• 小池洋平プロデューサー

大学2年から4年まで2年間、学業そっちのけでインターンという形でBiSHのマネージャーを務めていた小池P。「今はテレビ局も働き改革が進んでいるので、当時は今の何百倍も忙しくて、何百倍もきつくてつらかったです。業務量も多いし、学生なので効率が悪く、作業が遅くてめちゃくちゃ怒られて…。その上、世の中を知らなかったので、自分が何者かになれるはずだと思い込んでいたんですけど、代表の渡辺さんやスタッフの皆さんをはじめ才能ある人たちに囲まれる中で、自分の才能の無さに直面して結構落ち込みました」と、挫折を振り返る。

「もっと頑張っていれば経験が積めたんじゃないか」と後悔もあったそうだが、そんな中で当時渡辺代表にかけられた言葉が、テレビマンの今に生きている。

「『人がサボってる間に働け』という言葉を聞いて、才能がない分、誰よりも努力しようと思うようになり、今回の企画募集では30本企画書を出しました。選ぶほうも“これだけ出したなら通してやろうか”という考えになったのかもしれません(笑)」――小池Pの“本気”が、番組実現へ突き進む力になったようだ。

それだけ大きな存在であるBiSHは、来年で解散することを発表しており、「寂しさや悲しい思いもありますが、当時から代表が『人気最高潮の中で解散するのが、一番BiSHらしいしカッコいいよね』と言っていたので、本当にその通り解散するのかという驚きもあったんですけど、やっぱりカッコいいなと思いました」と理解。

昨年、入社2年目で初プロデュースしたドラマ『ボクとツチノ娘の1カ月』でハシヤスメ・アツコを主演に抜てきしたが、「やはりBiSHは自分の中で特別な存在なので、解散まではもちろん、解散した後もこの業界にいらっしゃる限りはまた一緒に仕事をしたいですし、元マネージャーとして皆さんの活動を応援したいと思います」と誓った。

■サブスク時代でのローカル局の戦い方

単発特番として立ち上げた『本気を出しちゃってもいいかしら?』の今後の展望を聞くと、「まずは第2回につなげていき、プラチナイト(=日本テレビ系全国ネット24時台枠)や、いつかはゴールデンで、アインシュタインさんとニューヨークさんと一緒にできたらいいなと思います」と意欲。

入社3年目にしてプロデューサーを務め、順調に経験を積んでいるが、「個人的な目標としては、バラエティに限らず、ドラマやアニメもできるプロデューサーになりたいと思っています。今はサブスクで予算のかかったすごい映像が見れる時代で、ローカル局で正面から戦っても勝ち目がないので、配信業者さんや出版社さんと組んで、様々なメディアミックスでコンテンツを作っていければ。そのためには、エンタメの企業がたくさんある東京に異動して仕事してみたいとも思います(笑)」と、野望を語ってくれた。

●小池洋平
1994年生まれ、宮崎県出身。中央大学法学部在学中にBiSHのマネージャーを務め、卒業後19年に読売テレビ放送入社。営業を経て、2年目で制作に異動し、ドラマ『ボクとツチノ娘の1ヶ月』(21年)、バラエティ『本気を出しちゃってもいいかしら?』(22年)と単発番組をプロデュース。レギュラー番組では『あさパラS』『もんくもん』などを担当する。