今年は異常な暑さのせいか、ネット上ではすでに「そうめん」に関する話題を目にする機会がやたらと増えた。確かに、夏日でも冷えたそうめんならサッと作ってズズッと食べられるし、需要が増えるのもよくわかる。ただ、さすがに毎日食べてると飽きるんだよな〜……。

と思っていたら、ネットで何やら珍しいタイプのそうめんが話題になっているではないか。ネタ元は、超がつくほど著名な料理研究家のリュウジさん。6月下旬、YouTubeチャンネル「料理研究家リュウジのバズレシピ」にアップされた「具が一切ないのにバカウマ。絶対にクセになる超コスパめし【虚無そうめん】」という動画がバズっているのだ。

実際に作ってみたところ……これはめちゃくちゃギルティ。あまりに悪魔的な美味さである。夏バテも吹っ飛ぶ「虚無そうめん」の作り方をさっそくご紹介しよう。

旨み、大爆発! リュウジ流「虚無そうめん」の作り方

今回ご紹介するそうめんは、リュウジさんの「虚無シリーズ」に属する新作レシピだ。「虚無」とは、いまいちコンディションの優れない、やる気が出ないときでもサッと作れて美味しく食べられる料理を指す。もちろん、めちゃくちゃ体調のいいときに食べても美味いので、いつでも気が向いたときにサッと作って楽しむべし。

ではさっそく作ってみよう。

【用意する食材】
鰹節…1g
醤油…小さじ2/3
鶏ガラスープ…小さじ1
オイスターソース…小さじ2/3
砂糖…2つまみ
お酢…小さじ1/2
水…小さじ2
にんにく…少し
オリーブオイル…大さじ1
そうめん…100g
卵…1個

まずは、鰹節を器に移し、600wのレンジで50秒間加熱。こうすることで、鰹節が含んでいる水分的なものを完全に飛ばすことができるようだ。

加熱が終わったら、パリパリになった鰹節を手で粉末状に潰していく。こうすることで鰹節の風味が麺全体に絡むので、この手順は丹念にやっておこう。

続いて、鶏ガラスープの素を小さじ1杯投入。

オイスターソース小さじ2/3を投下。

さらに、醤油小さじ2/3を追加。

次に、砂糖を2ツマミ入れる。

そして、ここで酢を小さじ1/2加える。これが入ることで仕上がりがサッパリするらしい。

今度は水を小さじ2杯投入。

ここにオリーブオイルを大さじ1加える。リュウジさんによると、オリーブオイルの風味がすごく醤油と合うとのことである。あまり醤油とオリーブオイルを組み合わせる機会はない気がするが、確かにこれが驚くほどよく合っていた。

最後に、すりおろしにんにくを少々。リュウジさん曰く「ほんの少しでいい」ので、入れすぎには注意しよう。ちなみに、生にんにくがなければチューブのおろしにんにくでもいいようだ。

これをよく混ぜれば、タレは完成!

うわっ、めちゃくちゃ簡単……。完成したタレは、器ごと冷蔵庫の中に入れておくといいようだ。

続いて、沸騰したお湯でそうめんを茹でる。ちなみにリュウジさんは、茹で時間について1分20〜30秒くらいが美味しいと言っていた。あまり長く茹でてしまうと、歯ごたえが失われてしまうのだろう。

茹でたそうめんは水で洗い、氷水で締める!こうしてしっかり冷やすことで、麺の歯ごたえがグッとアップするそうなので、いくら虚無シリーズとはいえ、この工程は省かないようにしよう。

水気はぎゅぎゅぎゅ〜っとしっかり絞る。水分が残っていると、タレに絡めたときに味がボヤけてしまうのだ。

麺の水気を絞ったら、いよいよ先ほど作ったタレと和える。

よく混ぜたら、生卵の黄身を投下して(白身はお椀に入れて取っておこう)……

虚無そうめん、完成!

マジで、めちゃくちゃ簡単にできた。具らしい具も一切なし。これで本当に美味いのか、食べる前は半信半疑だったし、そもそもどんな味がするのか検討もつかなかったが、一口食べてみると……

げっ! 美味い!! これ、めちゃくちゃ美味い!!!!

鶏ガラスープと鰹節の風味がベースにはなっているんだけど、オイスターソースと卵黄の濃厚なコクと旨みが全体の味わいに深みを与えている。「何の味に近い」とはなかなか言えないが、これは相当美味いし、結構複雑な味わいに仕上がっている。

考えてみれば、鰹節で「和」のテイストが、オイスターソースで「中華」のテイストが、そしてオリーブオイルで「洋」のテイストが加わっているのだから、そりゃあ複雑で斬新な味わいだろう。だが、ものすごく上手く絡み合っている。パンチ力のあるジャンクな美味さなのだが、ほんのりと感じる酢の酸味が爽快感を与え、いい具合に味を引き締めてくれている。

おろしにんにくもいいアクセントになっている。確かに、にんにくを入れすぎたらせっかくのタレの味がにんにく一色になってしまいそうなので、注意は必要なのだろう。ってゆーか、こんなに簡単なのに、こんなに美味くていいの!? もはや笑うしかないレベルである。

味変として紹介されていたのは、黒胡椒、ラー油、マヨネーズ。最初にマヨネーズを入れてしまうと、味がマヨネーズに支配されてしまうので、黒胡椒を楽しんで、途中でラー油を味わい、最後にマヨネーズでガッツリいく、という流れがよさそうだ。個人的には黒胡椒、ラー油がピリリと辛くて美味しかった。

ちなみに、余った卵白は水150cc、鶏ガラスープ小さじ1と合わせ、レンジ(600w)で2分間加熱すれば美味しいスープとして味わうことができた。そうめんの付け合せに、ぜひお試しあれ!