腕に自信のあるアマチュアベイカーが集い、スイーツやパン作りを競い合うAmazon Originalクッキング・リアリティ番組『ベイクオフ・ジャパン』シーズン1で、番組ホストに抜てきされた工藤阿須加。誠実さあふれるホストぶりでベイカーたちに寄り添い、彼らを激励しながら番組を盛り上げている。俳優としてはもちろん、今は農業にも取り組んでいる工藤。自分の本職について「俳優兼農家」と話す彼が、新たなチャレンジにかける思いを明かした。

  • 工藤阿須加

イギリスで社会現象を巻き起こした人気番組『ブリティッシュ・ベイクオフ』の日本版となる本作。総勢10人のベイカーが1話ごとに3つの課題に挑戦。制限時間以内に課題のスイーツやパンを作り、スター・ベイカー(優勝者)を決めるクッキングコンテストだ。

女優の坂井真紀と一緒にホストを務めることになった工藤は、「番組の主役となるのは、アマチュアベイカーのみなさん。ホストをやるにあたってはまず、『アマチュアベイカーの方々のコンテストにかける思いや人となりがどのようにしたら伝わるのか』ということを考えました。できるだけたくさんの魅力が伝わるようにしたい、僕はその手助けをするんだということを心に留めていました」とサポート役に徹して、番組に臨んだという。

「タイプのまったく違う方々が集まっています」というように、集まった10人のベイカーは年齢や性別、性格も異なるカラフルなメンバーたち。同じテーマに沿いながらも、それぞれの個性を注ぎ込むことで異なるスイーツやパンが完成する点が大きな見どころで、工藤も「僕自身も、どのようなスイーツやパンが出来上がるのかとても楽しみでした」とにっこり。「回が進むごとに、ライバルではありながらも、ベイカーのみなさんの間に勝負の垣根を超えた絆が生まれて、仲間意識が強くなっていく。毎回1人が番組を去ることになりますが、僕もどんどんみなさんに情がわいてきて、せつなくなったり、グッとくる瞬間も多かったですね」と振り返る。

番組では、柔らかな笑顔でベイカーたちの緊張をほぐしている工藤。温かみと誠実さの伝わる人柄も魅力的だが、人と接するときに心がけていることはどんなことだろうか?

工藤は「“相手がどういう言葉を言われたら嫌なのか”、“どういうことをされたら嫌なのか”ということを考えるようにしています」と相手視点に立つことを大切にしているそうで、「ベイカーのみなさんの中で考えても、『頑張れ』という言葉をかけて頑張れる人もいれば、その言葉が重みに感じてしまう人もいるはず。それを見極めるためには、まずは自分が聞き役に徹して、相手の人となりを話してもらうことが大事だと思っています」と語る。

“人の話に耳を傾ける力”を培った原点は、「小さな頃から、大人がいる環境に触れることが多かったからかもしれません。また5人兄弟の長男で育ったことも、影響しているかもしれませんね。5人それぞれ性格も違うし、集まったときには言うこと、やることも違いますから(笑)。僕の家族は、助け合う家族だと思います。妹や弟に助けてもらうことも多いですし、本当にいい妹、弟たちです!」と家庭環境も影響している様子。

続けて「僕は『すべての物事は表裏一体なんだ』と思っているところがあって。誰かから見たらいいことでも、誰かから見たら悪いことに感じることだってある。誰かにとっての正義が、誰かにとっての悪になることだってありますよね。人によって視点が変われば、物事の捉え方もすべて変わってくる。いつの間にかこうやって世界を見るようになっていて、それはもう僕のクセになっています」とモットーを告白。「自分視点だけで生きていると、世界が狭くなりますから」とさまざまな側面から物事を見つめているという。