帝国データバンクは8月22日、「企業の今後1年の値上げに関する動向アンケート(2022年8月)」の結果を発表した。調査は8月12日~18日、1,401社を対象にインターネットで行われた。

  • 企業の値上げ動向(複数回答)

    企業の値上げ動向(複数回答)

自社の主な商品・サービスの値上げ動向について尋ねたところ、2022年8月以降に「値上げした/する予定」の企業は31.4%となり、「2022年4~6月の間にすでに値上げした」および「2022年7月にすでに値上げした」企業と合わせると、「値上げ実施済・予定」企業は69.6%と約7割に。

また、6月に実施した同様の調査と比べて、「2022年10~12月ごろに値上げ予定」の企業は7.4ポイント上昇。他方、「今後1年以内で値上げする予定はない」は8.6%、「値上げしたいが、できない」は14.3%だった。

  • 企業の値上げ動向〜主な業種〜

    企業の値上げ動向〜主な業種〜

2022年8月以降に値上げする予定の企業を業種別でみると、「化学品製造」で47.9%と全体(31.4%)を16.5ポイント上回っている。また、「飲食料品卸売」(47.3%)や「飲食料品・飼料製造」(46.4%)などにおいても値上げが続くとみられ、なかでも値上げの勢いが増す2022年10~12月において、「飲食料品卸売」では34.5%の企業が値上げを行う予定となっており、全体(16.7%)を大幅に上回っている。

一方で値上げしたいもののできない企業の割合をみると、「運輸・倉庫」(34.2%)、「情報サービス」(27.9%)、「不動産」(23.8%)で全体(14.3%)を大きく上回っており、企業からは、「食品運送業であるが、荷主企業も資材コスト等の上昇で値上げ要請を受け入れてもらえない」(一般貨物自動車運送)や「他社と相見積を取られることが多く、値上げすることで契約が取れないことが多い」(ソフト受託開発)といった声が寄せられ、他社との競合から値上げがしにくい状況や値上げの交渉が困難になっている様子がうかがえた。

  • 値上げ回数

    値上げ回数

次に、2022年1月〜同調査回答時点までの値上げ回数について尋ねたところ、有効回答のうち「0回」が33.5%、「1回」が40.7%という結果に。また、「2回」(14.9%)、「3回」(5.2%)など、約4社に1社(25.8%)が複数回の値上げを行っていることがわかった。