私たち一人ひとりに割り当てられている名字は、国内で一体何種類ほどあるかご存じでしょうか? 「日本名字家系大事典」(東京堂出版)によると、国内の名字の種類は約30万にものぼるそうです。
これだけの数があれば、目にしたときに思わず「この名字、どう読むの?」と頭を抱えてしまうものもあるに違いません。そこで今回、マイナビニュース会員の男女485名に「難読名字」についてアンケート調査を実施。ランキング形式にまとめましたので紹介していきます。
「難読名字ランキング」の一覧
マイナビニュース会員に「難読名字」についてアンケートを実施したところ、このようなランキング結果になりました。カッコ内に主な読み方も記しています。
1位 躑躅森(つつじもり) 9.1%
2位 四月一日(わたぬき) 7.9%
3位 明日(ぬくい、あけひ、みょうが、ぬくひ、あけび、あす) 7.1%
4位 角大鳥居(すみおおとりい、すみお) 4.7%
5位 四十九院(つるしいん) 4.5%
6位 缶(ほとぎ) 3.7%
6位 陸上(くがみ、くがうえ) 3.7%
8位 月見里(やまなし) 3.6%
8位 薬袋(みない) 3.6%
10位 四十物(あいもの、あえもの、よそもつ、しともの、しじゅうぶつ、よともの、よそぶつ) 3.4%
10位 栗花落(つゆ、つゆり、つゆいり、つゆおち) 3.4%
12位 奉日本(たかもと) 3.0%
13位 雲母(きら、きらら) 2.8%
14位 一尺八寸(かまづか、かまつか) 2.6%
15位 小鳥遊(たかなし) 2.2%
15位 猩々(しょうじょう) 2.2%
17位 四十谷(あいたに、しじゅうたに) 2.0%
17位 五六(ふかぼり、ふのぼり) 2.0%
17位 七五三(しめ、なごみ) 2.0%
17位 五十山田(いかいだ、いがいだ) 2.0%
17位 百々米木(どどめき) 2.0%
17位 主税(ちから) 2.0%
23位 神々(みわ) 1.8%
23位 凸守(でこもり) 1.8%
25位 末包(すえかね) 1.6%
25位 御薬袋(みない、みなえ) 1.6%
27位 九(いちじく、いちのく、くちのく、まる) 1.4%
28位 外種子田(ほかたねだ) 1.2%
28位 九十九(つくも) 1.2%
30位 八月一日(ほずみ、はっさく、やぶみ、ほづみ) 1.0%
31位 貴家(さすが、かすう、きすう) 0.8%
31位 嘉数(かかず) 0.8%
33位 美甘(みかも) 0.6%
33位 小浮気(おぶき、こぶけ、こぶき) 0.6%
35位 柘植(つげ、つげ、つげうえ、つげしょく、しげうえなど) 0.4%
35位 鶴喰(つるはみ) 0.4%
35位 八十科(やそしな) 0.4%
38位 蓬莱(ほうらい) 0.2%
38位 祖母井(うばがい) 0.2%
38位 神酒(みき) 0.2%
ここからは、トップ10にランクインした名字が選ばれた理由を紹介していきます。
躑躅森
・「画数も多く、聞いたこともない言葉だから」(56歳男性)
・「躑躅森の漢字の画数が多くて漢字の成り立ちが全く想像できませんでした」(54歳男性)
・「まったく読めないが、深い意味がありそうなので興味深い」(65歳男性)
・「46年生きていますが、初めて見る漢字になります」(46歳男性)
四月一日
・「面白いくらいに読めない」(47歳男性)
・「何故そのように読めるのか全く理解できないから」(65歳男性)
・「ふりがながあっても想像できない読み方だから」(48歳男性)
・「わたぬきという音では、この字は全く想像できない」(64歳男性)
明日
・「こんな読み方があるとは知らなかったので、ただただ驚いている」(70歳男性)
・「『なぜ?』という感じで、イメージがわかない。その由来が知りたい」(70歳男性)
・「思いつかない読み方だった」(43歳男性)
・「方言にしか聞こえないから」(38歳男性)
角大鳥居
・「漢字の文字数よりも、読み仮名の文字数の方が少ない漢字を初めて見た」(65歳男性)
・「ふりがながあっても何のことだかわからないくらい馴染みがない」(42歳女性)
・「聞いたことも見たこともない」(51歳男性)
・「考えても答えの見当がつかないので」(40歳女性)
四十九院
・「読み方の発想が思いつかないから」(33歳男性)
・「聞いたこともない。初めて知りました」(63歳男性)
・「見たこともない字なので絶対無理」(52歳男性)
缶
・「缶をほとぎと読むなんて今まで全然知らなかった。こんな簡単な漢字にもこんなにも知らない読み方があることに愕然としました」(62歳男性)
・「『カン』と読んで何が悪い、としか思えない」(62歳男性)
・「見たことない。イメージできない」(47歳男性)
陸上
・「普通に読んだら『りくじょう』としか読めない」(47歳男性)
・「どんなに考えてもたどり着けない」(63歳男性)
・「読めないし初耳だったから」(40歳女性)
月見里
・「やまなしの読み方の語源を知りたい。山があっても月は見えそうですが」(53歳女性)
・「どこにも字がかぶってない。思い当たらない」(60歳女性)
・「ふりがなが想像もつかなかった」(40歳男性)
薬袋
・「薬の文字から想像できない」(71歳男性)
・「こんな言葉は生まれて初めて聞いたから」(60歳男性)
・「どう考えても、読めません」(68歳男性)
四十物
・「字面は簡単だが読めなかったから」(48歳女性)
・「この読み方は過去に調べた記憶がある」(56歳男性)
・「初めて見たし絶対読めない」(48歳男性)
栗花落
・「想像が付かない。どういう発想なのかわからない」(60歳女性)
・「つゆりという言葉自体が知らない言葉で、なんとなく漢字を見ると、落花生の一種なのかなと思うけれども、とても読めないと思う」(60歳女性)
・「これはひらがなでも、なんのことか想像がつかない」(59歳男性)
読めそうで読めない名字はクイズに使える!
「読めそうで読めない名字」ランキングの1位に選ばれたのは「躑躅森(つつじもり)」(9.1%)でした。岩手県で見られる名字とされており、その総画数は50を超えます。子どもの頃の習字など、名前を書く際にはとても厄介な名字と言えそうで、回答したユーザーからは「見たことも聞いたこともない」「画数が多すぎる」というコメントが目立ちました。
2位にランクインしたのは「四月一日(わたぬき)」(7.9%)。テレビ東京系列で2019年に放送されたドラマ『四月一日さん家の』でその読み方を知っていた人もいるかもしれません。ただ、初見で「わたぬき」と読める人はほぼ皆無でしょう。4月1日がエイプリルフールということもあり、「わたぬきという読み方は嘘だろ!?」とつっこみたくなるような名字ですね。
3位には「明日(ぬくい、あけひ、みょうがなど)」(7.1%)がランクイン。こちらは山形県や愛媛県に比較的多いと考えられています。2位の「四月一日」同様、一般的な読み方とはかけ離れた読み方だけに「なぜ、この読み方を……」といった趣旨のコメントが散見されました。また、「ぬくい」という表現は、主に関西地方で使われる「温かい」という意味の方言としても存在するため、「方言にしか聞こえない」という回答も見られました。
4位以降も、難読名字がズラリと並んでいます。こういった難読名字はちょっとした暇つぶしのクイズ問題や雑学ネタにも使えますので、ぜひ本記事を活用してみてください。
調査時期:2022年6月1日
調査対象:マイナビニュース会員
調査数:男女合計485人(男性 408人、女性 77人)
調査方法:インターネットログイン式アンケート