JR西日本は、特急「やくも」の伯備線での運転開始50周年を記念し、現行車両381系の1編成を懐かしい国鉄色(クリーム色・赤色)に塗り替え、3月19日から運転開始した。リバイバル編成は特急「やくも」の上下各2本を対象に、当面運転予定とされている。

  • 特急「やくも」の車両381系の1編成が懐かしい国鉄色に

特急「やくも」は1972(昭和47)年の山陽新幹線岡山開業に合わせ、岡山駅で新幹線と接続し、伯備線経由で山陰・山陽エリアを結ぶ特急列車として運転開始。1982(昭和57)年の伯備線電化に合わせ、曲線の多い線区向けに開発された自然振り子方式の特急形電車381系が導入された。今年は特急「やくも」の伯備線経由での運転開始から50周年、381系での運転開始から40周年となる。

2024年春以降、特急「やくも」に新型車両273系が投入される予定。それまでの間、現行車両381系の1編成を懐かしい国鉄色に変更し、リバイバル編成として運転することとなった。運転開始日の3月19日、リバイバル編成による上り「やくも8号」の発車に合わせ、出雲市駅で出発式、米子駅でオープニングセレモニーが開催されたという。

特急「やくも」は通常、4両編成での運転だが、3月19~20日は連休中ということもあり、リバイバル編成は6両編成で運転されていた。下り運転時の先頭車(クロ381-141)は非貫通タイプで、国鉄時代のデザインを再現している。一方、上り運転時の先頭車(クモハ381-507)は貫通タイプ。国鉄時代末期の改造で先頭車となり、2016(平成28)年には自動解結装置の取付けに伴う改造でスカート(排障器)の形状も変更されたという。リバイバル編成ではスカートの色も変更されていた。

  • 上り運転時の先頭車は貫通タイプ。スカートの形状も異なる

  • 下り運転時の先頭車は非貫通タイプ。3月19~20日は6両編成で運転された

国鉄色となった381系のリバイバル編成は注目を集め、連休中ということもあって駅や沿線の各所で多くの鉄道ファンらが集まっている様子だった。リバイバル編成は上り「やくも8号」(出雲市駅7時21分発・岡山駅10時35分着)・「やくも24号」(出雲市駅15時30分発・岡山駅18時39分着)、下り「やくも9号」(岡山駅11時5分発・出雲市駅14時12分着)・「やくも25号」(岡山19時5分発・出雲市駅22時11分着)の上下各2本を対象に運転される。