「ピンキリ」という言葉の意味をご存知でしょうか。
見聞きしたことがあって意味はわかっても、「ピン」と「キリ」どっちが上でどっちが下なのかわからないという方もいるでしょう。
本記事では、「ピンキリ」の意味や使い方を解説します。「ピンキリ」の類語と例文もご紹介するので、要チェックです。
「ピンキリ」の意味とは?
ピンキリとは「ピンからキリまで」の略で、「最高のものから最低のものまで」という意味の言葉です。
「ピン」と「キリ」どっちが上なの?
「ピンキリ」では、「ピン」が最高(上)を、「キリ」が最低(下)を表しています。
「ピンキリ」の由来
「ピンキリ」の由来には諸説あります。もっとも有力視されているのは、16世紀後半にポルトガルから伝わった「天正かるた」において、1点を「ピン」、最後の札を「キリ」と呼んでいたところから「ピンキリ」といわれるようになったという説です。
「ピン」と「キリ」の語源
ピンの語源は、「点」を意味するポルトガル語の「pinta(ピンタ)」です。「キリ」の語源には、主に2つの説があります。
1.十字架を意味する「cruz(クルス)」が「十」を表すようになり、次第に「最後・最低」という意味になったとする説
2.「限り」という意味の「切り」が語源とする説
どちらも語源として考えられそうですが、天正かるたは10枚目ではなく12枚目を「キリ」と称していたため、1の説よりも「限り」という意味の「切り」を語源とする2の説が有力だといわれています。
「ピン」の単体での使い方
「ピンキリ」の「ピン」は単体でも使用されることが多いです。 ここでは、「ピン」の単体での使い方をご紹介します。
「ピン」は先述したように、大正かるたの「1点」を「ピン」と呼んだことが由来です。現代では「1人」を「ピン」ということが多いです。
下記は「ピン」が単体で使用されている言葉の例です。
ピン芸人
意味:単身で活動する芸人ピンショット(ピン写)
意味:1人で映っている写真
「ピンキリ」の使い方と例文
価格、クオリティー、人気度など、さまざまな高低をピンキリで表せます。文脈によっても意味が変わるため、使い方と例文を確認しておきましょう。
- ギフトの価格帯はピンキリです
この場合は、「ギフトには高級なものから安いものまで、さまざまな価格がある」という意味になります。
- 俳優といってもピンキリである
この場合は、「俳優といっても、人気俳優から無名俳優までさまざまな俳優がいる」というニュアンスで使われます。
- 中古車といってもピンキリなので、購入できないものもある
「中古車でも価格が安いものから高いものまである」という意味合いで「ピンキリ」を使用しています。
「ピンキリ」の類語
「ピンキリ」と近い意味の言葉を確認しておきましょう。
玉石混交
「玉石混交(ぎょくせきこんこう)」とは、「いいものと悪いものが混在している状態」を意味する言葉です。
宝石と石が入り混じっている様子を表しており、「玉」は宝石を表すので「いいもの」、「石」は「悪いもの」を意味します。
玉石混交を使った例文は下記となります。
- ネットの情報は玉石混交だから注意する必要がある
- フリーマーケットに並ぶ商品は玉石混交だ
当たりはずれ
「当たりはずれ」は「予想や予報などが当たることと、外れること」という意味合いで使われますが、「物事などが成功したり、失敗したりすること」という意味もあります。
「当たりはずれ」を「ピンキリ」と同様の意味で使った例文は、下記のとおりです。
- この値段の福袋に当たりはずれがあるのは仕方がない
- 独立するなら当たりはずれのない商売をしなさい
「ピンキリ」はさまざまなシーンで使える便利な言葉
今回は、ピンキリの意味や使い方、語源などを解説しました。
ピンキリとは「ピンからキリまで」の略で、「最高のものから最低のものまで」という意味があります。上を表すのが「ピン」で下を表すのが「キリ」なので、間違えないように注意しましょう。
ピンキリで表せるのは値段や人気度、クオリティーなど様々です。
「ピンキリ」と似た意味の言葉には「玉石混交」や「当たりはずれ」などがあります。語彙力を高めるためにも合わせて覚えておきたいですね。