リトルソフトは5月10日、「プログラミング教育必修化」に関する調査の結果を発表した。調査は2月14日〜16日、全国の小学校教師(教員)1,024人を対象にインターネットにて実施したもの。
まず、プログラミング教育が必修化前にどのくらいのプログラミングの知識を持っていたか聞いたところ、「専門的な知識を持っていた」が21.0%、「教育に必要な知識は持っていた」が45.0%、「あまり持っていなかった」が23.5%、「まったく持っていなかった」が10.5%という結果となった。
プログラミング教育の必修化によって授業にかかる負担がどのくらい増えたか尋ねると、32.7%が「大きく負担が増えた」、54.8%が「やや負担が増えた」、10.5%が「変わらない」、2.0%が「負担は減った」と回答した。
負担が増えたと感じている人に、最も大きな負担を感じている点についても質問。すると、「教科内容の理解や指導計画など準備が大変な点」が45.1%で最も多く、次いで「情報機器(端末)の操作を覚える必要がある点」(23.6%)、「教材やカリキュラムなど用意することが大変な点」(22.2%)が続いた。
現在行っているプログラミング教育に手ごたえを感じているか尋ねると、7割以上が「大きな手ごたえを感じている」(14.7%)、「ある程度の手ごたえを感じている」(55.7%)と回答。
その理由については、「プログラミングを体験しながら学習活動ができている」が56.0%で最も多く、次いで「プログラミング的思考(論理的思考力)が身についてきている」(37.3%)、「文字入力などの基本的なPC操作が習得できている」(37.2%)が続いた。
一方で、手ごたえを感じなかった人に対してもその理由を聞いてみると、「プログラミング教育を行う環境に不備があるから」が39.9%で最多となり、以下「自分が納得できるプログラミング教育ができていないと思うから」(35.0%)、「児童が成長している実感が湧かないから」(30.4%)が続いた。
指導する教師についての課題はどのくらいあると思うか尋ねると、40.8%が「大きな課題があると思う」、55.1%が「やや課題があると思う」、4.1%が「課題はないと思う」と回答。
課題があると感じる点については、「具体的な授業の進め方や指導方法などが決まっていない点」が51.4%で最も多く、次いで「プログラミングを使った授業に不慣れな点」「プログラミングを指導するための教員研修プログラムが稚拙な点」(各42.2%)が続いた。
小学校の教育環境の課題に対して、どのような対策が必要だと思うか尋ねたところ、「インターネットや無線LANなどの通信環境の整備」が47.1%で最多となり、次いで「ICT環境(児童数と教育用コンピュータ台数の比率改善など)の整備」(38.8%)、「電子黒板、実物投影機などの補助機器の整備」(35.3%)が続いた。
最後に、「今後、小学校のプログラミング教育を推進するためには、さらなるICT環境の整備が必要だと思いますか?」と質問したところ、89.6%が「はい」と答えた。