――カッコよさはもちろんですが、つるのさんがそれだけ『ウルトラマンダイナ』という作品を大事にされているのは、それだけ特別な現場だったからなのでしょうか。

スーパーGUTSは、役者それぞれがキャラクターを作っていった気がするんです。無理やりつけられた役ではなく、1年をかけて本当に作っていった。そういうところも含めて、みんなで作った感が強いんです。なんでも言い合える間柄だったので、すごく話し合いながら作ったことを覚えています。もちろん、そういう距離感になるまでには相当なお酒の量も必要としましたが(笑)。

このあいだ、りっちゃん(斉藤りさ)から「出演者が『ダイナ』をこれだけ応援しているのは、つるちゃんがずっと『ダイナ』のことを言い続けているから。だから私たちもスーパーGUTSでいつづけてるんだよ」って言われたんです。「ほかの俳優さんは、あまりそういうことを言いたがらない人もいるじゃない」って。そういう意味では、僕はちょっと言いすぎてたのかもしれないですね(笑)。

――でも、出演者の方もずっと作品を大切にしてくれているのは、ファンの方にとってもすごくうれしいことだと思います。つるのさんはアスカをどのように作っていったのでしょう。

作るというより、アスカは自分そのもの、そのまんまでした。なので、大事にするしない以前に、自分自身なんですよね。だから、最終回でアスカとしての結末はありましたけれど、そのあともアスカの旅は僕の旅として続いていると思っているんです。本編が終わったあとの僕の姿をアスカと重ねて応援していらっしゃる方もいる感じがするので、そこは大切にしていきたい。アスカを裏切りたくないというか、アスカとともに成長していきたいんです。これは、作品が終わってしまってから、僕があっちの世界に行くまでのドキュメンタリーだと思っているんです。

――それは、ある意味でとても厳しい寄り添い方ですね。

アスカを生かすも殺すも自分の在り方次第。アスカを見て、自分の夢を持った方もいると思うので、そうした方に対しても責任があると思っています。いまでも、迷った時にアスカだったらどうするだろう、アスカだったらこんなことはしないなと、アスカが判断の基準になることがあります。

――25年「ウルトラマン」に寄り添ってきたつるのさんから見て、「ウルトラマンシリーズ」の魅力は特にどんなところにあるのだと思いますか。

やっぱり、「ずっと続いていること」だと思います。長く続いているからこそ、みんなそれぞれの世代のウルトラマンがいます。これだけ大人が夢中になるのも、小さなころに見ていて、それがずっと心の中に残っているからだと思うんです。僕自身もウルトラマンには同じ思いを抱いていて、今でも熱くなるし、キュンキュンするんですよね。

――最後に、配信を心待ちにされていたファンの方にメッセージをお願いします。

何より自分自身が心待ちにしていました。配信される日には、待ってくださっていたファンの方たちと一緒に盛り上がりたいですね。僕もこれを機に一話からもう一度見て、懐かしさとちょっとの恥ずかしさに浸りたいと思います。

(C)円谷プロ