フォースタートアップスは8月24日、「スタートアップエコシステムにおける投資・資金調達に係る実態調査」の結果を発表した。同調査は5月30日~6月15日の期間、VC/CVC・事業会社・スタートアップ企業200社を対象に、インターネットで実施した。

  • スタートアップ企業の46.3%が資金調達時に求めるアセットは、「営業活動(顧客紹介など)」と回答

スタートアップ企業に、資金調達時に求めるアセットを尋ねたところ、46.3%が「営業活動(顧客紹介など)」と回答した。事業会社に、大手企業側としてスタートアップに提供できるアセットを聞くと、「営業活動(顧客紹介など)」と回答した割合は31.5%で、お互いの期待にギャップがあることがわかった。

VC/CVCに投資先の支援にどの程度関わるのか聞くと、33.3%が「戦略策定」と回答した。事業会社の10.1%よりも20%以上高い結果となっている。

VC/CVCに、投資したいまたは興味のある事業領域・業界について尋ねると、「コンピューターソフトウェア」が最も多く、一方で事業会社は「医療・ヘルスケア関連」が最も多くなっている。事業会社は、本業との事業シナジーを追求したストラテジックリターンを重視する傾向にあることもわかった。

  • 投資したい事業領域、CVC/VCは「コンピューター・ソフトウェア」、事業会社は「医療・ヘルスケア関連」が1位

スタートアップ企業に、資金調達活動において投資家と接点を持つための手段を聞くと、最も多い回答は「出資元や繋がりのあるVCからの紹介」(59.7%)だった。「証券会社からの紹介」(7.5%)を合わせた紹介を通じて投資家との接点を持つ割合は約7割だった。

投資家側のVC/CVCに、資金調達ラウンドにおいて、投資先の候補を見つけ、実際に投資するまでどのくらい時間がかかるか尋ねると、60.0%が「1カ月~3カ月」と答えた。1カ月以内での投資も含めると約6割が、3カ月以内に投資していることになる。

  • スタートアップ企業、資金調達にかかる時間は3ヶ月以内が63.3%

スタートアップ企業に、投資家と接点を持つまでの課題を聞くと、43.3%が「多くの投資家と会うための効率的な活動ができていない」と答えた。25.4%は「調達活動に時間が取れない」と答えている。

  • 43.3%のスタートアップが、投資家と会うための効率的な活動ができていない

スタートアップ企業に、資金調達や外部企業とのアライアンス活動において使っている時間を尋ねると、32.8%が「1~2時間/日以下」、25.4%が「1時間以下/日以下」と答えた。22.4%は「時間はとっていない」と答えており、約5割のスタートアップ企業は月20時間未満と少なかった。

  • 資金調達や外部企業とのアライアンス活動において使っている時間