俳優の長谷川博己が主演を務める映画『はい、泳げません』(6月10日公開)の予告映像が6日、公開された。
同作は高橋秀実による同名小説の実写化作。大学で哲学を教える小鳥遊雄司(長谷川)は泳げず人生のほとんどで水を避けてきたが、ある日ひょんなことから水泳教室に足を運ぶ。その日から陸よりも水中の方が生きやすいという水泳コーチ・薄原静香(綾瀬はるか)と、水への恐怖で大騒ぎしながらそれでも続ける雄司の、一進一退の日々が始まる。泳ぎを覚えていく中で雄司は現実とも向き合うことになり、ある決定的な理由で水をおそれることになった雄司の、苦しい再生への第一歩だった。
この度公開された140秒予告では、小鳥遊の抱える喪失感やある過去の出来事が映し出される。泳げるようになればなるほどに蘇る悲痛な記憶に苦悩しながらも、それでも泳ぐことを諦めず、大切な人のためもう一度前を向こうとする小鳥遊の姿を本編から切り取った。
「水泳はすごいんです。素晴らしいんです! 私は小鳥遊さんにもあの喜びを感じてもらいたいんです!」と導いていく薄原コーチのもとでぐんぐんと成長していく小鳥遊はついに息つぎができるようになり、シングルマザーの恋人、奈美恵とその息子に「海に行きたい!」と言われて満更でもない表情を浮かべるまでに成長。ますます水泳にのめり込んでいく。しかし「怖いんです。思い出すのが」という小鳥遊の脳裏に浮かんだのは「お父さん!」と呼ぶ息子の声と水の中に紛れていく息子の後ろ姿だった。御徒町凧が作詞、森山直太朗が作曲を手がけLittle Glee Monsterに提供したバラードナンバー「生きなくちゃ」にのせて、かつて夫婦だった小鳥遊美弥子(麻生久美子)とともに、悔やんでも悔やみきれない出来事を消化できず思いをぶつけ合う姿が。そして夜のプールで「泳ぐのも怖い。思い出すのも怖い。僕は臆病で自分勝手な卑怯者だ!」と心の苦しみを吐露する小鳥遊に、コーチの薄原は声を掛ける。