もう夏か……。細麺で有名な大手ラーメンチェーン「一風堂」が、太麺をウリにしたつけ麺を展開したとき、それはすなわち夏到来の合図である。
ということで、一風堂が5月23日、夏季限定で「太つけ麺」の販売をスタートさせた。ラーメン好きの間ではほとんど夏の風物詩のようになっているこのメニュー。今年はなんと、あんなところやこんなところが進化しているではないか!
えっ?一体どんなところが進化しているんだ、って?居ても立っても居られず初日に食べてきたので、その詳細をレポートしよう。
麺も増量で味変アイテムも追加!今年の「太つけ麺」は一味違う
「太つけ麺」は、毎年のように販売されている、夏の一風堂の定番メニューだ。ヒンヤリと冷たいタピオカ粉入りの太麺が、夏に疲労した身体をシャキッと元気にしてくれる。
今年は天かすに黒七味を混ぜ込んだ「特製たぬき玉」が追加され、麺の量も昨年の320gから400gへと大幅に増量。過去最大のボリュームとなった。小麦粉の価格が高騰しているというのに……初めて本当の「身を切る改革」ってやつを見せてもらった気がするぜ……ありがとう、一風堂さん。去年より30円ほど値上げはされているようだが、80gも増えているなら安いものじゃないか。
さらに、今年は太つけ麺を長期間楽しめるよう、昨年より約1ヶ月も早く販売をスタートさせたようだ。今年は暑くなるのも早かったから、実に嬉しい話である。
それではさっそく、店員さん、これくださーい!
で、実際に到着したのがこちら。うわー、ボリューミー!
太めの麺がどーんっ!と鎮座し、煮玉子、炙りチャーシュー、ネギ、のり、特製たぬき玉がその脇をがっちりと固めている。この布陣、隙がない。
一風堂らしい乳白色のつけダレは超アッツアツ!まともに器を持ったら火傷するレベルである。麺が冷たいから、つけダレはこれくらいの熱さがベストなのだ。
さて、それじゃあさっそく麺をつけダレに浸けて……とその前に、実はオフィシャルで推奨されている食べ方がある。こちらをご覧あれ。
そう、麺をつけダレに浸けて食べる前に、まずは“麺のみ”をストレートで味わうべし、というのが店側の主張なのだ。よほど麺に自信があるということなのだろう。その心意気、買った。
ということで、まずは麺だけをいただきます。ちゅるちゅるっ……。
おお~、ツルッツルでモッチモチ。柔らかいんだけどコシがあって、喉越しも素晴らしい!密かに「 味付けなしで大丈夫かいな」と思っていたが、全然アリ。要はアツアツのつけダレにくぐらせることで、この冷えた状態の歯ごたえが多少なりとも損なわれてしまうのだろう。この冷えて引き締まった麺は、確かに一度試してみる価値がある。
では今度こそ、つけダレにイン。改めて、いただきます。
う~ん、美味!一風堂が誇るこってりした豚骨スープと濃厚な魚介の風味が絶妙にマッチ。魚粉は鰹、鯖、鰯などを使用しているようで実に芳醇だ。背脂が浮いていて味付けも濃いめだが、刻みタマネギも入っていてほどよく酸味が効いており、見た目より爽やかに、サッパリと食べることができる。タピオカ粉入りのモチモチつけ麺との相性もいい。
続いて、チャーシューも味わってみよう。
店内で炙ったというチャーシューは柔らかくはないが、とても香ばしく、下味もしっかりとついていて、噛めば噛むほど旨みがじゅわ~っと舌に広がっていく。意外に油っこくないので、夏にピッタリ。とろとろの煮玉子はやや甘めの味付けになっていて、これも美味!
半分くらい麺を食べ進めたところで、今季の肝いりである特製たぬき玉を投入。その味は……
おおっ、ずいぶん印象が変わるな!黒七味はピリリと辛く、香ばしさも大きな存在感を放つ。山椒も入っているようだ。つけダレ全体がほのかにスパイシーになっただけでなく、より“和”な風味も強まったイメージである。この特製たぬき玉はなかなかキャラクターが立っていて、味変にも効果的。もっといろんなシーンで出会いたい新アイテムだ。
最後はスープ割を堪能して完食。麺400gはなかなかお腹に溜まるが、麺そのものの美味しさや途中の味変アイテムの投入もあって、最後まで美味しく食べることができた。ごちそうさまでした!
確かなアップデートを経て今年も帰ってきた一風堂の太つけ麺。この夏の風物詩、最寄りの店舗で味わって初夏を満喫しよう。