考える人がいますが、自分一人で会社を作ることも可能です。社長が一人で経営している会社のことを、「一人会社」と呼びます。
一人で起業する時、個人事業主と法人のどちらにすべきか迷いますが、はじめから大きな利益を見込める場合は法人を選ぶといいでしょう。一方、まずは個人事業主で開業し、事業が大きくなってきたら法人化(法人成り)する人も多くいます。
一つの基準として、売上から経費を引いた所得が年間600~800万円くらいになったタイミングで法人化すると、税金がお得になる可能性があります。個人事業主から始め、「いずれは法人化を考えている」という人は、このくらいの所得を法人化の目安にするといいでしょう。
■女性が一人起業を成功させるポイント
次に、女性が一人起業を成功させるポイントを4つご紹介します。
1.女性ならではの視点を生かす
起業する際には、ぜひ「女性ならではの視点」を取り入れてみましょう。女性の悩みを解決する提案、女性から共感が得られるサービス、商品の提供など、女性の視点を大事にすると、さまざまなアイディアが沸いてくるはずです。
今の時代、女性のニーズをうまくくみ取り、ビジネスにつなげることは大変重要です。女性起業家として、その武器を最大限活用していきましょう。
2.得意なこと、やりたいことを明確にする
起業してビジネスを成功させるためには、自分の得意なこと、やりたいことを仕事にするのも大事な要素です。「稼げそう」という理由で興味のない仕事を始めても、モチベーションが続きませんし、困難があった時に乗り越えることができないかもしれません。
起業する前に、自分は何が得意でどんなことをやりたいのか明確にしておきましょう。そのうえで、
・自分は何が提供できるのか
・社会のどのような課題を解決したいのか
・起業によって何を成し遂げたいのか
これらについても書き出しておくと、自分が心から取り組みたい仕事を形にできるはずです。
3.ビジネスの勉強をする
起業はビジネスをするということであり、ビジネスの成功には勉強が欠かせません。特に、最近はインターネットを使った集客が一般的です。どのようなビジネスを行うにしても、SNSやWebマーケティング、コンテンツ制作などの勉強は必要でしょう。
今の時代、起業を成功させるには、こうしたインターネットに関する勉強や情報収集は外せないものと心得えておきましょう。
4.人脈づくりをする
パソコンやインターネット環境があれば起業できる時代になりましたが、ビジネスにおいて、人と人とのつながりが大切であることに変わりはありません。ビジネスを成功させるためには、人脈づくりも意識しましょう。
一人起業の場合は特に、一人で仕事を行うことで孤独になりがちですし、女性起業家は、男性の起業家に比べるとまだまだ少数派です。ビジネスの情報交換や悩み相談ができる人脈を、積極的に構築していきましょう。
■一人起業のメリット、デメリット
では、一人起業には、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。それぞれ3つずつ解説します。
<メリット>
1.仕事によってはすぐに開業できる
一人起業1つめのメリットは、仕事によってはすぐに開業できる点です。たとえば、店舗や大がかりな設備のいらないWebライターのような仕事なら、パソコン一台あればその日からスタートできるでしょう。個人事業主なら、手続きも比較的簡単に済みます。
また、一人起業は自分一人で仕事内容を決められますので、複数人で起業する場合のように、さまざまなすり合わせをする必要がありません。身軽に起業できる点は、一人起業の良さです。
2.働く時間や場所を自由に決められる
働く時間や場所の自由度が高い点も、一人起業のメリットです。会社に勤める場合、通常は、会社へ出勤し決められた時間内に仕事をしなければなりません。複数人で起業する場合も、時間や場所を決めて働く必要があるでしょう。
しかし、一人起業なら、それらを自分の都合で自由に決めることができます。たとえば、「在宅で、家事や育児の合間だけ働く」という選択も可能です。自分のライフスタイルに仕事を合わせられるのは、一人起業ならではの大きな魅力でしょう。
3.たくさん働き収入を増やせる
一人起業は自分で働き方を決められますので、家事や育児を優先して少しだけ働くという選択もできる一方、たくさん働きその分多くの収入を得ることもできます。
「仕事を頑張って、高収入を得たい」という人にとって、一人起業はモチベーションの上がる働き方ではないでしょうか。
<デメリット>
1.プライベートとの区別がつきにくい
時間や場所を自由に働けることは、一人起業のメリットですが、裏を返せば、「仕事とプライベートの区別がつきにくい」とも言えるでしょう。会社員のようにオンとオフをはっきりさせられない点は、一人起業のデメリットです。
また、就業時間が決まっていないことで、際限なく仕事をしてしまい、体調を崩す恐れもあります。一人起業をするなら、自己管理を怠らないことも大切な仕事の1つです。
2.多くの作業を一人でこなす必要がある
一人起業では、業務のほか、経理などの事務作業も一人でこなさなければなりません。そのため、必要最低限の税務、経理の知識は身に付けておく必要があるでしょう。それらの作業を外注することもできますが、その分費用がかかります。
また、会社員や複数人で起業する場合と異なり、全て自分一人で決断しなければならない大変さもあります。事業が行き詰った時、相談相手がいなくて困るかもしれません。一人起業を目指すなら、一人でやるべきことの多さや大変さを覚悟しておきましょう。
だからこそ、起業家の人脈を作る、コミュニティに参加するなどし、悩みを打ち明けられる相手を見つけておくことも大切です。
3.自分の代わりがいない
一人起業で最もデメリットとなるのが、何らかの事情で働けない場合、自分の代わりになる人がいないという点です。病気やケガのほか、トラブルで出張先から戻れず、次のアポイントや納期に間に合わないケースなども考えられます。
そうした事態になった時にはどう対応すればいいのか、事前によく検討しておくことが必要です。
■女性の一人起業に向く仕事5つ
最後に、女性の一人起業にオススメの仕事を5つご紹介しましょう。
1.インターネットビジネス
インターネットを使った仕事なら、自宅で手軽に始められます。その多くは時間の縛りがないため、在宅で、ライフスタイルに合わせて働きたい人には最適でしょう。
インターネットビジネスには、Webライター、アフィリエイト、コンテンツ販売、ECサイト運営などがあります。その他にも、インターネットでできる仕事は多数ありますので、好きな時に働きたい人は、ぜひ自分に合うものを探してみましょう。
2.物販ビジネス
物販ビジネスは、初心者でも比較的成果を出しやすい仕事の一つです。仕入れ値と販売価格の差額で利益を得る「せどり」のほか、メーカーに自社商品を製造してもらい販売する「OEM」、国内の商品を海外で売る輸出など、物販にもさまざまな種類があります。
物販は、仕入れから販売まで全てインターネット上で完結させることも可能ですので、こちらも、在宅で仕事がしたい女性に向いているビジネスです。
3.サロン
ネイルサロンやエステサロン、リラクゼーションサロンなど、サロンの運営も女性の一人起業に向いているでしょう。最近では、美容に関心のある男性も増えていることから、より需要の伸びている仕事とも言えます。
また、特にエステサロンの場合、高額な機械が必要というイメージがありますが、はじめは機械を導入せず、技術のみで施術していくことも可能です。
4.講師業
「人に教えられるくらい得意なものがある」という人には、講師業がオススメです。着物の着付けやパソコン、料理、ピアノ、ヨガなど自分の特技を生かした起業も考えてみましょう。育児経験があるなら、ベビーマッサージ、子育てアドバイスなど、育児に関するビジネスも候補に挙がります。
講師業は自宅や貸しスペースで行うほか、最近では、オンライン上での講師業も非常に増えています。オンライン上で講師をするなら、「タイムチケット」「ココナラ」などのスキル販売サイト、オンライン講座を提供できる「ストアカ」などを利用してみましょう。
5.ハンドメイド
アクセサリーや小物、洋服などの制作が好きなら、ハンドメイドの販売をしてみましょう。「minne」「Creema」などハンドメイド販売サイト、ネットショップで売るほか、自宅の一部を店舗とすれば、実店舗販売も可能です。
なお、集客にはSNSが大きな力を発揮しますので、必ず活用しましょう。
■一人起業を目指してみては
共働きが当たり前の世の中になったものの、「家事や育児は女性のもの」という考えは根強く、働くことをあきらめてしまう女性もまだ少なくありません。しかし、今はさまざまな働き方が選択できる時代になりました。
一人起業のように一人で始めるビジネスなら、自分の生活に合わせて自由な働き方が可能になります。もちろん、ビジネスである以上、必ず成功するとは限りませんが、一人起業のお手本となる女性はたくさんいます。そのような女性の姿から学び、ご自身も起業を目指してみてはいかがでしょうか。