ちょっとした掃除に役立つ「コードレス掃除機」。狭いスペースで保管できる上に、コードレスだから邪魔なコードも気にせずササっと掃除できるメリットは大きいので、一人暮らしの家にも一台持っておきたいアイテムだ。

今回比較するのは「Shark EVOPOWER Plus W35P 充電式ハンディクリーナー」(メーカー通常価格20,900円)、「マキタ 充電式クリーナー CL108FDSHW」(メーカー価格23,900円)、「ツインバード コードレススティック型クリーナー TC-E263GY」(メーカー価格21,780円)の3製品。いずれもメーカー価格は2万円以上だが、店頭やネットでは1.5~2万円程度で販売されている。

いずれも機能もシンプル、かつアタッチメントも複数あるが、実際の使い勝手はどうだろうか。今回家電お試しサービス「レンティオ」に協力してもらい、3機種をレンタルして実際に使ってみた。その様子をレポートしていこう。

Shark EVOPOWER Plus W35P 充電式ハンディクリーナー

最初に試すのはアメリカの家電メーカー・Sharkが手掛ける「Shark EVOPOWER Plus W35P 充電式ハンディクリーナー」。定価は今回比較した3商品の中では、本体620gと一番軽量だ。

なお「Shark EVOPOWER Plus W35P」はメーカー通常価格20,900円、実勢価格は1.6万程度で販売されている。

  • 「Shark EVOPOWER Plus W35P」メーカー通常価格20,900円、レンティオのレンタル価格は14泊15日で4,980円

サイズ・重さ・デザイン性

スタイリッシュなデザインに、手元に電源のオン・オフやゴミ捨てのボタンが集約されているシンプルなつくりが特徴。

サイズは使用時が高さ419.1x幅53.5x奥行き60.96mm、専用ドッグに収納すると高さ383x幅105x奥行き229mm。重さは本体のみで約620g、フローリング用延長ノズル使用時は820gだ。

吸引力は?

手元のボタンを押すだけで吸引がスタートする簡単な操作感。軽いのでサクサクと操作ができる。吸引力は1段階だけだがしっかり吸ってくれる。

またブラシの構造がシンプルなので、詰まったときにも掃除しやすいのは嬉しいポイントだ。

アタッチメント

アタッチメントは3種類。細かいゴミもしっかり吸収する「マルチノズル」、マットやカーテン掃除などに最適な「布団用ノズル」、そして狭い隙間が掃除できる「隙間用ノズル」だ。

  • 細かいゴミもしっかり吸収する「マルチノズル」

  • マットやカーテン掃除などに最適な「布団用ノズル」

  • 狭い隙間が掃除できる「隙間用ノズル」

また別売りで「フローリング用延長ノズル」も販売しており、さらに使い勝手が広がりそうだ。

  • 「フローリング用延長ノズル」メーカー通常価格は5,500円

ゴミの捨て方

手元のボタンを押すだけでパカッとゴミのカップが開いて捨てられる。ただ勢いが良いので、ゴミ箱などの中にしっかり入れた状態で開けることをおすすめしたい。

  • 手元のボタンを押すと…

  • パカッとゴミのカップが開く

専用フィルターがないので、追加でフィルター購入の手間がかからないのはうれしいところだが、本体を直接掃除する手間がかかる……とおもいきや、ダストカップは取り外して水洗いすることも可能だ。

  • ダストカップは水洗い可能

充電

充電は本体を専用ドックに挿すだけでOK。またバッテリーが2個付属しているので、ひとつは本体につけ、もうひとつは専用ドックに挿しておけば、もし急に本体の充電が切れた場合でもスムーズに補充ができる。ただしドックに挿している間、アタッチメントは外しておく必要がある。

  • サブのバッテリーは専用ドックに挿して置ける

なお、充電時間は約2.5時間、運転時間は約12分(バッテリー2個使用時は約24分)。手元の電源ボタンがバッテリーゲージも兼ねており、充電の消費具合は3段階で見える。

総評

あまりの軽さに大丈夫かと不安を感じていたが、軽いがゆえに取り回しがしやすく、掃除したいときにサクッと使えそうだ。またドックに挿しておくだけで充電可能なことや、予備バッテリーも同じドックで同時に充電できること、ダストパックの交換なしでゴミ捨てが可能なことなど、面倒臭く感じがちなポイントが上手くクリアになっている。

マキタ 充電式クリーナー CL108FDSHW

総合電動工具メーカーとして、高い品質が支持される「マキタ」のコードレスクリーナー「充電式クリーナー CL108FDSHW」。実力はありそうだけれど、工業製品らしい見た目から気になるのは音の大きさだ。こちらも比較していこう。

「マキタ 充電式クリーナー CL108FDSHW」の標準小売価格は23,100円、実勢価格は約1.4万円~2万円ほどだ。

  • 「マキタ 充電式クリーナー CL108FDSHW」標準小売価格 23,100円、レンティオのレンタル価格は14泊15日で5,480円

サイズ・重さ・デザイン性

サイズはパイプ・ノズルが付いた状態で長さ956mm×幅110m×高さ150。重さはバッテリーを含む本体のみで1.0kg。

本体の外側にくっついている外付けバッテリーなど、無骨な雰囲気もありつつ、白いボディにスッキリしたデザインだ。

  • バッテリーは本体の持ち手の下にカチッとはめる

アタッチメント

アタッチメントは通常のノズルに加えて、長さを出せる「ストレートパイプノズル」、隙間を掃除しやすい「サッシ(すきま)ノズル」の2種類がついている。

  • 広い面積を吸引できるノズル

  • 狭い所に使える「サッシ(すきま)ノズル」

便利に感じたポイントだが、小さいアタッチメントはともすれば紛失しやすいものの、こちらの製品はストレートパイプノズルにサッシノズルが付けられる仕様だ。隙間を掃除したい時に、ノズルどこにいったっけ? と悩まずに済むのも嬉しいところ。

充電

マキタ製品の特徴として、同社の手掛けるバッテリーを共通で使えることがある。今回のようなクリーナーの他にも、キャンプ用品や園芸用品、電動工具など、バッテリーを使い回せるマキタ製品で揃える「マキタ沼」にハマる方も。

今回の「充電式クリーナー CL108FDSHW」も、同じくマキタの10.8Vリチウムイオンバッテリーで動くタイプの製品だ。

なお運転時間は標準で約25分、強で約12分、パワフルモードで約10分。フル充電には約40分かかるので、複数個買っておいて予備バッテリーを準備しておいてもよいだろう。

吸った様子

手元のスイッチを押すと吸引スタート。複数回押してモードを変えられる。

無骨な見た目のように、吸引の音もかなり大きいか……と思ったが、他2台と比べて大きな違いはないように感じた。

またノズルの関節部分が球体になっており、グリグリと自由に動くのも使いやすい。

ゴミの捨て方

ゴミ捨て部分はカプセル式。本体をひねってカプセル部を開け、バサッとゴミを捨てられる。

なお本体にチリがいかないよう、フィルタが設置されている。紙パックを都度交換する必要が無いのでランニングコストはかからないが、フィルタ掃除やカプセルの内側の掃除はこまめに行っておきたい。

総評

人気の電動工具メーカーだけあり、使い勝手は抜群。軽すぎず重すぎずで扱いやすい。ゴミの捨て方が近い「Shark EVOPOWER Plus W35P」と比較すると本体のサイズ感がかなり大きいが、その分集められるゴミの量も多いうえに、カプセル式で口が大きいのでサッと捨てられそうだ。

1点、他2製品と比較すると、専用ドックや収納フックといった収納に関するフォローがないため、置き場所はちょっと考える必要はあるかもしれない。

ツインバード コードレススティック型クリーナー TC-E263GY

編集部内では「部屋に置いても違和感がない」という声が多かった「ツインバード コードレススティック型クリーナー TC-E263GY」。デザイン性はかなり高いが、吸引力が気になるところだ。

「ツインバード コードレススティック型クリーナー TC-E263GY」は、メーカー価格21,780円、実勢価格は1.4万円~2万円程度だ。

  • 「ツインバード コードレススティック型クリーナー TC-E263GY」メーカー価格21,780円、レンティオのレンタル価格は14泊15日で3,980円

サイズ・重さ・デザイン性

シルバーとブラックのツートンカラーのボディは、いかにも家電家電しておらず部屋にも馴染みそうなデザイン。

高さは1050mm、幅235mm、奥行き135mm。重さは本体・延長管・パワーブラシ合わせて約1.4kg。「Shark EVOPOWER Plus W35P」と比べると重めではあるが、ヘッドにある程度重さがある上に、新設計の"自走式ヘッド"でブラシがスイスイ進み安定感がある。また収納フックがついているため、壁にかけて収納することも可能だ。

アタッチメント

アタッチメントは、「パワーブラシ」のほか、「すき間ノズル」と長いノズルでさらに延長できる「延長管」が付属している。

  • パワーブラシ

  • 細い隙間に使える「すき間ノズル」

  • 長いノズルでさらに延長できる「延長管」

充電

充電時間は約2.5時間で、標準モードは約30分、強モードは約7分の連続使用が可能。

  • 収納フックが充電器も兼ねている

付属の収納フックにかけるだけで充電ができるので、バッテリーを入れ替えたりする必要もなく、スマートに使える。

吸った様子

吸引モードは標準と強モードを搭載しており、手元のボタンで操作ができる。さらにごみセンサーがゴミを感知すると、自動でパワーアップして強く吸引する仕様だ。

力を入れなくても前に進む"自走式ヘッド"でスイスイと掃除ができるし、ソファやベッドの下なども掃除し易いよう、ヘッドがフルフラットになるのも良い。

  • 重さがあるのでスイスイと進む「パワーブラシ」

ただ「パワーブラシ」はカーペットなどのゴミもしっかり吸い込んでくれる反面、ブラシ部分の構造がやや複雑で、ゴミが詰まりやすく感じた。

ゴミの捨て方

吸引したゴミはダストパックにまとめられる。抗菌ダストパックは微細なタルク粉を99.6%キャッチする不織布素材を使用しているため、パックを捨てる再に「掃除機の中がゴミのカスで汚れる」ということも少なそう。

サイクロン式と異なり、ダストパック部分をパカッと開いてポイと捨てるだけなので、捨てるときにホコリも舞いづらい設計だ。

総評

おしゃれな見た目だけでなく、吸引するパワーもしっかり。安定感のある自走式のパワーブラシで、広い部屋も掃除しやすそうだ。また浮かせられるタイプの収納フックは、充電器を兼ねているだけでなく、よく使うアタッチメントを付けたまま収納できるのも便利に感じた。


実勢価格1.5~2万円前後のコードレスクリーナー3種を紹介したが、ゴミの捨て方やデザインこそ異なるものの、どれも吸引力は申し分ない製品ばかりだ。

3種使い比べてみて、軽くて手軽に使いまわしたいなら「Shark EVOPOWER Plus W35P」、電動工具メーカー製の安心感と、吸引モードのバリエーションが多ければ「マキタ 充電式クリーナー CL108FDSHW」、広い範囲の床掃除をすることが多いなら「ツインバード コードレススティック型クリーナー TC-E263GY」が良いと感じた。

デザインの好みや収納、ゴミ捨ての手間などを鑑みて、ぜひお気に入りの一本を探してみてはいかがだろうか。