南海電気鉄道は、新今宮駅のリニューアル工事が完了し、1階改札口が新たに供用開始するとともに、新今宮駅北側エリアにおけるおもてなし・にぎわいづくりの拠点「さんかくち」がオープンすることを受け、3月26日に記念式典を開催した。
新今宮駅は、南海電鉄において難波駅に次ぐ乗降客数を誇り、JR線などと接続する交通の要衝。2020年10月から行われてきたリニューアル工事がこのほど完了し、3月26日に供用開始となった。リニューアル工事のおもな内容として、改札口の1階南北通路両側(東・西)への移設と2階改札口の撤去、南北通路のリニューアル、4番線ホーム(南海本線上りホーム)を結ぶエレベーターの大型化が挙げられている。
また、新今宮駅高架下にあった用地の活用に南海電鉄が名乗りを上げ、新今宮駅北側エリアのおもてなし・にぎわいづくりの拠点「さんかくち」が3月25日にプレオープン。4月1日にグランドオープンを迎える。
「さんかくち」というネーミングは、当該地の形(三角形)を表し、なんば・新今宮・新世界天王寺の3エリアをつなぎ、地域住民・行政・民間が三者三様の立場で参画してもらえる場所になるようにとの願いを込めたという。これらの事業の背景として、都市観光ホテル「OMO7(おもせぶん)大阪 by 星野リゾート」のオープンに伴う駅周辺環境の変化が挙げられる。
記念式典では、南海電鉄の常務執行役員 鉄道営業本部長の梶谷知志氏が登壇。挨拶の中で、「訪れてよし、住んでよしの新今宮駅のエリア。南海電鉄としても、駅を拠点としたまちづくりをともに進めていきたい」と述べた。
大阪市浪速区長の幡多伸子氏も挨拶し、新今宮駅エリアが「本当にきれいになった」という地元高校生の声を紹介。南海電鉄から「さんかくち」というネーミングを聞かれた際、「最初は『堅い』と思いましたが、何回も口にすると味わい深く、親しめるネーミングだと思います」と評した。
新今宮駅の南北通路は明るい木目調となり、従来のイメージを一新。通路の両側に新しく改札口が設けられ、1階と4階(2・3番線ホーム、4番線ホーム)を結ぶエレベーターも設置された。自動改札機とともにオープンカウンターの駅事務室も併設されている。改札口が2階から1階に移り、よりスムーズに南海電鉄を利用できるようになった。
おもてなし・にぎわいづくりの拠点「さんかくち」は、道路を隔てて駅北口の向かい側にある。文字通り三角形の土地となり、当日はキッチンカー3店舗が営業していた。キッチンカーは毎日営業し、季節ごとに店舗を変える可能性もあるとのこと。席からは大阪のシンボルである通天閣や、JR大阪環状線・大和路線(関西本線)の列車も見えた。
新今宮駅周辺では、4月22日に「OMO7大阪 by 星野リゾート」がオープンする予定。今回の駅リニューアルも含め、これから数年間でいま以上に変化を遂げることだろう。