女優の川栄李奈が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、10日・17日に2週連続で放送される『泣き虫舞妓物語2022 ~夢と希望と涙の行方~』。京都で舞妓修業する少女の5年を追った作品だ。

その姿に、過去の自分を重ね、共感が止まらなかったという川栄。「本当に応援するという気持ちです」と寄り添いながら、語りを吹き込んだ――。

  • 『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した川栄李奈

    『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した川栄李奈

■自分がAKB48に入った15歳で舞妓の世界へ

京都で朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(NHK)の撮影をしていた際、街で舞妓の姿を見ていたという川栄。「朝早くから芸だけでなく、掃除も全部やるんだなと思っていましたが、こんなに稽古を積んでいて、舞妓さんから芸妓さんになるということも今回初めて知りました。華やかな世界という印象があっても、その修業期間はとても大変だなとすごく思いました」と語る。

今回の主人公・寿仁葉(じゅには)さんは、15歳で舞妓の世界に飛び込んだが、奇しくも川栄がAKB48のオーディションに合格したのも同じ年齢。「入りたてのときは毎日レッスンが続いて本当に休みが全然なかったのですが、舞妓さんも月に2回しか休みがないと聞いて、すごく共感しました」というが、この他にも、今回の作品はとにかく共感点が多かったそうだ。

「毎日毎日稽古漬けで、稽古しながら涙が出ちゃうのもすごく分かります。自分も昔はまさにそんな感じで、やる気はあるんだけど体が追いつかなくて怒られて、するとこっちも『分かってるよ』とイライラしてしまう。そんな気持ちは、見ていて本当に“あぁ~~!!”ってなりましたね(笑)」

「私もレッスンが嫌すぎて泣いていたので、甘えと見られるかもしれないんですけど、部屋から出られなくて遅刻しちゃうことがよくありました。そういう時期を乗り越えればきっと楽しくなるんですけど、なかなか難しいんです。本当にその現象を体験しているので、心がすごく通じ合う感じがしました」

そして、寝食を共にしてきた先輩舞妓や、後見人として面倒を見てくれていた芸妓が花街を離れていく姿にも、「私は結構先輩に助けられていたので、支えてくれた先輩がいなくなってしまうつらさはすごく分かります。そこに後輩ができて、自分がうまくいかなかったりするときの気持ちもすごく分かりました。もうめちゃくちゃ共感ですね」と、他人事ではないほどの感情を覚えた。

  • 涙する寿仁葉さん (C)フジテレビ

■挫折しそうになったときに支えてくれる存在は…

舞妓たちに立ちはだかる壁も描かれるが、川栄が挫折しそうになったときに一番支えてくれるのは両親だそう。「引き止めず、『嫌だったら辞めたらいいんじゃない?』みたいに、本当に軽い感じで言ってくれるんです。そんな両親がずっと見守っていてくれたので、支えになっていたのかなと思いますね」と感謝する。

一方で寿仁葉さんは、支えになっていた先輩たちが次々に去ってしまうことに、「本当に応援するという気持ちです」と寄り添う思いを語った。

■人を育てる女将に感服「絶対に大変」

このナレーション収録の後に、番組に登場する女将に会う機会があり、「緊張しました!」と吐露。また、「大河ドラマ(『青天を衝け』)で京言葉を演じたので、女将さんの言葉づかいに『あのときに聞いた言葉だ!』と思って、すごい感動しました」と目を輝かせる。

そんな女将に対しては、「人を育てていくというのは、絶対に大変じゃないですか。どうやって舞妓さんたちのモチベーションを上げているのか。それに、若いときから親元を離れている子たちの“お母さん”になるので、芸のこと以外の人間性もちゃんと育てないといけないと思うので、すごいなと思いました」と感服していた。

  • 舞妓の寿仁葉さん (C)フジテレビ

●川栄李奈
1995年生まれ、神奈川県出身。『とと姉ちゃん』『いだてん~東京オリムピック噺~』『青天を衝け』『カムカムエヴリバディ』(NHK)、『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ)、『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)、『知ってるワイフ』(フジテレビ)といったドラマ、『亜人』『センセイ君主』『恋のしずく』といった映画などに出演し、女優として活躍する。