エムステージホールディングスは8月10日、「医師の燃え尽き症候群(バーンアウト)」に関する調査結果を発表した。調査は8月2日~8日、医師求人サイト「Dr.転職なび」および「Dr.アルなび」に登録する会員医師584名を対象に、WEBアンケート方式にて行われた。

  • 燃え尽き症候群と思われる状態になったタイミング

    燃え尽き症候群と思われる状態になったタイミング

医師として働き始めてから、「燃え尽き症候群(バーンアウト)」と思われる状態になったことがあるか聞いたところ、42%が「ある」と回答。タイミングとしては、「専門医の取得後」(20%)、「初期研修時」(20%)、「後期研修時」(16%)が多かったほか、「新型コロナの感染拡大」による影響でなったという人も。

  • 燃え尽き症候群の原因

    燃え尽き症候群の原因

また、燃え尽き症候群になった原因については、「業務量の多さ」(161件)、「長時間労働」(139件)、「十分な休日を確保できない」(133件)、「上司や先輩医師との人間関係」(120件)に回答が集中。具体的に聞くと、以下のようなコメントが寄せられた。

  • 「当直が週3回あったのがきつく、涙が止まらなかった」
  • 「1週間で7時間しか寝ていない仕事が続き、救命できてもうれしいとは思えなかった」
  • 「研修医一年目なんて休みは全くなかった。夜中に家にいると輸血を外してくれとかコールが来たりした。あほくさくなって一週間逃避旅行した」
  • 「ほぼ専門医、指導医資格を取得して、もう充分と思った」
  • 「一人病院教授で、業務と責任が集中」
  • 「土曜日の一人外来にコロナ患者が集中」
  • 「コロナに感染した。もう嫌だと思った」
  • 「担当入院患者に罵られ診療・医療の意思が無くなった」
  • 「プライベートが破綻した」
  • 「看護師への心ない言動が続いた」
  • 「上司同士の派閥争いに巻き込まれストレスの吐口にされたり、看護師さんからの集団いじめに合い、もうほんの少しも頑張れなくなった。それでも患者さんが途切れる事はないので、一人でゆっくり泣く時間さえ取れず、精神的におかしくなってしまった」
  • 燃え尽き症候群になった時に起こした行動

    燃え尽き症候群になった時に起こした行動

次に、燃え尽き症候群になった際にどのような行動をしたかを質問したところ、「何も対応せず、そのまま勤務を続けた/続けている」が最も多く42%。一方で、2番目に多い回答は「退職し、別の勤務先へ転職した」(36%)となり、行動を起こした医師の中では、退職・転職を選んだ医師が多くいることが明らかに。

また、勤務先で実施されている医師のストレスケア・メンタルケアの施策について質問したところ、「実施されているものは特にない・知らない」(245件)、「定期的なストレスチェックテスト」(217件)、「人事や労務などによる相談窓口」(121件)が上位にあがった。