三菱電機は3月15日、睡眠と換気に関する調査の結果を発表した。調査は2月7日〜9日、全国の20代〜60代の男女1,000人を対象にインターネットにて実施したもの。

  • 睡眠に対する意識

まず、コロナ禍による睡眠に関する変化について聞いたところ、30.3%が「睡眠時間が長くなった」と回答したほか、35.5%が「睡眠に関する悩みが増えた」と答えた。また、「睡眠の質を上げたいと思うようになった」と答えた人は64.1%いた。

年代別に見ると、睡眠時間が長くなったのも、睡眠悩みが増えたのも、睡眠の質を上げたいのも、20代(睡眠時間45.5%、睡眠悩み44.5%、睡眠の質75.5%に多くなっている。

現在の睡眠時間を聞くと、平日の平均は6.41時間、休日の平均は7.31時間となった。現在の睡眠時間については、42.4%が「十分ではない」と答えている。

現在の睡眠の悩みを聞くと、「眠り足りない」(35.8%)、「日中に眠気」(32.5%)、「寝つきが悪い」(27.1%)が上位に。全体で83.9%が何らかの睡眠の悩みがある事が分かったが、特に20代女性(93.0%)、30代女性(91.0%)で睡眠悩みを抱える割合が高いことが判明している。

  • 現在の睡眠悩み

また、睡眠時間が十分な人、十分ではない人に分けて睡眠悩みを見ると、睡眠時間が十分ではないと感じる人の方が睡眠悩みを持つ割合が高くなっている。その一方で、睡眠時間が十分と答えた人でも23.4%が「日中に眠気を感じる」と答えている。

睡眠前の環境で良い睡眠のために工夫していることについては、「お風呂に入る」(33.1%)、「規則正しい生活を心がける」(32.8%)、「毎日同じ時間に寝る」(30.6%)が上位に。

  • 良い睡眠のための環境づくりの工夫

睡眠中の環境で工夫していることは、「まくらにこだわる」(22.4%)、「布団にこだわる」(13.8%)、「マットレスにこだわる」(12.1%)などの回答が多く見られた。

良い睡眠のために寝室の換気をする人は少数派となった一方で、コロナをきっかけに換気の重要性を考え始めたのは、73.9%であった。朝起きた際に自分の寝室の空気がよどんでいると感じた経験を聞くと、23.1%が空気のよどみを感じている事が分かった。

良い睡眠と寝室の換気には影響がある事を知っていたかどうかについては、「詳しく知っていた」が2.6%、「聞いたことはある」が22.1%となり、良い睡眠と寝室の換気の関係を認知している人は24.7%にとどまった。

睡眠前に実践している人に対し、寝室の換気方法について聞いてみると、「窓を1か所開ける」が51.3%で最多となった。睡眠中においては、「ドアを開ける」が42.0%でトップに。

  • 実践している寝室の換気方法

寝室の換気については、60.4%がしていないと答えている。その理由については、「換気の必要性を感じない」が29.8%で最も多く、次いで、「室温調整ができない」(25.5%)、「外の音が気になる」(24.8%)、「防犯面が不安」(22.4%)が続いた。

  • 寝室の換気をしない理由

快眠セラピスト・睡眠環境プランナーの三橋美穂(みはし・みほ)さんは、寝室の換気ができない人には「睡眠前の換気」が重要とアドバイスしている。

「良い睡眠のためには換気はもちろんのこと、適切な温度・湿度作りも大切になってきます。そのため、睡眠前に窓開け、換気扇使用などにより、新鮮な空気を部屋に取り入れた後に、エアコンによる温度・湿度調整を行うようにしましょう。これによりCO2濃度が下がり、睡眠の質向上が期待できます。また部屋に備え付けの換気扇がある場合は、就寝中も常時使用することをお勧めします。しかし、季節や気候、住居の立地などなかなか難しい場合もあるかもしれません。その際は、最新の換気扇等の導入や寝る前の事前換気など、換気との付き合い方に注目してみてください」(三橋さん)