俳優のムロツヨシが22日、都内で行われた『連続ドラマW 雨に消えた向日葵』(7月24日 22:00~ WOWOWで放送・配信スタート 全5話)の完成報告会に、共演の佐藤隆太、大島美優とともに出席した。

  • 左から、佐藤隆太、ムロツヨシ、大島美優

本作は、吉川英梨の小説『雨に消えた向日葵』(幻冬舎文庫)を原作に、ある少女失踪事件の真相を追う刑事と、失踪した少女の家族の苦悩と執念の日々を描いたヒューマンミステリー。

自身の妹をある事件から守れなかったことに大きな後悔を抱えながら、懸命に少女失踪事件の捜査にあたる刑事・奈良健市役を演じるムロは「シリアスといいますか、真面目といいますか、はっきりと言いますとコメディー要素のないドラマになっております」と紹介し、「今回はお客様もいらっしゃらず、関係者の方々とマスコミのみなさまが客席に座っていただいている舞台挨拶でどうやって真面目にやればいいのかわかりません。ここからふざけたとしてもそこには触れないでください。多少ふざけたところがあっても記憶から消していただきたいです」と真面目モードで挨拶。同舞台挨拶の映像がアーカイブ配信されることが明かされると、ムロは「アーカイブは厄介ですね」と苦笑し、失踪した少女・葵(大島)の父である石岡征則役を演じる佐藤も「最近の僕の敵はアーカイブなんですよね」と頭を抱えた。

また、本作で自身のパブリックイメージを覆す"新境地"ともいえる熱演をしたというムロは「佐藤隆太さんとも初めてでしたので、本当はもっとワチャワチャとお芝居のお話をしたかったところなんですけど、お互いに背負うものがあったので、真面目な会話をせざるを得なく、一歩目を間違えてしまうといつものカタカナ5文字が出てきてしまうので、カタカナ5文字を封印して、役者っぽく朝から現場に入りました」と舞台裏でも共演者とは一線を引いて接していたことを明かすと、佐藤は「本当に徹底されていましたよね。そこは座長としてキュッと現場の緊張感を常に張ってくださったなと思いました」と舌を巻いた。

一方、佐藤はムロとの共演を熱望していたことを明かし「やっとご一緒できると思ったらこういう作品で、(ムロと共演するなら)ワチャワチャとした作品を勝手に想像していたんですよ。言ったらまったく真逆の作品だったので最初は僕自身も戸惑ったんですけど、結果、完成したものを見て、初めてムロさんとご一緒したのがこの作品でよかったなって思います」としみじみ。そんな佐藤との思い出があるというムロは「まだ仕事がない頃、国立競技場の目の前のラーメン屋で奢ってくれたこと、ずっと忘れませんから。あの味忘れないもん」と感謝すると、佐藤は「じゃあ倍返しをお願いします」と笑顔で返した。

さらに、本作の内容にちなみ、これだけは諦めずずっと続けていることを聞かれると、ムロは、姪っ子が多感なときに"人の手柄を奪う"という役を演じた影響で、姪っ子に好かれていないと肩を落とし「姪っ子に好かれるのを諦めたのが3年前、そして2年前からお年玉でどんどん高感度を上げ、パンケーキでMAXになり、今年、学年が変わる3月に、2人の妹の誕生日とみんなの学年が変わるお祝いでプレゼントを渡したんですけど、とうとう"サンガツロース"と言われるようになりました」と打ち明けて笑いを誘い、「なので毎年諦めずに"サンガツロース"をやりまして、姪っ子たちに諦めずに好かれていこうと。物で釣ろうと思います」と力を込めた。しかし、姪っ子は多感な時期が過ぎ、ムロが出演するドラマから離れているそうで「竹内涼真君のドラマばかり見ています。姪っ子はすごい竹内涼真くんが好きなんです」と嘆き、佐藤は「共演を狙っていくしかないんですね」と遠くを見つめた。